本と宴





いろんな女性の背中を押す。

 
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 
  • 悩みがある。
  • 嫌なことがある。
  • おまじないをかけてほしい。 

 

ちょうどよかった。

そんな人にオススメの小説がある。

それは『西 加奈子』さんの...

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 ばーん!

 

おまじないとあらすじ。

さまざまな人生の転機に思い悩む女子たちの背中をそっと押してくれる魔法のひとこと―。著者の新境地をひらく10年ぶりの短編集。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

どういう話?

古来より人はオンバッチャマ言ったりしておまじないをしてきたが、現代社会においてオンバッチャマは通用しない。

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ではどうすればいいのだ。わからない、わからない。仕方ない。ちょっと短編集を読みながら探してみよう。

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ないかなぁ、ないかなぁ、現代に通用するおまじないないかなぁ、と思っていたらここにあった。

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ここがおもしろい。

  • 背中を押してくれる。
  • 女性は大変だ。
  • 男性もどうですか。

 

背中を押してくれる。

 

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どんな人にも背景というものがある。

 

自分が今の自分になった理由、みたいなもの。それは自分だけの影響ではないので、抗いようもなく、ただただ流されてどんぶらこどんぶらこ、と桃から生まれてくる人が入っている桃のように、そうなってしまうことがほとんどであろう。

 

けれど、ふと立ち止まった時、あれ、何か違う。自分、違うのではないか。一体何が違うのかもよくわからず、動くことが出来なくなってしまった時、本作はおまじないとして、背中を押してくれるのではないだろうか。

 

 
崖の上で読むと危ないよ。 

 

女性は大変だ。

 

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本作は女性の視点から描かれている。僕は男性なので女性の観点とは違うところもあるが、漠然と勇気づけられることが多々あったし、女性とは大変な生き物なのだな、と改めて思った。

 

今までもリスペクトの念は忘れたことがなかったのだが、今まで以上にリスペクトし、大切にしようと、ここに誓いたい。

 

 
女性ってすごいなぁ。
 

 

 男性もどうですか。

 

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本作は女性だけではなく、男性にもオススメできる一冊である。たしかに共感できるのか、という部分においては、しにくいかもしれない。だが、小説の楽しみ方は共感することだけではない。知る、学ぶ。

 

僕の知らないことは、溜まっている洗濯ものの山ほどある。死ぬまで知り得ないこともきっとあるのだろう。とくに人の心、異性の気持ちというのは、東大の入試問題のようにわかりずらい。

 

筆者は時に、明るみに出ていない女性の見えない部分にスポットライトを当てる。だからこそ僕は筆者の小説を読む。おまじないを読むのだ。

 

 
いつかおまじないをかける側の人になりたい。 

 

まとめ。

 

女性の悩みに特化した本作ではあるが、生きとし生ける全ての者に適用される物語がある。それが『孫係』である。同じような文字が二つ重なるとゲシュタルト崩壊気味にもなるが、『まごがかり』である『まごまご』でも『かかりかかり』でもない。

 

小学生の頃、○○係というのをクラスごとに決めた記憶がある。黒板係であれば黒板を消し、保健係であればみんなにうがいをさせたり、いきものがかりであれば「ありがとう」と歌う。それぞれの役職に特化した係。それを日常でもどうでしょうか、という画期的な名案を訴えた物語だ。なるほど、頷くしかない。

 

僕は今、こうやってブログを書いているわけだが、これはいわばブログ係。時折、何のためにやっているのか、文章が全く思いつかない、などの由々しき悩みにとらわれる事態が発生するのだが、これは係なのだ。やらなければいけない業務なのだ。そう思うと俄然やる気があがる。

 

上記以外にも、親係、息子係、娘係、など多様多種の係が存在する。そう。生きることは全て係で括れるのだ。嫌なことも演じているのだ、という気になれば楽しくもなるし、気分が楽になる。これは強力なおまじないである。

 

生きていると大変なことばかりだけれど、そんな時は係になってみればいいのではないだろうか。人間係に。

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