本と宴





【おすすめ10冊】読書ノート#4

 管理人:宴
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 次はどんな本を読もうかしらん。
  • いろんな本を読みたい。
  • 宴が読んだ本を教えて欲しい。

 

ちょうどよかった!

今回は宴の読んだ本の記録『読書ノート』をご紹介しよう。

 

 

 

 

読書ノート

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いつかパラソルの下で/森 絵都

病的なまでに潔癖で、傍迷惑なほど厳格だった父。四十九日の法要が近づいたこ、私は父の生前の秘密を知ってしまう。大人たちの世界を瑞々しい筆致で綴ったハートウォーミング・ストーリー。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

三人の兄妹が父の秘密に触れる物語。

 

たとえ亡くなったとしても父親の影響は未だ影を潜めることはない。そんな父の秘密を巡る冒険はあれよあれよという間におかしなことに。

 

けれど、その先には大事なものが置いてあった。ずっと近くに置いてあったけれど気づかなかったもの。やっと見つけられたそれを、大切にしていってほしい。

 

 
兄妹って素晴らしい。
 

 

三匹のおっさん/有川 浩

還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え…。痛快活劇シリーズ始動。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

悪を懲らしめる三匹のおっさんの物語。

 

物騒な世の中である。詐欺であったり、DVであったり、一歩外に出れば悪事に当たって砕けるかもしれない。そんな悪事をたまたま達人クラスである三匹のおっさんが許せるはずもなく、ギッタバッタなぎ倒していく姿は痛快だ。

 

事件を通して深まる家族との絆には込み上げてくるものがある。

 

 
最高のおっさんたちだ。 

 

もういちど生まれる/朝井 リョウ

彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遙。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。 (「BOOK」データベースより)

 

感想書評

若者たちが一歩踏み出していく物語。

 

子供のように自由ではないけれど、大人のようにも振舞えない。

そんな大人寸前の若者たちの不安や葛藤は、眩しくて痛い。

僕がもしチョコレートであれば溶けているところである。

 

彼らはそれぞれ、煩悶から抜け出すための一歩を踏み出していくのだけれど、結局のところ、一歩は一歩。

劇的に何かが変わっていくわけではない。

『もう一度生まれる』は言わば決意表明なのだ。

 

大人になれば忘れてしまうかもしれない想いを、登場人物たちには、どうか忘れずにいてほしいと思う。

 

 
いつでも一歩は踏み出せるはず。 

 

蝉しぐれ/藤沢 周平

清流とゆたかな木立にかこまれた城下組屋敷。普請組跡とり牧文四郎は剣の修業に余念ない。淡い恋、友情、そして非運と忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を、精気溢れる文章で描きだす待望久しい長篇傑作!(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

時代に翻弄される牧文四郎の物語。

 

淡い想いを抱いたとしても、時代と運命はその想いを許してくれはしない。現代でいえば理不尽極まりない人生を文四郎は、何度も倒れそうになりながらも、友達や、想い人のことを考え、力強く生きていく。

 

戦いの圧倒されるような描写。悲運が漂わせる哀愁。時代が違うからこそ生み出された物語に、ただただ圧倒されるばかりだ。

 

 
まさに侍。 

 

モモ/ミヒャエル・エンデ

 時間におわれ、おちつきを失って人間本来の生き方を忘れてしまった現代の人々。このように人間たちから時間を奪っているのは、実は時間泥棒の一味のしわざなのだ。ふしぎな少女モモは、時間をとりもどしに「時間の国」へゆく。そこには「時間の花」が輝くように花ひらいていた。時間の真の意味を問う異色のファンタジー。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

時間の大切さに気づける物語。

 

あれ、気づけばもうこんな時間。今日の僕は一体何をやっていたのだろう。それはきっと姑息な時間泥棒のせいだ。奴らのやり方にはつい反吐が出てしまう。時間を奪われた人々を助けるため、愛され系女子のモモは恐怖を抑え込み、果敢に立ち向かっていく。その姿には胸を打たれて仕方がない。

 

僕は彼女から時間の愛おしさと勇気をもらった。

 

 
スマホばかり見るのはやめよう。 

 

きれぎれ町田 康

 絵描きの「俺」の趣味はランパブ通い。高校を中途で廃し、浪費家で夢見がちな性格のうえ、労働が大嫌い。金に困り、自分より劣る絵なのに認められ成功し、自分が好きな女と結婚している吉原に借りにいってしまうが…。現実と想像が交錯し、時空間を超える世界を描いた芥川賞受賞の表題作と他一篇を収録。 (「BOOK」データベースより)

 

感想書評

現実にまとわりつくカオスが癖になる物語。

 

内容を理解するとか、文章が素晴らしいとか。僕のレベルで言えば、それらを語ることは難しい。深いのかどうか、それすらも見当がつかない。ただ漠然と感じたのは破天荒な文章たちが醸し出す圧倒的な破壊力と存在感だ。

 

唯一無二の物語は乱反射のように、入り乱れて、文学の未知なる領域へと向かっていく。

 

 
言葉の大海原。
 

 

何者/朝井 リョウ

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから―。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて…。直木賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

就活生たちをいろんな角度から眺めた物語。

 

未来の自分に対して期待するのは悪いことではない。ではそれに対して必死に藻掻いているのか、と問われると耳が痛い。いやいや、何者になるのはそんな簡単ではないですよ、必死になっています? そう、本作は訴えかけてくる。

 

就活を舞台にした物語は、必死に生きるとはどういうことかを教えてくれた。

 

 
何者への道は険しい獣道。 

 

女の一生〈1部〉キクの場合/遠藤 周作

余りにも短く清らかな愛の生涯。愛のためにすべてを捧げた女のひたむきさ。切支丹弾圧の長崎を舞台にくりひろげられる名作長篇。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

胸が切り裂かれる女の一生を描いた物語。

 

日本が過去に行っていたキリシタンの弾圧。残虐非道極まる仕打ちは見るに堪えない。目を背けたくなる時代の最中、キクはキリシタンに愛おしい恋をした。身を引きちぎるような想いは、ただただ一途で神のように貴い愛だ。

 

心に痣のように残った想いを、時代に阻まれたキクの愛を、僕はずっと忘れないことだろう。

 

 
やりきれない...
 

 

鋼と羊の森/宮下 奈都

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。一人の青年が成長する姿を温かく静謐な筆致で描いた感動作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

ゆったりとしたテンポで流れていく調律師の物語。

 

要望と場所、経験と知識、それらを鑑みて、ピアノを調律していくのが音の芸術家である調律師の仕事である。ところが、もしクライアントが違う、と言えば、それは失敗。そんな調律師の葛藤や厳しさが、躊躇なく主人公、外村に襲いかかる。

 

まあ、がんばり屋の彼なら大丈夫だろう。いい人たちに囲まれているのだから。

 

 
文章のテンポが心地いい。 

 

オロロ畑でつかまえて/荻原 浩

人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる―。第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

度肝をぬくど田舎の村おこしの物語。

 

ユーモアとは何だろう、と常日頃から思っていたのだが、本作がその答えを出してくれた。ど田舎のエリートコースを驀進する牛穴村と都会のコラボ。ダメ人間の集まりユニバーサル広告会社の奇想天外の発想になぜか納得する牛穴村。波乱の村おこし。そうか、これがユーモアなのか。

 

特産品のオロロ豆が流行ることを祈っている。

 

 
村おこしが斬新すぎる。 

 


 


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