本と宴





【おすすめ10冊】読書ノート#13

 管理人:宴
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 次はどんな本を読もうかしらん。
  • いろんな本を読みたい。
  • 宴が読んだ本を教えて欲しい。

 

ちょうどよかった!

今回は宴の読書記録、『読書ノート』をご紹介しよう。

 

 

 

 

読書ノート

f:id:s-utage:20210619093717j:plain

 

 

ふたりの証拠/アゴタ・クリストフ

戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。厳しい新体制が支配する国で、彼がなにを求め、どう生きたかを伝えるために―強烈な印象を残した『悪童日記』の待望の続篇。主人公と彼を取り巻く多彩な人物の物語を通して、愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて全世界の共感を呼んだ話題作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

一人になった双子の闇と大きな謎が放たれる物語。

 

前作『悪童日記』と大きく違うのは、日記形式ではないこと、それと主人公が双子の片割れということだ。主人公は未だに感情をどこかに忘れてきてしまっているようだが、台詞や行動から鑑みて、痛切な人間味を感じずにはいられない。もちろんそれは戦争を背景にしたという前提であるのだけれども。

 

少しだけもやもやと、胃の中で得体の知れないものがワルツを踊っているような心持になった。

 

 
え、双子…って、え? 

 

かげろう日記/吉村 達也

会社員の町田輝樹のもとに一冊のノートが届いた。それは四年付き合った末に、一年前に別れた元彼女・内藤茜の筆跡による日記だった。しかし茜は半年前に不幸な事件に巻き込まれて死んだのだ。一体誰が、なんのために!?もうすぐ自分が死ぬことを知らない茜の日記、そして輝樹への執着が、別れた後にどんどん激しくなっていく日記…苦しい思いで読み進めた輝樹の目に、ついに衝撃の書き込みが!!ページを繰る手が震えると言われたサスペンス・スリラーの傑作、装い新たに堂々の復刊!(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

一冊のノートを発端としたホラーな物語。

 

男は身勝手だし、女は怖い。そこにサスペンスホラーを放り込むと出来上がったかげろう日記。ひりつく様な女の執念はまさに呪いと言うに相応しいものがある。女性には優しく接することを肝に銘じておこうと思う。

 

重々しいホラーが苦手な人にも読みやすい一冊だ。

 

 
恋はホラー。
 

 

アフターダーク/村上 春樹

時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえる―。新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

登場人物たちの夜を垣間見る物語。

 

夜とは寝るまでのカウントダウンでもあり、寝る時間でもあるのだが、彼らは夜を生きる。それを強引に見せられているような感覚は新鮮だが、どこか歯痒さを感じてしまう。僕らは物語に介入出来ない傍観者なのだから仕方がないのだけれど。

 

彼らのそれからが気になるが、夜の終わりと共に彼らの物語も終わってしまう。ささやかな予兆だけを残して。

 

 
深い夜の戯れ。 

 

『吾輩は猫である』殺人事件/奥泉 光

時は一九〇六年、魔都・上海。あの「猫」は生きていた―「吾輩」の主人・苦沙弥先生殺害事件の謎を解くために、英吉利猫のホームズ、ワトソンも加わり、猫たちの冒険が始まる。夏目漱石『吾輩は猫である』でおなじみの寒月、迷亭、東風、そして三毛子、さらには宿敵・バスカビル家の狗も登場。謎が謎を呼ぶ超弩級の猫ミステリー。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

夏目漱石『吾輩は猫である』の続編の物語。

 

名もなき猫の飼い主が殺された。名もなき猫と愉快な仲間たちはその真相に近づいていく。あの伝説的な文豪の小説を豪胆に、そして続編として描くのには一筋縄ではいかないしんどさがあっただろうに、それを書き切る力強さには感服してしまう。さらに言えば、悪友に、これ夏目漱石が書いた続編だよ、と言われれば、僕はあっさり騙されてしまうぐらい違和感のない漱石感。そこに加えられたミステリー。とんでもないケミストリーが、本作の中で巻き起こっている。

 

読み応えたっぷりの名無しの猫の冒険譚に僕の心は踊り狂ってやまない。

 

 
あの苦沙弥先生が…! 

 

おらおらでひとりいぐも/若竹 千佐子

24歳の秋、故郷を飛び出した桃子さん。住み込みのバイト、周造との出会いと結婚、2児を必死に育てた日々、そして夫の突然の死―。70代、いまや独り茶を啜る桃子さんに、突然ふるさとの懐かしい言葉で、内なる声たちがジャズセッションのように湧いてくる。おらはちゃんとに生ぎだべか?悲しみの果て、辿り着いた自由と賑やかな孤独。すべての人の生きる意味を問う感動のベストセラー。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

桃子さんが人生とジャズセッションをする物語。

 

東北弁読みづらい、と思っていたのも束の間、桃子さんのキャラクターに引き込まれてすらすら入ってくる。意味わからないのもあるけれど、それがまた良い隠し味だ。死が身近にある桃子さんは脳内会話をしたり、過去を振り返ったり、見つめ直したりするけれど、考えてみれば僕は未来の桃子さんなのかもしれない。

 

そう思うと改めて今を大切に生きなければいけないと思えた。桃子さんみたく、きちんと振り返れるように。大切な一冊になった。

 

 
しっかりと生きよう!
 

 

そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティ

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。新訳決定版。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

孤島でおきた連続殺人の原点でもある物語。

 

複雑で多様化している昨今のミステリー。一体ミステリーとはなんぞや、と疑問を呈してしまうのだが、その答えが本作なのではないだろうか。削ぎ落とされた一切無駄のない展開。一人また一人消えていく臨場感。登場人物たちの際立った個性と惑い。

 

これが約百年前に書かれたものとは信じられない。僕の半径5メートル以内では今、感嘆の嵐が吹き荒れている。

 

 
今読んでも遜色がない。 

 

ラビット病/山田 詠美 

天涯孤独で大金持ちのわがまま娘・ゆりと、横田基地に勤めるアメリカ軍人・ロバートは、何もかもまるっきり違っているけれど、心も体もぴったり馴染んだ恋人同士。怖がりで涙もろい純情青年のロバちゃんは、気分屋で素っ頓狂なゆりちゃんに翻弄されてばかり。周囲に呆れられてもへっちゃらで、いつもうさぎみたいに寄り添ってくっついている二人の日々を描いた、スイートでハッピーな連作集。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

おかしな国際カップルがいちゃつく物語。

 

物語の八割は二人の甘さで出来ている。これは途中で飽きるかもしれない、と思ったが、環境の違いに戸惑いつつも、愛という凶器に似たもので、おりゃあ、と全部ぶっ飛ばしていくような、ぬるっとした爽快感が甘さに深みをもたらし飽きさせてくれなかった。気が付けば二人のいちゃつき振りに一喜一憂している自分がいた。

 

二人のラビット病が死ぬまで完治しませんように祈るばかりだ。

 

 
あまーい。 

 

宵山万華鏡/森見 登美彦

一風変わった友人と祇園祭に出かけた「俺」は“宵山法度違反”を犯し、屈強な男たちに捕らわれてしまう。次々と現れる異形の者たちが崇める「宵山様」とは?(「宵山金魚」)目が覚めると、また宵山の朝。男はこの繰り返しから抜け出せるのか?(「宵山迷路」)祇園祭宵山の一日を舞台に不思議な事件が交錯する。幻想と現実が入り乱れる森見ワールドの真骨頂、万華鏡のように多彩な連作短篇集。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

祇園祭宵山を巡る物語。

 

相変わらず魅力的な京都を描く筆者。

本作ではいつものファンターと突拍子のなさよりも、仄かに背筋が凍るホラー感を投げつけてくる。

そうだった、筆者はそんな隠れた得意技を持っていたのを忘れていた。

 

宵山にまつわる怖くて、おかしくて不思議な6つの物語は、それぞれ噛みごたえ

が全く違っていて、僕の宵山への興味をマックスポイントまで引き上げていく。

 

いつか行けたらいいなぁ。

 

けれど、もし行くことがあれば、連れて行かれないように気をつけないと。

 

 
不思議で少しホラー。 

 

カラフル/森 絵都

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

自分の過ちを思い出す物語。

 

人生はほとんど辛いことばかりで構成されているのかもしれない。だが、それは本当に辛いことなのだろうか? 少しだけ違う角度から見てみると、ひょっとすると全然たいしたことではないのかもしれない。

 

人生という一種のホームステイを真のように、とにかく我武者羅に生きていくこと。それが幸せになる第一歩なのではないか、と思えた。

 

 
人生にナビはいらない。 

 

アリス殺し/小林 泰三

最近、不思議の国に迷い込んだアリスという少女の夢ばかり見る栗栖川亜理。ハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見たある日、亜理の通う大学では玉子という綽名の研究員が屋上から転落して死亡していた―その後も夢と現実は互いを映し合うように、怪死事件が相次ぐ。そして事件を捜査する三月兎と帽子屋は、最重要容疑者にアリスを名指し…邪悪な夢想と驚愕のトリック!(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

不思議の国のアリスと現実世界がリンクしている物語。

 

会話文が多いのだけれど、その作風が不思議の国と現実世界を違和感なく繋げている。最初は訝って読んでいたものの、途中からはすっかりはまってしまった。中毒性のある世界観である。

 

不思議の国のアリスの予備知識があれば、より楽しめるかもしれない。

 

 
不思議の国のミステリー。 

 


 


にほんブログ村 本ブログへ