【おすすめ10冊】読書ノート#19

 管理人:宴
ご来訪に感謝。
ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 次はどんな本を読もうかしらん。
  • いろんな本を読みたい。
  • 宴が読んだ本を教えて欲しい。

 

ちょうどよかった!

今回は宴の読書記録『読書ノート』をご紹介しよう。

 

 

 

 

読書ノート

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神去なあなあ日常/三浦 しをん

美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

なあなあで有名な神去村の物語。

 

林業は過酷そうだなぁ、と思っていても具体的に何が大変なのか。その疑念を本作出演の都会っ子、平野勇気は、我々の気持ちを代弁するかのようにツッコんでくれる。そして、日本の根幹がまだ生きています、わたしここにいたのです、といった風情の神去村にも、逐一ツッコんでくれる。

 

都会では感じることができない生き生きとした魅力が詰まった一冊だ。

 

 
都会と村の普通は違う。
 

 

芥川賞ぜんぶ読む/菊池 良

井上靖、松本清張、石原慎太郎、大江健三郎、村上龍、綿矢りさ、又吉直樹…全受賞作のイッキ読みで見える文豪たちの才能。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

芥川賞の歴史と面白さが垣間見える本。

 

お得なものと芥川賞があざとい女子にアプローチされるよりも好きなのだが、本作はその二つが奇跡のコラボを果たした会心の一作である。内容に触れるだけではなく、その当時の世評や状況、筆者自身にも触れ、まさしく芥川賞の歴史をざっくりとではあるが、垣間見ることができる。

 

漠然と芥川賞を読んでみたいのだけれど、一体何から読めばいいのだ? と途方に暮れてしまう人は、まず本作を読んでみてはいかがだろうか。

 

 
同時進行でマンガも展開! 

 

カエルの楽園/百田 尚樹

国を追われた二匹のアマガエルは、辛い放浪の末に夢の楽園にたどり着く。その国は「三戒」と呼ばれる戒律と、「謝りソング」という奇妙な歌によって守られていた。だが、南の沼に棲む凶暴なウシガエルの魔の手が迫り、楽園の本当の姿が明らかになる…。単行本刊行後、物語の内容を思わせる出来事が現実に起こり、一部では「予言書」とも言われた現代の寓話にして、国家の意味を問う警世の書。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

辿り着いた楽園は本当に楽園なのか問う物語。

 

カエルの世界を描いた児童作品かと思いきや、何か様子がおかしい。カエルたちと同じように抱く漠然とした不安は、そこが本当に楽園なのか、そんな疑問を抱かせる。そして、この楽園...どこかで見たことがあるような気もする。

 

筆者がカエルたちを通して、本作にぶつけた想いは、僕たちが直視しなければいけないものなのかもしれない。

 

 
意味深なカエルたちの物語。
 

 

ボクは好奇心のかたまり/遠藤 周作

いかにもの好きと言われようと、いかに冷や水とけなされようと、生れつきの好奇心のムシはおさまらない――美人女優に面談を強要する、幽霊屋敷を探険に行く、上野の乞食氏と対談する、催眠術の道場を見物に行く、舞台熱が昂じて素人劇団を結成する、無謀にも運転免許に挑戦する、etc、etc。呆れるばかりのもの好き精神を発揮して狐狸庵先生東奔西走。珍妙無類のエッセー集。

 

感想書評

面白いエッセイの代名詞であるエッセイ。

 

小説家にとって好奇心とは、カレーライスと福神漬けのようにかかすことのできないスキル一つであるが、だからといってカップルにこっそり水鉄砲をこっそりと撃ち放つのはいかがなものだろうか。

 

筆者の小説からは想像もつかない愉快な好奇心は、なぜこの人が『沈黙』や『海と毒草』などの素晴らしい物語を書けたのか、不思議で不思議でたまらない。

 

 
敬愛するとんでもない人だ。
 

 

プリンセス・トヨトミ/万城目 学

このことは誰も知らない―四百年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京から来た会計検査院の調査官三人と大阪下町育ちの少年少女だった。秘密の扉が開くとき、大阪が全停止する!?万城目ワールド真骨頂、驚天動地のエンターテインメント、ついに始動。特別エッセイ「なんだ坂、こんな坂、ときどき大阪」も巻末収録。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

大阪のおどろくべき秘密を知る物語。

 

大阪を巻き込んだスケールの大きさと大胆な設定には度肝を抜かれる。そうか、大阪の地下には大阪城があったのか。自らの性に悩む少年と僕は、次々と巻き起こるとんでもない展開にあたふたしつつも、大阪と父親という存在の心意気に胸を打ち抜かれた。

 

次に大阪へ行く時には、大阪の地と人々の見方が変わるであろう一冊だ。

 

 
すごいぞ大阪。 

 

ことり/小川 洋子

人間の言葉は話せないけれど、小鳥のさえずりを理解する兄と、兄の言葉を唯一わかる弟。二人は支えあってひっそりと生きていく。やがて兄は亡くなり、弟は「小鳥の小父さん」と人々に呼ばれて…。慎み深い兄弟の一生を描く、優しく切ない、著者の会心作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

小鳥の小父さんの優しい世界を描いた物語。

 

何かの拍子で僕の才能が目覚め、燦然と輝く人生を歩むことになろうとも、小鳥の小父さんのように素敵な人生を歩むことは出来ないであろう。小父さんの人生はたしかに仄暗い。誰にも理解されないだろうし、誰も知る由もないことだろう。でも、その人生はとても暖かくて、優しい温もりを知っている。人生とはそれだけで構わないのかもしれない。

 

どんな人にもこんな優くて、誰にも知られない物語があるのかもしれない。誰にも触れられないようにそっと置いておきたい一冊だ。

 

 
小鳥の小父さん、お疲れ様。
 

 

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb/道尾 秀介

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは?息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。「このミス」常連、各文学賞総なめの文学界の若きトップランナー、最初の直木賞ノミネート作品。第62回日本推理作家協会賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

 

感想書評

残酷な過去に翻弄されたもの同士が、よし、過去にペテンをしかけてやろうと企む物語。

 

真っ当に生きることができない5人は可哀そうである。けれど、逃げ続けるわけにはいかない。真っ当に生きるためには、真っ当に戦うしかない。これが俺たちの真っ当だ、と屁理屈のようなペテンに胸の鼓動が止まらない。

 

そして、まさか筆者までもがペテンを仕掛けていたとは…あっさりと騙されてしまったではないか。無念。

 

 
かぁかぁ!
 

 

星々の船/村山 由佳

禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱いて―愛とは、家族とはなにか。こころふるえる感動の物語。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

家族には絶対に言うことができない家族の物語。

 

愛というやっかいなものに打ちのめされていく家族たちは悲しいし切ないけれど、そんな状況にだって幸せは落ちている。必死に生きた人生の中で拾い上げる幸せはなんて綺麗なのだろうか。

 

絵に描いたような幸せだけが純粋な幸せではない。本作はそんなことを一つの家族を通して訥々と語っている。

 

 
家族って難しい。
 

 

クジラアタマの王様/伊坂 幸太郎

製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。打ち勝つべき現実とは、いったい何か。巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリーによって、伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放つ。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

夢と現実が密接に交差していく物語。

 

ファンタジーの無情さあり、現実のしがらみあり、笑いもあり。盛りだくさんの内容の中で光り輝くのは不思議な繋がり。これは妄想なのか、現実なのか、夢なのか。岸が辿り着いた答えは物語の根幹を揺るがす。

 

まるで今(2021年)の時代を暗示しているかのような小説である。筆者は預言者なのだろうか。

 

 
現実を頑張らねば! 

 

戦う操縦士/サン=テグジュペリ

ドイツ軍の電撃的侵攻の前に敗走を重ね、機能不全に陥ったフランス軍。危険だがもはや無益な偵察飛行任務を命じられた「私」は、路上に溢れる避難民を眼下に目撃し、高空での肉体的苦痛や対空砲火に晒されるうち、人間と文明への“信条”を抱くに至る。著者の実体験に基づく小説。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

戦争の中にいる「私」が人間と文明ろは何かを問う物語。

 

戦争の無情さと、そこに存在する人間は痛ましい。なぜ戦うのか。意味はあるのか。見出した真理は当事者でなければたどり着けないものであろう。そこにある説得力と事実に胸がむかむかして仕方がない。

 

筆者の運命を鑑みると、より一層考えてしまう。星の王子様とは違う筆者が垣間見える一冊だ。

 

 
戦争とは何であろうか? 

 


 


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