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【おすすめ本】なんでこんなに暑いんだ、と怒り心頭の秋の気配を察し夏が今にも旅立とうとしている『9月に読んだおすすめ本10選』を紹介しよう

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管理者:宴

ご覧いただきありがとうございます。

ところで、『同僚たちが上司のオヤジギャグに愛想笑いを浮かべている光景』と『9月』って、うすら寒くなってくるよね。
 

 

どうも、宴です。

 

おもしろいかどうかは問題ではないんだ。とにかく笑わないといけない。大人になればいつかそんな日が来る。残酷だね。

 

まぁ、そんなわけで、今回は夏が終わり秋の気配が漂う『9月に読んだおすすめ本10選』を紹介したいと思う。

 

 

 

あこがれ/川上未映子

あらすじ

おかっぱ頭のやんちゃ娘ヘガティーと、絵が得意でやせっぽちの麦くん。クラスの人気者ではないけれど、悩みも寂しさもふたりで分けあうとなぜか笑顔に変わる、彼らは最強の友だちコンビだ。麦くんをくぎ付けにした、大きな目に水色まぶたのサンドイッチ売り場の女の人や、ヘガティーが偶然知ったもうひとりのきょうだい…。互いのあこがれを支えあい、大人への扉をさがす物語の幕が開く。

 

子供の頃の憧れたものって、傍から見るとなんでこんなものに? っていうものがあったりするけれど、ヘガティーと麦くんは笑ったりなんかしない。お互いの憧れを尊重した2人の大人になる前のかけがえのない時間と気持ち。それは大人であれば大人であるほど、心に染み入る。なんだか、ほっこりと温かくなる。

 

管理者:宴
いつか大人になる物語。 

 

氷菓/米澤穂信

あらすじ

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。

 
古典部なんて難しそうだし、大丈夫かしら、読み切れるかしら、と戦々恐々な皆さま、ご安心ください。彼らは古典部らしき活動はほとんどしない。ただ知りたがりの少女が知りたがり、冴えた少年がそれを解明し、周りガヤを入れる。氷菓の謎を追う彼らの青春は、忘れていたことを思い出させてくれるかもしれない。
 
管理者:宴
驚きの世界へ。
 

 

美女と竹林/森見登美彦

あらすじ

「これからは竹林の時代であるな!」閃いた登美彦氏は、京都の西、桂へと向かった。実家で竹林を所有する職場の先輩、鍵屋さんを訪ねるのだ。荒れはてた竹林の手入れを取っ掛かりに、目指すは竹林成金!MBC(モリミ・バンブー・カンパニー)のカリスマ経営者となり、自家用セグウェイで琵琶湖を一周…。はてしなく拡がる妄想を、著者独特の文体で綴った一冊。

 
竹を刈る。このエッセイはただそれだけのエッセイ。なのに何でこんなことに。いつ刈るのか読めない筆者の気力。竹林に全然関係ない物語。どうあっても結びつかないはずの美女。気づいた時には成金と化していた止まらない妄想劇は、森見ワールド全開。もはやエッセイの域を超えている。

 

管理者:宴
妄想って芸術なのかも。
 

 

貝に続く場所にて/石沢麻依

あらすじ

コロナ禍が影を落とす異国の街に、9年前の光景が重なり合う。ドイツの学術都市に暮らす私の元に、震災で行方不明になったはずの友人が現れる。人と場所の記憶に向かい合い、静謐な祈りを込めて描く鎮魂の物語。

 
入り乱れ、踊り狂う言葉たちが追及していくのは震災の記憶。傍観者である語り手だからこそ、それは簡単にはいかなく、難解だ。行方不明の友人が現れたり、言葉が複雑に書かれていたり、精神世界に飛んだりして、わかりやすい物語ではないけれど、この世界観と祈りは、心のどこかにこびりついて離れない。

 

管理者:宴
すごいものを読んだ感覚。 

 

満願/米澤穂信

あらすじ

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

 

どの物語もアイディアとバラエティに富んでおり、一つ一つの主題が短編の域を超えてお腹いっぱいだ。気がつけば入り込んでいるミステリーにハラハラし、衝撃の展開に驚き、暗い影を落とす物語に心地よく感じる暗澹。感情を揺さぶられる全六篇は、そこら辺のレストランのフルコースよりもフルコース。

 

管理者:宴
ざわつきが気持ちいい。
 

 

 

 

ふたえ/白河三兎

あらすじ

超問題児の転校生・手代木麗華がぼくらの世界を変えてしまった。ドン臭い「ノロ子」、とにかく地味な「ジミー」、将棋命の「劣化版」、影の薄い「美白」、不気味な「タロットオタク」―友達のいない五人と麗華で結成された『ぼっち班』の修学旅行は一生忘れられない出来事の連続で…。物語が生まれ変わる驚きの結末!二度読み必至、どんでん返し青春ミステリーの傑作誕生。

 

ぼっちには修学旅行なんて楽しみでも何ともない。とはいえ、ぼっちにだって、それぞれの青春があり、それぞれの想いでキャパオーバー。物語が進んでいくごとに、捉え方が変ったり、勘違いさせられていた事実に驚嘆し、筆者が最後に、どーん! と変えてしまった世界は切なく、かけがえない。

 

管理者:宴
波乱の修学旅行。 

 

ひと/小野寺史宜

あらすじ

女手ひとつで僕を東京の私大に進ませてくれた母が、急死した。 僕、柏木聖輔は二十歳の秋、たった独りになった。大学は中退を選び、就職先のあてもない。 そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた砂町銀座商店街の惣菜屋で、最後に残った五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。

 

いろんな人間がいるからこの世界はおもしろい。筆者はそんな人間たちを物語に登場させ、一人残らず丹念に描いていく。何もかもを失くした聖輔に触れた優しさたちは、コロッケのようにぎゅっと詰まっていて温かい。悪い人もいるけれど、やはり人間っていいなぁ、と改めて思わせてくれた一冊だ。

 

管理者:宴
コロッケ食べたくなったよ。 

 

生きてるだけで、愛。/本谷有希子

あらすじ

あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが…。誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい“愛”の姿。芥川賞候補の表題作の他、その前日譚である短編「あの明け方の」を収録。

 

この世界は生きづらくて仕方がない。棘だらけの世界で、寧子の苦悩ともがきは虚しく揺れる。愛に触れる怖さと叫びは誰もが経験することではあるけれど、感情のコントロールが上手く機能しない寧子の悲痛は、どんな拷問よりも頭に残って離れない。

 
管理者:宴
愛って苦しい。 

 

ナナメの夕暮れ/若林正恭

あらすじ

おじさんになって、「生き辛さ」から解放された―「自分探し」はこれにて完結!

 

自分はなんでこんなに生きづらいのだろう…そんな方に朗報。生きづらい選手権優勝者である筆者が、我々に救いを与えてくださった。共感の嵐が吹き荒れ、自分は一人ではないのだ、ということに気づかされる。筆者は僕であり、僕は筆者なのかもしれない。

 

管理者:宴
トゥース!
 

 

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬/若林正恭

あらすじ

飛行機の空席は残り1席――芸人として多忙を極める著者は、5日間の夏休み、何かに背中を押されるように一人キューバへと旅立った。クラシックカーの排ガス、革命、ヘミングウェイ、青いカリブ海……「日本と逆のシステム」の国の風景と、そこに生きる人々との交流に心ほぐされた頃、隠された旅の目的が明らかに――落涙必至のベストセラー紀行文。

 
キューバという国はなんて素晴らしい国なのだ、行ってみたいではないか。読了後はキューバ熱の高まりでいてもたってもいられなくなることだろう。国の歴史、雰囲気、人々、景色。それももちろん素晴らしい。けれど、もっと素晴らしいのは筆者がキューバへ行った理由。旅行記に自分探しが加わると、こんなにも胸が熱くなるとは。トゥース!
 
管理者:宴

モンゴルもアイスランドも。

 

 

 

 


 


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