本と宴





立ちはだかる雄大な脅威。

 
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 海が好きだ。
  • それよりも老人が好きだ。
  • でも一番はカジキマグロが好きだ。

 

ちょうどよかった。

そんな人にオススメの小説がある。

ヘミングウェイさんの『老人と海』だ。

 

あらすじ

キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく…。徹底した外面描写を用い、大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。(「BOOK」データベースより)

 

老人と海

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自然と僕ら人間は共存している。けれど対等ではない。大きすぎる存在は時に僕たちを持て遊び、嘲笑うように裏切る。ひょっとすると、サイコパスなのかもしれない。

 
そんな自然の筆頭株主である海。彼はきまぐれに、ちっぽけな人間である僕らを癒したり、傷つけたり、贅沢に情緒不安定を振る舞う。

 

1人の勇敢な老人。

私生活に問題がありそうな海に立ち向かうのは1人の勇敢な老人だ。彼はしばらく不漁に喘ぎ、海には散々な嫌がらせをされてきた。それでもめげない老人。なぜなら海は戦友だからだ。

 
老人は海と語り合うように立ち向かう。その姿は人間の強さと漁夫としてのプライドを垣間見せてくれる。

 

 
ぜひ、こんな老人になりたい。 

 

VS海。

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マンガでも映画でもドラマでも、戦うシーンというのは白熱するものだ。熱狂するあまり、将来のヴィジョンのように何も見えなくなることもしばしば。

 

僕を熱狂の渦へと。

本作で描かれる老人と海の対話のような戦いは、僕を熱狂の渦へと誘った。誘われた僕は巨大なカジキマグロと獰猛なサメに出会う。

 

怯えるしかなかった。

僕は恐怖政治に巻き込まれた国民のように怯えるしかなかった。が、老人は違う。怯えるの『怯』すらおくびにも出さず立ち向かう。

 
その姿は漁夫というよりは、海の戦士そのもの。経験と鍛えられた強さは僕の胸を熱いフライパンのようにさせた。目玉焼きぐらいなら焼けるかもしれない。

 

底がしれない。

4日間にわたるカジキマグロとの死闘、獰猛なサメ、壮大な海。自然の力という脅威は、やはり底がしれない。

 
けれど、それに立ち向かう老人は、きっと底を知らなかった。底なんてないと思っていたのかも知れない。

 

それは無謀ではなく、勇気という何より強い気持ちだ。

 

 
ありがとう、勇気。