人生とは一匹の猫と不思議な出会い。

 
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 最近同じ夢をよく見る。
  • 最近不思議な出会いをした。
  • いくじなし。

 

ちょうどよかった。

そんな人にオススメの小説がある。

住野 よるさんの『また、同じ夢を見ていた』だ。

 

あらすじ

「人生とは和風の朝ごはんみたいなものなのよ」小柳奈ノ花は「人生とは~」が口癖のちょっとおませな女の子。ある日、彼女は草むらで一匹の猫に出会う。そしてその出会いは、とても格好いい“アバズレさん”、手首に傷がある“南さん”といった、様々な過去を持つ女性たちとの不思議な出会いに繋がっていき―。大ベストセラー青春小説『君の膵臓をたべたい』の住野よるが贈る、幸せを探す物語。(「BOOK」データベースより)

 

また、同じ夢を見ていた

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何だか眩しくて目を開けると朝。何だろうか、この気持ちは。低血圧の気怠さと共に頭へとよじ登っていく妙な感情。悲しいような、切ないような

 

僕は大抵、夢の内容を掛け算の九九のように覚えていない。7の段が特に厳しい。ただ、夢の中の気持ちは起きてからも残っているのだと思う。それが僕を漠然とした儚い心持ちにさせている。

 

夢は所詮夢だけれど、今生きている現実に影響を与えるものなのかもしれない。

 

また、同じ夢を見る。

小柳奈ノ花が出会った『南さん』『アバズレさん』『おばあちゃん』

彼女たちは、また、同じ夢を見る

 

その夢は今という時間をガツン!と揺らす。過去は過去。今は今。夢は夢。彼女たちは今という時間を奈ノ花と共に歩いていく。楽しく笑いながら。

 

もちろん奈ノ花も楽しそうに笑っている。この日常が当たり前のものだと感じている。だが、彼女に同じクラスの友達はいない。だからこそ、南さん、アバズレさん、おばあちゃんに会いに行く。

 

彼女たちは知っている。

奈ノ花は小学生にしては大人びている。同級生から見れば、自分たちと少し違っている奈ノ花が怖い存在だったのかもしれないし、いけすかない存在だったのかもしれない。

 

けれど、彼女たちは知っている。奈ノ花がどんなに危なっかしいかを。

 

 
不安だ。 

 

強い気持ち。

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鉄板のように強い人にはついつい憧憬の念を抱いてしまう。格闘技の選手のような肉体的な強さもそうだし、スポーツ選手のような精神的な強さにも惹かれてやまない。とにかくカッコよくて、常々こうなりたいなぁ、と羨んでいる。

 

ガガガーッと変わった。

だが、そもそも強さとは何だろうか。どんな強敵をも打ち倒せる力だろうか。どんな困難も乗り越えられる勇気なのだろうか。僕はずっとそう思っていたのだが、本作を読んで考え方が、ガガガーッと変わった。

 

間違っていないことを知っている強さ。

確かに奈ノ花は強い。序盤に出てくるスライムならなんぼでも狩れる強さをもっているし、ひのきのぼうで魔王を倒せる資質もある。つまりは強すぎるのだ。それは刺々しくて痛い。自分が間違っていないことを知っている強さを、他の人は暴力と認識してしまうかもしれない。

 

暴力は暴力を生み出し、人を傷つけ、自分自身をも殴りつける。痛みは蓄積され、大人になってもまた自分自身を傷つけてしまうことだろう。

 

心配はいらない。

でも大丈夫。

 

彼女にはその強さを別の方向へと変える賢さと舵を持っている。南さん、アバズレさん、おばあちゃん。彼女たちは、奈ノ花の背中をそっと押す。だから心配はいらない。

 

これからの奈ノ花がどうなっていくのか。それは薔薇の下で

 

 
きっと幸せに溢れているはず。