舞い上がってるから掴めない。

 
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 
  • もう嫌、価値観って何?
  • 大切なものを手にいれたい。
  • ビニールシートが好きで持ち歩いている。

 

ちょうどよかった。

そんな人にオススメの小説がある。

それは『森絵都』さんの…

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ばーん!

 

風に舞いあがるビニールシートとあらすじ。

才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。あたたかくて力強い、第135回直木賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

どんな話?

世の中にはいろんな人がいる。そこで思う、価値観とは一体何なのか、あ。あらら、ビニールシートが風に舞い上がっているぞ。よし、追ってみよう。

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するとそこには6つの短編集が!

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いろんな人がいるけれど、人はそれぞれ違うのだ。もういいや。自分は自分なのだから。

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 ここがおもしろい。

 
  • 未知なる世界への爽快感。
  • 価値観はそれぞれ。
  • 仏像もそれぞれ。 

 

未知なる世界への爽快感。

 

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小説を読んでいて良かった、と心から思う時が、自分の人生ではまず出くわすことがないであろう職業や状況に出会えることだ。興味がなかったことのはずなのに、小説を読めば、あら不思議、もう僕は転職をしている。

 
それはとても気持ちよく、普通に生きていれば味わえない新しい風を感じさせてくれる。

 
本作の短編集には、様々な職業のキャラクターたちが現れる。筆者は神か、それに類する存在なのだろうか、と見紛うほどにその職業の細部や精神面が描かれているのには驚く。相当取材をしたり、調べたのだろう。もしくは筆者は、50回目ぐらいの人生をループしているのかもしれない。

 

 
僕もループしたい。 

 

価値観はそれぞれ。

 

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価値観が人によって違うのは、日本人が大抵は日本語を話すのと同じくらい定説になっている。まあ、日本語は例え話せなかったとしても学ぶことができ、取り入れることができるだろう。だが、価値観に関してはそう簡単にはいかない。

 
理解することはできるかもしれないが、わかりました、あなたの価値観にそいます、なんて物分かりのいい人はそうそういないことだろう。それで、ぶつかり合ったり、知ろうとするわけだが、結局のところ完全にわかりあえることは難しい

 
でも、だからこそ人間は面白い。わかろうとする気持ち。まずそれを持つことが大切だと思う。そうすれば人間はもっと面白い生き物として、人生という舞台で喝采を浴びるのではないだろうか。

 

 
スタンディングオーベーション求む。
 


仏像もそれぞれ。

 

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僕の住む北海道の真駒内というところには、頭大仏さんがおられる。彼は頭だけで活動して、頭だけでご利益を発しているわけでもなければ、いつの日か失くしてしまった身体を見つけることを夢みているわけでもない。実はちゃんと身体があるのだが、ドームで覆われ、頭だけが地上に出ているだけなのだ。そんな頭大仏もいつか修復を行われる日が来るのだろうか。

 
本作で描かれる仏像修復職人。そもそも、そういう職業があるのですね、と思ったのだが、更にその知識と技術には舌を巻いてしまう。そして仏像修復にかける想い。こういう人たちがいるから仏像は安心して、堂々と構えているのではないだろうか。

 
また、その知識を吸収し、物語に落とし込んだ筆者には感嘆するしかない。

 

 
仏像をぶったらダメだよ。
 

 

まとめ

 

価値観とはどう作られていくのだろうか。ない頭を振り絞り、砂漠のように果てしなく考えてみると、環境と人生ではないか、と辿り着いた。

 

それは男と女でも違うだろうし、国によっても違う。そもそも人生が違う。それらによって練り上げられた価値観は、やはり揺るがないものだろうし、そう簡単に手放せるものではないと思う。

 

筆者はそんな葛藤にも似たものを小説に叩き込んだ。価値観はどう生まれ、違う価値観に対してどう立ち向かうのか。いや、違う。どう咀嚼していくのか。どう自分の価値観に混ぜ込んでいくのか

 

それは挑戦でもあるし、戦いなのかもしれない。しんどいことなのかもしれない。でも、意外と他人の価値観というのは美味しいのかもしれない。

 

分かり合えない人と人は、悲しい結末を迎えたりもするが、その先にあるものは悲しみや苦しみだけではない。僕はそう思いたいし、そう信じたいと思う。

 

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