【2021】5月に読んだおすすめ本10選

 管理人:宴
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 次はどんな本を読もうかしらん。
  • いろんな本を読みたい。
  • 宴が先月に読んだ本を教えて欲しい。

 

ちょうどよかった!

今回は宴が『5月に読んだおすすめ本10選』を紹介しよう。

 

 

 

 

5月に読んだおすすめ本10選

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百貨の魔法/村山 早紀

時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける―。百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語!(「BOOK」データベースより)  

 

感想書評

 従業員の方々が、いやいや僕のような底辺の人間にそんなに優しくしないでください、と卑屈になるぐらいの優しさと誇りで胸がいっぱい。僕もその気持ちになるべく答えたいので真摯に向き合う。そうか、なぜかお客様たちまでもが優しいのは、優しさが連鎖していったからなのかも。謎の新人コンシェルジュ白い猫を軸に、従業員たちそれぞれの物語が大事な想いを繋いでいく星野百貨店は、今日も優しい気持ちでお客様と向き合っていることだろう。

 

 
優しさ最強説。
 

 

ひみつのたべもの/松井 玲奈

「推しに捧げる手作りプリン」「食欲おばけの日」 「これっくらいのお弁当箱」「ああ、愛しの台湾」など 読めばお腹が空く、松井玲奈 初のエッセイ集。 彼女のプライベートの食にまつわる話を 「anan」連載25回分に、書き下ろし25作品を加え、 たっぷり50編を収録。 レストランで出会う特別な一皿から 深夜に衝動的にすすりたくなるカップ麺、 旅先の記憶、実家の忘れられない味まで、 繊細な観察眼で多様な"たべもの"を描きます。

 

感想書評

辛い食べ物が異常に大丈夫で企画を台無しにしたことや、天津飯を食べた記憶が抜け落ちていたことや、推しのためにウエハースを食べまくったり、台湾へプチトリップしたりと大忙しの筆者。その中でも驚いたのが目玉焼きの食べ方である。醤油? ソース? 塩コショウ? いやいや、ナンセンス、何もかけない、それが私のジャスティス、とでも言わんばかりに主張する。大人になると、社会というものに調味料ガンガンかけられて荒んだ大人になっちまったなぁ、と嘆いたりもするが、そんな時、もう一度プレーンにでもなれたら。筆者はそんなことを言いたいのかもしれない。いや、そんなわけないな

 

 
そんなわけないね。 

 

しゃぼん玉/乃南アサ

女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返し、自暴自棄な逃避行を続けていた伊豆見翔人は、宮崎県の山深い村で、老婆と出会った。翔人を彼女の孫と勘違いした村人たちは、あれこれと世話を焼き、山仕事や祭りの準備にもかり出すようになった。卑劣な狂犬、翔人の自堕落で猛り狂った心を村人たちは優しく包み込むのだが…。涙なくしては読めない心理サスペンス感動の傑作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

人は過ちにどうやって気づくのか。そして、どうやってやり直すのか。数奇な運命によってたどり着いた村にはその答えがあった。どこかに優しさを溜め込んでいるダムでもあるのではないか、とつい疑がいたくなるような村の寛大さは翔人と僕を暖かなしゃぼん玉で覆っていく。これが優しさなのだろうか。いいや、違う。優しさももちろんあるのだが、そこには厳しさ誰であろうと受け入れる器人を信じる心がある。それは今ここで優しさ、と一言で表せるようなものではないので、ぜひとも読んで感じて頂きたい。

 

 
素敵な村。
 

 

リターン/五十嵐 貴久

高尾で発見された手足と顔がない死体は、十年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。警察官を殺し、雲隠れしていたリカを追い続けてきたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と捜査に加わる。捜査が難航する中、孝子の恋人、捜査一課の奥山の連絡が途絶えた。彼の自宅に向かった二人が発見したのは…。『リカ』を超える衝撃の結末。(「BOOK」データベースより)

 

 

感想書評

え、リカさん…本間と10年間暮らしていたのですか!? と驚きを隠せない。本作のリカさんは前作とはまた違った角度から、どーん! と輪郭を現す。徐々に近づいてくるリカさんの存在。それを追う警察。その先にある不気味な感覚は、身体の中で何かが蠢いているようで落ち着かない。そして、辿り着く恐怖。忘れかけていたリカさんをふと思い出す。そうだった。リカさんはただ愛に飢えていただけだったのだ。その結末は不安と予感を感じさせるものだった。

 

 
リカさんは相変わらずだ。
 

 

クロス/山下 紘加

私はどちらの性で、どんな立ち位置で、彼を愛せばいいのだろう。 警備会社で働く28 歳の「私」は、結婚していながら関係を続けていた浮気相手との悪戯をきっかけに、女性装にのめりこむ。 ストッキングを履いたり、自らの手でメイクを施したりと女性性に寄り添うような生活は、「私」に新鮮な喜びと自由をもたらす。 あるとき女の姿で訪れたバーで、タケオと名乗る男に出会い、強烈に惹かれていくが――。

 

感想書評

主人公の、女装してみたら世界が変わりました、ありがとうございます、という感覚。それは窮屈な現状からの解放であったり、娯楽のような甘ったるい幸福感であったり、とにかく美味しい。そこに性という問題も加味され、男であるはずの人格が、女装すると乗っ取られたかのように変わる。自分は一体どこにいるのか。そして、誰なのか。出口のない迷路のような迷いは、残念ながら最高の物語を作り出し、この気持ち悪さがいい! と絶賛されることになる(僕調べ)。

 

 
いい! 

 

スイッチ/潮谷 験

夏休み、お金がなくて暇を持て余している大学生達に風変わりなアルバイトが持ちかけられた。スポンサーは売れっ子心理コンサルタント。彼は「純粋な悪」を研究課題にしており、アルバイトは実験の協力だという。集まった大学生達のスマホには、自分達とはなんの関わりもなく幸せに暮らしている家族を破滅させるスイッチのアプリがインストールされる。スイッチ押しても押さなくても1ヵ月後に100万円が手に入り、押すメリットはない。「誰も押すわけがない」皆がそう思っていた。しかし……。

 

感想書評

押すなよ、絶対に押すなよ、と言われれば押してみたくなる不思議。そこに、押せばある家族破滅するよ、という地獄の宣告を加えればあっという間に純粋な悪の実験の始まりである。押すのか、押さないのか、そんな逡巡に更なる波乱がざぶんと津波のように襲いかかり、そこに、私も参加します、と過去が参戦。純粋な悪の実験は果たして成功するのか。頭の中のコイントスに委ねてみても、僕には、なのか、なのか、判断がつかない。

 

 
これぞメフィスト賞。 


銀杏手ならい/西條 奈加

子に恵まれず離縁され、実家の手習所『銀杏堂』を継ぐことになった二十四歳の萌。女先生と侮る悪童らに振り回されながら、忙しない日々を送っていた。ある朝、銀杏堂の門前に女の捨子を見つける。自身も血の繋がらぬ両親に愛情深く育てられた萌は、その子を「授かりもの」として育てることを決心するが…。真っ直ぐに子どもと向き合い成長する、時代人情小説の傑作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

昨今の教育現場にはモンスターが溢れかえっているらしい。いくらモンスターになろうとも、子どもの成長に繋がるわけがない。古き良き時代の思いやりを忘れてしまったのだろうか。そんな古き良き時代が本作にはある。萌の子どもたちに向ける想いは真剣そのもの。それを受け、子どもたちも、周りの人たちもみんなが助けてくれる。ある日萌は子どもを拾う。現代であれば誹謗中傷の嵐でTwitterが炎上するかもしれない。けれど、周りの人たちはそんな萌を助け、優しく見守る。その子は、きっと優しい子どもに育つこと間違いなしだろう。

 

 
教育の根本がここにある。 

 

儚い羊たちの祝宴/米澤 穂信

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

小説は狂っていれば狂っているほどに面白い。本作の背景には上流階級という環境がある。だからこそ、諸君、上流階級はこう狂うのだよ、といったお手本のような狂気は違和感なく、すんなりと酔いしれられる。本格ミステリを求めている方には物足りない部分があるかもしれない。が、個人的には狂ったダークファンタジーが大好きなので、これだよ、これ、求めていたのはこれなのだよ、とかつてない高揚に身震いした一冊だった。

 

 
ぶるぶる。 

 

神去なあなあ日常/三浦 しをん

美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。

 

感想書評

林業は過酷そうだなぁ、と思っていても具体的に何が大変なのか。その疑念を本作出演の都会っ子平野勇気は、我々の気持ちを代弁するかのようにツッコんでくれる。そして、日本の根幹がまだ生きています、わたしここにいたのです、といった風情の神去村にも、逐一ツッコんでくれる。都会では感じることができない生き生きとした魅力が詰まった一冊。

 

 
都会と村の普通は違うのだ。
 

 

カエルの楽園/百田 尚樹

国を追われた二匹のアマガエルは、辛い放浪の末に夢の楽園にたどり着く。その国は「三戒」と呼ばれる戒律と、「謝りソング」という奇妙な歌によって守られていた。だが、南の沼に棲む凶暴なウシガエルの魔の手が迫り、楽園の本当の姿が明らかになる…。単行本刊行後、物語の内容を思わせる出来事が現実に起こり、一部では「予言書」とも言われた現代の寓話にして、国家の意味を問う警世の書。

 

感想書評

カエルの世界を描いた児童作品かと思いきや、何か様子がおかしい。カエルたちと同じように抱く漠然とした不安は、そこが本当に楽園なのか、そんな疑問を抱かせる。そして、この楽園...どこかで見たことがあるような気もする。筆者がカエルたちを通して、本作にぶつけた想いは、僕たちが直視しなければいけないものなのかもしれない。

 

 
意味深なカエルの物語だった。
 


 


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