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どうも、宴です。
不思議とめちゃくちゃセリフとか覚えていたりして、すごく盛り上がるよね。直木賞もめちゃくちゃ盛り上がるけどね。
ということで、今回は『2021上半期 第165回直木賞候補作感想と大胆予想』をご案内させていただきます。
<おすすめ記事>
第165回直木賞候補作感想
一穂 ミチ『スモールワールズ』(講談社)
呉 勝浩『おれたちの歌をうたえ』(文藝春秋)
佐藤 究『テスカトリポカ』(KADOKAWA)
澤田 瞳子『星落ちて、なお』(文藝春秋)
砂原 浩太朗『高瀬庄左衛門御留書』(講談社)

スモールワールズ/一穂ミチ
ままならない現実を抱えて生きる人たちの6つの物語。夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。第74回日本推理作家協会賞短編部門候補作「ピクニック」収録。

おれたちの歌をうたえ/呉勝浩
真っ白な雪と、死体。遠ざけたはずの過去ー40年前のあの日、本当は何があったのか。いまになって届いた友からの謎かけが、元刑事の魂を、揺り動かす。長野県上田市と松本市、そして東京を舞台に紡がれる暗号ミステリーは、40年の時を経て、真実へとひと走る。友情をあきらめなかった男たちの物語。

テスカトリポカ/佐藤究
心臓密売人の恐怖がやってくる。メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会う。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へ向かった。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年、土方コシモは、バルミロに見いだされ、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていくー。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。

星落ちて、なお/澤田瞳子
不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄が河鍋の家を継ぐ気がないのは明白であった。弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかっていて頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっているのだったがー。父の影に翻弄され、明治から大正を駆け抜けた女絵師の一代記。

高瀬庄左衛門御留書/砂原浩太朗
神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。五十を前にして妻を亡くし、息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。息子の嫁・志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門に襲いくる。人生の苦渋と生きる喜びを丁寧に描く、武家もの時代小説の新星、ここに誕生!

大胆予想

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スモールワールズ/一穂 ミチ
ばーん!
前回の受賞作、西條奈加さんの『心淋し川』が時代小説。また、ここ数年、現代が舞台の受賞作が少ない気がしたので、そろそろ現代小説では? と考え、『高瀬庄左衛門御留書』『星落ちて、なお』をまずは除外させていただきました。どちらも面白かったけれども。
次に『テスカトリポカ』は、舞台が日本であるとはいえ、アステカ色が強い。一概にそうとは言えないけれど、やはり外国の風が入っている作品は受賞しずらいのでは…?
そして『おれたちの歌をうたえ』は、激しい熱量と勢いのある展開は小説として素晴らしい。けれど、ミステリー作品として見た時にどう判断されるのか、なんとも言えないなぁ、と。
そんなわけで、一穂 ミチさんの『スモールワールズ』が受賞するのではないだろうか。
直木賞は意外と短編作品の受賞が多いと思ったのと、文章の安定感、物語の豊かさ、読了後の得体の知れない気持ち。これらを踏まえると、直木賞作品として相応しいと考察。
全然違っていたら謝ります。
それでは本日はここまで。
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