おすすめの本屋大賞作品10選

 管理人:宴
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ところで、こんなことを思う時がないだろうか?
 

 

  • 本屋大賞が気になる。
  • 本屋大賞作品を読んでみたい。
  • おすすめの小説を知りたい。

 

ちょうどよかった!

今回は『おすすめの本屋大賞作品10選』を紹介しよう。

 

 

 

 

おすすめの本屋大賞作品10選

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「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」をキャッチコピーとして掲げ、本屋の店員さんによって決まる文学賞、それが『本屋大賞

 

2004年から始まり、たくさんの名作が名を連ねてきたが、一体何を読めばいいのか、結局面白い作品はどれ? 多すぎてわからない…

 

というわけで、今回は『おすすめの本屋大賞作品10選』をご紹介。

 

 

永い言い訳/西川 美和

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫は、妻が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。悲劇の主人公を装うことしかできない幸夫は、妻の親友の夫・陽一に、子供たちの世話を申し出た。妻を亡くした男と、母を亡くした子供たち。その不思議な出会いから、「新しい家族」の物語が動きはじめる。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

失くした絆を新しい絆が思い起こさせる物語。

 

夫婦というのは一緒にいる時間が長ければ長い程、愛することを忘れ、怠りがちになる。けれど、死んでしまってはもう愛することができない。独りよがりの言い訳でしかなくなってしまう。衣笠幸夫と同じ境遇の家族たちの物語は、言い訳などではない。痛切なメッセージである。

 

亡くなった人にはもう愛を伝えることができないけれど、せめて生きている人には愛を伝えていきたいと思う。

 

 
幸夫の永い言い訳が届きますように。
 

 

教団X/中村 文則

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者最長にして圧倒的最高傑作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

教団Xに関わる者たちの物語。

 

信仰とは何か。本作にはその答えに近づけるヒントがある。宗教だけではなく、宇宙や政治、その他もろもろの話を織り交ぜたスペクタクルな内容は、僕に「考えろ!」と訴え続ける。そして、宗教の恐ろしさを叫び続けている。教団Xは、まさに宗教の恐ろしさを体現した団体だ。

 

信仰とは救いであるはずなのだけれど、残念なことに信仰と狂気は紙一重で、危険を孕んでいたりもするものなのだ。

 

 
やがて狂気は暴力に。 

 

1Q84/村上 春樹

1Q84年―私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう。青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。…ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれて、主人公・青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

1Q84を巡る不可思議な物語。

 

世界は疑問に満ちている。少し歩けば、犬のように疑問にぶち当たり、もう少し歩けば、世界情勢のように混乱する。ある少女の小説、宗教団体、夜空に浮かぶ月、人智を超えた存在。その全ては青豆と天吾にとって、何らかの意味を持っているのだろうけれど、それが何かわからない。

 

1Q84の世界に翻弄されながらも手繰り寄せられる運命は、僕を得体の知れない高揚感へと誘ってくれる。

 

 
ひとつきりの月が浮かぶ世界へ。
 

 

デッドエンドの思い出/よしもと ばなな

つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

人生に行き止まりなんかない、と思わせてくれる短編集。

 

人生は紆余曲折。どこへ向かっているのかわからぬ道をくねくねうねうね曲がりに曲がり、辿り着いたのは行き止まり。そういう人生のつらい時期を、筆者は切り取り本作に貼り付ける。ペタリと貼られた短編たちは、ふんわりしていて可愛らしい印象を受けるが、つらいものはつらい。けれど、大丈夫。行き止まりなんて壊してしまえばいい。その先は幸せに通づる近道なのかもしれないのだから。

 

生きていると、辛かったり、刺々しくなったりもするけれど、そうなった時、僕はまた、本作を読みたいと思う。

 

 
週一で読むことになるかもしれない。
 

 

ライオンのおやつ小川 糸

余命を告げられた雫は、残りの日々を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことに決めた。そこでは毎週日曜日、入居者がもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があった―。毎日をもっと大切にしたくなる物語。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

瀬戸内の島のホスピスでの物語。

 

人間はいつ死ぬかわからない。だからこそ毎日をもっと大切にしなければいけない。ホスピスにいる人たちはいつしか散りゆく定め。ホスピスのスタッフや島の人は彼らを、聖母のように抱きとめる。生きたいと思うことも、死にゆくことも、悪くはないのだと、安らかな気持ちにさせてくれる。僕は生きたいと改めて思ったことはなかった。でも本作はを読んで、生きたいという強い意思が生まれた。

 

唐突に当たり前ではなくなるかもしれない日常を大切に生きようと思う。

 

 
おやつの時間は思い出を食べる時間でもある。
 

 

線は、僕を描く/ 砥上 裕將

 水墨画という「線」の芸術が、深い悲しみの中に生きる「僕」を救う。第59回メフィスト賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

水彩画によって変わっていく「僕」の物語。

 

圧倒される迫力と繊細な技術、そして描き手の熱量。水墨画とはなんて奥行きのある世界なのだろうか。そんな水墨画と運命の出会いを果たした「僕」は過去と人生に立ち向かっていく。

 

そして、たくさんの出会いもあった。それは水墨画と同じように彼の財産となっていくことだろう。いい人たちに出会えて、本当にラッキーな奴である。

 

 
些細な出会いが人生を変えるかも。 

 

舟を編む/三浦 しをん

出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。そして馬締がついに出会った運命の女性。不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

辞書を作る物語。

 

…ううむ、果たして面白いのだろうか、と思っていた自分をぶん殴ってやりたいぐらいに、辞書作りはエキサイティングだった。作成にまでかかる膨大な時間。許されない誤植。掲載する言葉の取捨選択。作り手の真剣さは、僕の辞書に対する意識を変え、小説のように愛おしいものへと昇華していった。

 

それもこれも辞書作りの申し子、馬締光也のせいである。彼は僕と辞書に関わる人たちを変えていった。類まれな才能の持ち主だ。

 

 
辞書を読みたくなる。 

 

百貨の魔法/村山 早紀

時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける―。百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語!(「BOOK」データベースより)  

 

感想書評

創業者の想いと愛に溢れた星野百貨店の物語。

 

従業員の方々が、いやいや僕のような底辺の人間にそんなに優しくしないでください、と卑屈になるぐらいの優しさと誇りで胸がいっぱい。僕もその気持ちになるべく答えたいので真摯に向き合う。そうか、なぜかお客様たちまでもが優しいのは、優しさが連鎖していったからなのかも。

 

謎の新人コンシェルジュと白い猫を軸に、従業員たちそれぞれの物語が大事な想いを繋いでいく星野百貨店は、今日も優しい気持ちでお客様と向き合っていることだろう。

 

 
優しさ最強説。
 

 

空中ブランコ奥田 英朗

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

伊良部総合病院神経科に訪れた患者たちの物語。

 

 前作『イン・ザ・プール』の伊良部一郎は破天荒極まりない精神科医だった。彼もきっと成長していることだろう、と遠足の前日ぐらい楽しみにページを捲ると、前作と同じ伊良部先生がいた。患者が心を治している最中に、同時進行で開催されている伊良部先生のお楽しみ会。

 

彼は名医なのか、ヤブ医者なのか。それもやはり判然としない。

 

 
患者たちも楽しそう。
 

 

夜は短し歩けよ乙女/森見 登美彦

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作。(「BOOK」データベースより)

 

感想書評

歩き続ける乙女を追う物語。

 

キングオブ乙女コンテストがあれば満場一致で優勝してしまう程の乙女に恋をした先輩の気持ちはわからないでもないが、ほとんどストーカーである。そんな先輩の恋心は筆者の言葉の魔術によって、とても純粋なものに感じた。あかん、これはあかん。ストーカーの気持ちに理解をしめすということは、僕もストーカーの素質があるのかもしれないではないか。予備軍ではないか。

 

しっちゃかめっちゃかな二人とその周辺は、予測のつかない運命によって、きっと今日もしっちゃかめっちゃかしていることだろう。いつか京都に行き、たまたま通りかかった時にでも確認することにしよう。

 

 
乙女は行くよ、どこまでも。
 

 

 


 


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