1984年に加わったquestion markのQ。

 

ご来訪に感謝。

ところで、こんなことを思う時がないだろうか。

 

 

  • 何だか日常がつまらない。
  • 不思議な体験がしたい。
  • 1984年にタイムスリップしたい。

 
ちょうど良かった。

そんな人にオススメの小説がある。

村上 春樹さんの『1Q84』だ。

 

あらすじ

1Q84年―私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう。青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。…ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれて、主人公・青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。(「BOOK」データベースより)

 

1Q84

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世界は疑問に満ちている。少し歩けば、犬のように疑問にぶち当たり、もう少し歩けば、世界情勢のように混乱する

 

しかも疑問には必ずしも答えがあるわけではない。こうなのかもしれないし、そうではないのかもしれない。

 

手探りで歩いていく物語。

手探りで歩いていく物語は青豆と天吾をいつの間にか違う場所へと招待する。行くとも行かないとも言っていないはずなのに、気づけばそこは違う世界『1Q84

 

運命という詐欺師は2人に試練を与える

 

貴い愛と1Q84。

全6冊(ハードカバーだと3冊)の長編で描かれるのは、貴い愛と1Q84という世界の異様さである。謎に満ちた出来事は、その異様さを際立たせる。

 

ある少女の小説、宗教団体、夜空に浮かぶ月、人智を超えた存在。

 

その全ては青豆と天吾にとって、何らかの意味を持っている。けれど何をどうすればいいのかわからない。この世界への対抗手段がない。

 

1Q84の世界に翻弄されながらも、運命は少しずつ手繰り寄せられ、やがて大きな意味となって青豆と天吾の前に立ちはだかる。

 

 
悪戯好きの運命には困ったものだ。
 

 

2人の物語。

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本作は阿修羅像のように様々な顔を持つ。横を向けば恋愛小説だし、そのまた横を向けばファンタジー小説、サスペンスやホラー、ミステリーの顔もある。

 

一体どれが本当の顔なのか、もうわからない。もし本作が逃亡犯だとすれば、事件は迷宮入り確実である。

 

ただ1つだけ言えるのは。

ただ1つだけ言えるのは、詰め込まれた物語が精錬されている、ということだ。研ぎ澄まされた物語は、こんがらがる謎の多い1Q84の世界を細く尖らせ、たった一つの終幕へと向かわせる。

 

2人の物語はただの成り行きではない。だからこそ2人はこの1Q84の世界に入り込まなければいいけなかったのだ。もう一度繋がりあうために

 

途中から僕は。

途中から僕は確信に近いものを感じていく。

 

本作は大袈裟な恋愛小説である。青豆と天吾が出会うために通過しなければいけなかった試練が1Q84の世界だった。

 

試練が厳しければ厳しい程、愛が強まっていくのだとすれば、2人の愛は永遠かもしれない。

 

 
2人の赤い糸が1Q84に入り込んでしまったのだろうか。
 

 

闖入者。

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青豆と天吾。2人の視点で語られる本作。まるで小説を2冊同時に読んでいるようなボリュームあるお得感がある。

 

ところが、もう1冊の小説が現れる。

え…お前なの?

 

 
意外な人物に、思わずツッコんでしまった。 

 

大きな力を越えて。

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漠然とした巨大な力は、漠然と僕と青豆と天吾を不安にさせる。大きすぎて一体どうなるのか、何をすべきなのか、わからない。

 

エンターテイメントの世界。

エンターテイメントの世界では、個人が勝てそうもない大きな力がよく登場する。時には国であったり、組織であったり、超常的なものであったり。それらは絶対的な見えない力で個人に攻撃してくる

 

痛いよ、やめてよ。そんなこと言ったところで、攻撃はやまない。悲痛の叫びは大きな力へは届いてくれない

 

本作に出てくる組織。

本作に出てくる組織は、謎に満ちている。青豆と天吾や、その関係者たちは組織の見えない力に立ち向かい、そして慄く。

 

1Q84の世界を異常にさせている存在は、やはり一筋縄ではいかない。

 

彼らから放たれる。

彼らから放たれるいくつかの謎と脅威は、青豆と天吾を深い森へと誘う。あまりにも深くて、2人は今いる場所を見失い、出口もわからない。

 

けれどコンパスがある。それは曖昧だけれど、確信的な強い想い。2人を結び続けて離さない絆だ。

 

 
果たして、2人はひとつきりの月が浮かぶ世界へ向かうことが出来るのだろうか。