春に読みたいおすすめ小説10選

 管理人:宴
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 春を感じたい。
  • 春にピッタリの小説を読みたい。
  • おすすめの小説を知りたい。

 

ちょうどよかった!

今回は『春に読みたいオススメ小説10選』を紹介しよう。

 

 

 

 

春に読みたいオススメ小説10選

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さくら/西 加奈子

ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。母は肥満化し、酒に溺れた。僕も実家を離れ、東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾にピンク色の花びらをつけていたことから「サクラ」と名付けられた十二歳の老犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏に薄い鉛筆文字で書かれた家出した父からの手紙が握られていた―。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

家族という他人からはわからない世界観を見事に演出する筆者はさすがである。きっと家族の思い出と瓦解は、家族でしか分かち合えないものだろう。だからこそ、本作は僕の心を締め付けるのだ。ゆったりとした春のような暖かな思い出は、さくらのように美しい。けれど、同時に儚くもある。そんな家族の様子に、あんなにも喋っていたはずの愛犬サクラもだんまりだ。

 

 
具合でも悪いのかしら。
 

 

重力ピエロ/伊坂 幸太郎

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

春に似つかわしくない重力が家族を覆う。けれど、それで沈んでいても仕方がない、陽気にいこうぜ、ピエロのように。そんな家族に襲い掛かる更なる重力は、過去と今を交錯させる過酷な試練であった。

 

春はどこからやってくるのか。長らく人類の謎だったその答えを、本作は満を持して導き出す。

 

 
重力になんか負けない。 

 

学問/山田 詠美

東京から引っ越してきた仁美、リーダー格で人気者の心太、食いしん坊な無量、眠るのが生き甲斐の千穂。4人は友情とも恋愛ともつかない、特別な絆で結ばれていた。一歩一歩、大人の世界に近づく彼らの毎日を彩る生と性の輝き。そして訪れる、それぞれの人生の終わり。高度成長期の海辺の街を舞台に4人が過ごしたかけがえのない時間を、この上なく官能的な言葉で紡ぐ、渾身の長編。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

なんとも呼べない関係が、砂糖でもかけて食べたいぐらいに愛おしい。成長していくにつれ、美しく妖艶に輝く言葉たちは、そんな彼らの日常を飾っていく。筆者にかかればどんな場所も美しく、そして、学問に変わる。

 

登場人物の個性と章の合間の仕掛けにも注目したい一冊。

 

 
家宝にしたい。 

 

風味絶佳/山田 詠美

70歳の今も真っ赤なカマロを走らせるグランマは、ガスステイションで働く孫の志郎の、ままならない恋の行方を静かに見つめる。ときに甘く、ときにほろ苦い、恋と人生の妙味が詰まった小説6粒。谷崎賞受賞。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

『アトリエ』という短編がある。甘じょっぱくてバランスのよい物語だと思っていたのだが、そっとばら撒いていたスパイスが、忘れた頃に喉元へ駆けあがってきた。苦みのような、辛みのような刺激に、ぎゃああ! と驚嘆めいたものを吐き出してしまった。けれど、また通いたくなる国籍不明な店員がいるタイ料理専門店のような中毒性がある。さすがは筆者である。その甘美な世界観は、僕の全発想力をもってしても出てきてくれはしないだろう。当たり前だけれども。

 

 
風味豊かな物語を楽しめる。 

 

線は、僕を描く/砥上 裕將

水墨画という「線」の芸術が、深い悲しみの中に生きる「僕」を救う。第59回メフィスト賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

圧倒される迫力と繊細な技術、そして描き手の熱量。水墨画とはなんて奥行きのある世界なのだろうか。そんな水墨画と運命の出会いを果たした「僕」は過去と人生に立ち向かっていく。そして、たくさんの出会いもあった。それは水墨画と同じように彼の財産となっていくことだろう。いい人たちに出会えて、本当にラッキーな奴である。

 

 
水墨画のような小説。
 

 

オルタネート/加藤シゲアキ

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。全国配信の料理コンテストで巻き起こった“悲劇”の後遺症に思い悩む蓉。母との軋轢により、“絶対真実の愛”を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津。高校を中退し、“亡霊の街”から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体―。“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

新しい時代の青春を感じた。僕の時代では高校生がマッチングアプリなど考えられなかったが、もうそういう時代なのかもしれない。時代が進むごとに変わっていく人との繋がり。疾走していく物語はその難しさと葛藤を訴える。

 

マッチングアプリ「オルタネート」は怖いものかもしれなが、結局は使い方次第。ならば希望が持てる使い方をしたいものである。

 

 
終盤の疾走感がすごい! 

 

もういちど生まれる/朝井 リョウ

彼氏がいるのに、親友に想いを寄せられている。汐梨、平凡な日常と、特徴のない自分に飽き飽きしている。翔多、絵を通して、壊れた家族に向き合おうとする美大生。新、美人で器用な双子の姉にコンプレックスを抱く浪人生。梢、才能の限界を感じつつも、バイトをしながらダンス専門学校に通う。遙。あせりと不安を力に変えた5人が踏み出す“最初の一歩”。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

子供のように自由ではないけれど、大人のようにも振舞えないという、大人寸前の若者たちの不安や葛藤。彼らはそれぞれ、煩悶から抜け出すための一歩を踏み出していく。けれど、一歩は一歩。『もう一度生まれる』は言わば決意表明である。大人になれば忘れてしまうかもしれない想いを、どうか忘れずにいてほしい。僕も、今この時間が輝くよう懸命に生きていきたいと思う。

 

 
それは大きな一歩。
 

 

カラフル/森 絵都

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

始まりのSFチックな展開とコミカルな展開に気を取られがちになるけれど、本作で扱っている題材は尖っていてシビアである。けれど、自殺はいけない。生きていると黒いものがたくさんあるかもしれないが、見方を変えれば世界はいろんな色で溢れているのだ。

 

物事を客観的にみてみると新しい発見があるのかもしれない。

 

 
人生はホームステイなのだ。 

 

四畳半神話大系/森見登美彦

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

人生に失敗はつきものである。あの時、ああしておけば...本作はそんな疑問に答えた4つの平行世界の物語。所々リンクする平行世界に共通するワードや、避けられない出来事や事象。そして主人公の転機となるワード。平行世界だからこそのギミック溢れた面白みが僕を躍らせる。それにしても主人公の転機ワードは、なぜあれになったのか。責任者に問いただす必要があるかもしれない。

 

 
人生はいつも一つ。
 

 

君の膵臓をたべたい/住野よる

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて―。読後、きっとこのタイトルに涙する。「名前のない僕」と「日常のない彼女」が織りなす、大ベストセラー青春小説!(「BOOK」データベースより)

 

タイトルから察するに、すごいグロテスクな話なのだろうという先入観で読んだらむしろ真逆の話だった。「名前のない僕」と「日常のない彼女」。二人の関係は不思議である。好きとか、そういう次元ではないのだろう。

 

きっと二人はただ「君の膵臓をたべたい」のだ。

 

 
タイトルがキラーワードすぎる。 

 


 


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