臆病な魔法使いに魔法をかけられて。

 
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 魔法を使いたい。
  • マジシャンになりたい。
  • ボーイ・ミーツ・ガールが好き。

 

ちょうどよかった。

そんな人にオススメの小説がある。

相沢 沙呼さんの『午前零時のサンドリヨン』だ。

 

あらすじ

ポチこと須川くんが一目惚れしたクラスメイトの女の子、不思議な雰囲気を纏う酉乃初は、凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』で腕を磨く彼女は、学内の謎を抜群のマジックテクニックを駆使して解いていく。それなのに、人間関係には臆病で心を閉ざしがち。須川くんは酉乃との距離を縮められるのか―。“ボーイ・ミーツ・ガール”ミステリの決定版。第19回鮎川哲也賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

午前零時のサンドリヨン

f:id:s-utage:20210416125329j:plain

ぎゃああああ! 僕は蛾が嫌いで、見た瞬間、君が好きだとでも言うかのように、叫び出す。奴は悪魔だ。

 

『驚き』 これほど感情が顕著に出るものがあるだろうか。ついつい素の自分が出てしまい、繕うことなく発露された気持ちは、本物の感情だ。

 

酉乃初は魔法使い。

酉乃初は魔法使い。彼女の魔法は見る人を圧倒し、魅了させ、変えていく。魔法は自分自身にもかかり、強いコーティングが施される。どんな悪意も無効化させるATフィールドだ。

 

だが、魔法が解けてしまった彼女は臆病で、脆く崩れやすい。彼女が入った段ボールの上に人間の悪意が詰まった段ボールをのせると、容易く潰れてしまうので、引っ越しの時は要注意だ。

 

とっておきの魔法。

そんな彼女に須川は、とっておきの魔法をかける。彼は魔法使いではないけれど、実は魔法は誰にでも、頑張れば使えるもの。


須川はたった1人の臆病な少女のための魔法使いになれたのだ。

 

 
一生解けませんように。 

 

闇に対抗する魔法。

f:id:s-utage:20210416125326j:plain

事件を起こすのはいつだって人の心。些細な闇が、エイヤァッ! と覆い被さった時、人は、そうだ、やってしまおう、と魔がさしてしまう。

 

心が抱えた不安。

学内で起きた事件はそれぞれの心が抱えた不安が形作られたもの。それは誰もが持っているかもしれない不穏な不安

 
お風呂の温かさのように、身体の芯まで到達した不安は、なかなか取り除くことが難しい。もうこれは魔法をかけるしかないようだ。

 

脆くてくずれそうな。

酉乃初の魔法は、脆くてくずれそうな夢に後押しされ、驚きと想いを伝える。不安なんか、一緒に打ち倒してしまおうぜ、とでも言うかのように。

 
魔法が上手くいかなかったり、効きにくい相手もいるかもしれないが、そんな時は魔法をかけて貰えばいい

 
魔法が上手く使えなくても、酉乃初は酉乃初に変わりはないのだから。

 

 
僕も魔法をあみ出したい。