暴れだすそれぞれの信仰。

 
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 宗教に興味津々なお年頃。
  • 神とは何なのか、教えて神様。
  • 運命とは数奇なものだ。

 

ちょうどよかった。

そんな人にオススメの小説がある。

中村 文則さんの『教団X』だ。

 

あらすじ

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者最長にして圧倒的最高傑作。(「BOOK」データベースより)

 

教団X

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僕には信仰心がまるでない。母のお腹に忘れてきたのだと思うけれど、めんどくさいので取りに行ってはいない。それに今のところ宗教に頼らなくても生きていけそうだ。

 

そんな僕にとって神とは架空の存在でしかない。ドラゴンボールを作る存在か、デスノートに名前を書く存在でしかない

 

何を信じているのだろう。

ところでそもそも宗教とは何なのだろうか?

 

世の中にはたくさんの宗教団体があって、中には理解し難い信仰や、犯罪を犯している教団もある。彼らは一体どういう気持ちで、何を信じているのだろう。

 

教祖様は語ってくれている。

その答えのヒントになることを教祖様は語ってくれている。教祖といっても、本作には比較的良心的な教祖と悪の教祖がいる。僕が今回参考にしたいのは比較的良心的な方の神様だ。

 
彼の話は難しくて、僕程度のミジンコの糞のような下等生物には、全てを理解することはできない。だが、彼の話はとても優しい。頭を撫でてくれているような気分にさせられる。

 

「聞け!」

そして全てを「聞け!」と言わずとも、聞かないといけないような凄味がある

 

宗教だけではなく、宇宙や政治、その他もろもろの話を織り交ぜたスペクタクルな内容は、僕に「考えろ!」と訴え続ける「何を?」と問いても「知らん!」と返してくれるような迫力もある。

 
こんな教祖様なら、宗教も悪くないかも知れない。周りの人たちもいい人そうだし。

 

 
だがしかし。
 

 

本当に怖いものは。

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我が国での宗教のイメージはあまりいいものではない。危険、胡散臭い、得体が知れない。父親が言われたらショックをうけるワードベスト10にランクインするような言葉が頭を過ぎる

 

危険なわけではない。

もちろん全ての宗教が、その通り危険なわけではないと思う。だが、実際に危なげな宗教団体はいたのだ。怖いイメージをもつのも仕方がない。

 

悪の教祖様率いる教団Xも、危険な匂いをふんぷんと漂わせている。「体臭どうなってるの?」と疑問になる程に。

 

全てが恐ろしく。

教団の内情。

教祖様の企み。

不穏分子の革命。

 

僕はその全てが恐ろしく、宗教の怖さを感じた。

 

信仰とは救いである。

信仰とは救いであると思っている。人はその救いを間違える。間違えた救いは信仰とは程遠い場所へと敵意を向ける。それはもはや信仰ではなく洗脳ではないだろうか

 

宗教とは怖いものでもなんでもない。けれどそれに操られた人間たちは、興信所と共に浮気現場に赴く母親ぐらい怖い

 

 
救いと狂気は紙一重なのだと感じた。