未来へ向かう途中の道で。

 
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 大人になんかなりたくないよ。
  • 大学生ってどんな感じなのだろう。
  • もういちど生まれたくて仕方がない。

 

ちょうどよかった。

そんな人にオススメの小説がある。

朝井 リョウさんの『もういちど生まれる』だ。

 

あらすじ

彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遙。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。 (「BOOK」データベースより)

 

もういちど生まれる

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子供のように自由にはできないけれど、大人のようにも振舞えない。大人寸前の若者たちの不安や葛藤。僕にもそんな時代があった。

 

けれど、大人になってしまえば、そんなことはどうでもよくなる。そんな時代もあったね、と自分の中で折り合いをつけてしまう。

 
だからこそ、それはとても眩しくて痛い

 

リアル。

本作は短編集だ。どの主人公たちも、同じように葛藤を背負い込んでいる。その揺れ動くものは、現代の若者像と非常によくマッチングしていてリアルにうつる

 
彼らはそれぞれ、葛藤から抜け出すための一歩を踏み出していく。けれど、一歩は一歩。『もう一度生まれる』は言わば決意表明である。

 

彼らはここからどう進んでいくのだろうか。

 

 
おっさんの僕は、大人でも子供でもない彼らに期待をせずにはいられない。
 

 

素晴らしき財産。

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若いというのは素晴らしい財産である。年を取ってから初めて気づけるような、かけがえのないもの。

 

僕はその若い時期を無駄に過ごしてきたのには定評がある。楽しいことをしたい、でかいことをした、こんな夢がある。その全てを持ち合わせていなかった。

 

キラキラ。

本作の登場人物たちはみんな、キラキラと宝石のように輝いている。輝ききれず歯がゆい気持ちになる人物もいるが、それでも僕からすれば眩しくて目も当てられない。溶けてしまいそうだ、なぜなら僕はチョコレートだから。

 

こんなことをすればよかった。

あの頃こんなことをすればよかった。そんなことを思っても時間は戻らない。戻るかもしれないと、未だに寝る前に「戻れ!」と念じてみるが、ドラゴンボールの瞬間移動ぐらい叶わない願い

 

だからせめて、今この時間が輝くように磨きをかけなければいけないのだ。

 

 
今を一生懸命生きる大切さを、僕は本作に教えられた。