ネタバレなしの書評 / 本のあれこれ

おっさんたちが悪事を斬る。

ご来訪に感謝。

ところで、こんなことを思う時がないだろうか?

  • 悪事を懲らしめたい。
  • 家族との不協和音が鳴りやまない。
  • おっさんになってしまった、希望が湧かない。

 

ちょうどよかった。

そんな人にオススメの小説がある。

有川 浩さんの『三匹のおっさん』だ。

  『三匹のおっさん』は、悪を斬るおっさんたちの世界へ、頼んでもいないのに連れて行ってくれる。

 

あらすじ

還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え…。痛快活劇シリーズ始動。(「BOOK」データベースより)

 

『有川 浩』とは…

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1972年6月9日生まれ。

2003年 - 塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。

2006年 - 図書館戦争』で『本の雑誌』が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位。

2008年 - 図書館戦争』シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。

さらに、本シリーズ5作目の『別冊図書館戦争I』は、雑誌『ダ・ヴィンチ』による「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2008」恋愛小説部門で、第1位を獲得。

2010年 - 植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞を受賞。

2011年 - 県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」の総合1位と恋愛小説1位を獲得、第3回ブクログ大賞小説部門を受賞。

キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を受賞。

2012年 - 空飛ぶ広報室』と『三匹のおっさん ふたたび』が、「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位、第2位をそれぞれ獲得。

 

『三匹のおっさん』とは…

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三匹のおっさんが、悪事をバッタバタとぶっ飛ばしていく痛快劇。

 

波乗りおっさん。

近年、おっさんは流行の兆しを見せている。

おっさんを題材にドラマになったり映画になったり。

 

とりあえず何にでもおっさんと付ければ、それなりの効果が期待できると、巷ではもっぱらの噂である。

おっさんの1人として、僕も鼻が高い。

 

時代の波に乗る、波乗りおっさん。

その中でもカッコよさが、妖怪で言えばS級の半端ないおっさんを3匹ほど発見してしまった。

 

彼らは子供の頃「三匹の悪ガキ」と呼ばれ、悪名を馳せていた。

ベタな呼び名である。


時が経ちおっさんになった彼らは、あるきっかけから「三匹のおっさん」として町内巡回を始めるのだ。

すると世間というのは悪いことで満ち溢れているようで、次から次へと悪事が立ちはだかってくる。

 

それらに立ち向かうおっさんたちの勇ましさは、神々しく光っていた。

これは流行るわけだ。

 

 こんなおっさんになれるように、僕も今から特訓をしたいと思う。

化学兵器の開発から始めるか、剣道から始めるか、思案中だ。

 

悪意はすぐそこに潜んでいる。

物騒な世の中である。

一歩外に出れば悪事に当たって砕けるかもしれない。

 

本作には、たくさんの悪事が出ては消え、消えては現れる。

詐欺であったり、DVであったり、世間で問題になっているような出来事である。

 

運がいいことに、僕の周りではそういう犯罪に巻き込まれた人はいない。

なので、どこか遠い場所で起こっていることなのだと錯覚していた。

 

だが、これは決して遠い場所で起きていることではなかったのだ。

被害にあった人たちは、僕の周りにいるような普通の人ばかり。

 

奴らは、すぐそこに潜んでいて、姿を現す時を待ち構えているかもしれないのだ。


許すまじ事件たち。

それらを3匹のおっさんは華麗に解決していく。

 

たまたまおっさんたちは、剣道、柔道、そして機械の達人である。

ちょっとしたアンダーグラウンドな組織もびっくりの人材が、並大抵の悪事に負けるわけがない。

お茶の子さいさい、と解決していく。

なんて気持ちがいいのだろう。

 


事件を通して三匹のおっさんたちはそれぞれの家族とも向き合うことになる。

彼らが家族との絆を深めていく姿には、ほっこりと頬を緩ませてしまった。

 

良かったね、おっさんたち。

 

古代ギリシアの哲学者『デモクリトス』は言った。

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 人は善き人であるか、善き人を見倣うか、そのいずれかでなければならない。

 

善き人を見倣おうと思う一冊だった。