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【おすすめ本】冬の匂いに鼻がひくひくしてきたので『11月に読んだおすすめ本10選』を紹介しよう

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管理者:宴

ご覧いただきありがとうございます。

ところで、『小麦粉にまみれたハンバーガーが発売される時期』と『11月』って、冬がはじまる気がするね。
 

 

どうも、宴です。

それでも毎年この時期になると食べなくてはいけない使命にかられて、ついつい買ってしまう。そこで気がつく小麦粉のおいしさ。こんな幸せをくれてありがとう、小麦粉さん。

 

まぁ、そんなわけで、今回は『11月に読んだおすすめ本10選を紹介しようと思う。

 

 

花束は毒/織守きょうや

あらすじ

「結婚をやめろ」との手紙に怯える元医学生の真壁。 彼には、脅迫者を追及できない理由があった。 そんな真壁を助けたい木瀬は、探偵に調査を依頼する。 探偵・北見理花と木瀬の出会いは中学時代。 彼女は探偵見習いを自称して生徒たちの依頼を請け負う少女だった。 ーーあの時、彼女がもたらした「解決」は今も僕の心に棘を残している。 大人になった今度こそ、僕は違う結果を出せるだろうか……。

 

事件がおきたのであれば解決をしなくてはならない。が、本作はその解決を毒として僕たち読み手に、こう問いかけてくる。あなたならどうしますか? と。曖昧だった心のざわつきが次第に明るみになってい冷たさを帯び、明るみになっていく事実に苦みが濃くなっていく。そして、いきなり、バツン! と叩き切られた苦みは、読了後も余韻を残していく。うん、これは、たぶん毒だね。

 

管理者:宴
花束は毒だったのか。 

 

N/道尾秀介

あらすじ

すべての始まりは何だったのか。 結末はいったいどこにあるのか。 「魔法の鼻を持つ犬」とともに教え子の秘密を探る理科教師。 「死んでくれない?」鳥がしゃべった言葉の謎を解く高校生。 定年を迎えた英語教師だけが知る、少女を殺害した真犯人。 殺した恋人の遺体を消し去ってくれた、正体不明の侵入者。 ターミナルケアを通じて、生まれて初めて奇跡を見た看護師。 殺人事件の真実を掴むべく、ペット探偵を尾行する女性刑事。 道尾秀介が「一冊の本」の概念を変える。(Amazon紹介ページより)

 

六編もあるなら、三編目から読んでもいいよね。そんな我がままを筆者は叶えてくれた。一つ一つの物語のクオリティの高さはもちろんのこと、各章同士の繋がりが見事に映えている。面白いのが読む順番によって読後の余韻が変わってしまうこと。僕の場合は後味最悪な終わり方だったので、心地よいざわめきがぐるぐると身体中を駆け巡った。物語もアイディアも素晴らしいし、筆者にはもう弱点などないのかもしれない。

 
管理者:宴
世界を変えてみよう。 

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディみかこ

あらすじ

人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧……。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、でも、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。優等生のぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー。(Amazon紹介ページより)

 

人間社会は何かしらの問題が絶えない。そんな現代に本作は少しの知恵と勇気をくれる。国籍や人種、差別、偏見問題。これらには答えという答えがないのだけれど、それに対する筆者と息子さんのエピソードには説得力があり、思わずなるほど、と呻ってしまう。簡単ではない問題だけれど、考えること、そのためには無知を減らすことが大切なのだと。素敵な親子は教えてくれる。

 

管理者:宴
ブルーにもグリーンにもなれるよ。 

 

ホテルローヤル/桜木柴乃

あらすじ

北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

一昔前のラブホテルの侘しさや後ろめたさ。母さん、あの城は何なのかな? と訊いてはいけないような。未来から過去へと向かう物語は、そういう寂れた雰囲気を演出する。そして、既に未来がわかっているホテルローヤルへのもの悲しさを募らせていく。関わった人たちもやはり悲しいので、溺れる寸前の恍惚感や侘しさに酔いしれたい時は本作をおすすめしよう。

 

管理者:宴
ラブホテルって文学。 

 

まりも日記/真梨幸子

あらすじ

真梨幸子が放つネコミス登場! 人を魅了してやまない猫たちに惑わされた愚かな人間の行く末、そして猫たちのその後--。(amazon紹介ページより)

 

猫とイヤミスのコラボレーションは豊かな混沌と狂気を生み出していく。序盤はエッセイかと思いきやエッセイではなかったり、猫のまりもさんの可愛さに酔いしれるのだけれど、次第に何かがおかしくなっていく。徐々に迫りくる混沌へと駅伝のバトンのように受け継いで走っていく語り手たちは猫に翻弄され、狂気の海へとダイブ。その狂気のあまりの気持ちよさに思わず、マンションのエントランスで大便をしたくなってしまうことだろう。

 

管理者:宴
大便はトイレでね。 

 

 

本と鍵の季節/米澤穂信

あらすじ

堀川次郎、高校二年で図書委員。不人気な図書室で同じ委員会の松倉詩門と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、本には縁がなさそうだったが、話してみると快活でよく笑い、ほどよく皮肉屋のいいやつだ。彼と付き合うようになってから、なぜかおかしなことに関わることが増えた。開かずの金庫、テスト問題の窃盗、亡くなった先輩が読んだ最後の本──青春図書室ミステリー開幕!!(Amazon紹介ページより)

 

ありふれた日常の中で、実はおきていた事件。それを解き明かすのは図書委員二人による、時折、ふふ、と口元を緩めてしまうセンスのいい小粋なトークだ。二人が揃わないと完結しない颯爽とした推理は小気味よく頭の中を通り過ぎていく。このままナイスコンビを続けてほしいけれど、やはり筆者はすんなりとした心持ちで終わらせる気はないようだ。残ったほろ苦さが胸をしめつける。

 

管理者:宴
青春はほろ苦い。 

 

夏物語/川上未映子

あらすじ

大阪の下町に生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子には「自分の子どもに会いたい」という願いが芽生えつつあった。パートナーなしの出産の方法を探るうち、精子提供で生まれ、本当の父を捜す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言い、子どもを願うことの残酷さを夏子に対して問いかける。この世界は、生まれてくるのに値するのだろうか―。(「BOOK」データベースより)

 

子どもはこの世界に生まれることを望んでいるのか。それは親の勝手な幸せになるであろう、という賭けなのではないか。そもそも命が生まれるということはどういうことなのか。揺れる夏子の物語は命に対しての考え方を改めさせられる。そして、考えさせられる。新しい命に対しての向き合い方や、とらえ方と直面させられる一冊だ。

 

管理者:宴
真摯に向き合いたい。 

 

人間/又吉直樹

あらすじ

僕達は人間をやるのが下手だ。38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?初の長編小説にして代表作、誕生!!(「BOOK」データベースより)

 

夢なのか幻なのかわからないような現実に生きる人間の奥深くには、こういう混沌が待ち受けているのだろうか。それとも、これは誰しもが持ち合わせている混沌なのだろうか。夢追い人の葛藤が穿った視点により書かれた青春小説かと思いきや、次第に違和感が募っていく。人間は愚かな生き物かもしれないけれど、まぁ、それも人間だよな、と感慨深くなるような一冊だ。

 
管理者:宴
案外人間は面白いのかも。 

 

血も涙もある/山田詠美

あらすじ

私の趣味は人の夫を寝盗ることです――妻と夫とその恋人。極上の“危険な関係”。有名料理研究家の妻と、その10歳年下のイラストレーターで「魅力的」な夫。ある日、妻の助手である一人の女が、夫の恋人となる。はじめは、微妙なバランスを保っていた3人の関係は、ユーモラスに残酷に、その味わいを変えていく。「妻」「夫」「恋人」と異なる視点から語られる、意外なその後味とは―。著者、最新作!(Amazon紹介ページより)

 

不倫というのは妙にどろどろしているイメージがあったのだけれど、本作はそのイメージを覆し、あれ、不倫ってそこまで悪いことなんだっけ? と疑問を呈する。恋人、夫、妻からなる不倫劇はどこかチャーミング。小説でしか表すことの出来ない特別な愛で溢かえっている。どんなテーマでも素敵な愛の物語にしてしまう筆者には心の底から感服。これからもついていきますのでよろしくお願いいたします。

 

管理者:宴
不倫は当事者にしかわからないこともあるよね。 

 

雨夜の星たち/寺地はるな

あらすじ

三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。 同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。 他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は 「お見舞い代行業」にスカウトされ、 移動手段のないお年寄りの病院送迎や 雑用をする「しごと」をはじめる。 文芸界の注目著者が 「めんどうな人」の機微を描く!(amazon紹介ページより)

 

なぜ空気が読めないの、どうして普通でいられないの。空気を読めない人は虐げられがちな世の中に、雨音は、え、それがどうかしたのか、という風情の生き方は、なんてかっこいいのだろう。空気を読むことは円滑に生きるため必要かもしれない。けれど、それでも読まなかった先にある世界もそれはそれで素晴らしいのだと、本作は訴えている。

 
管理者:宴

見えないものは読む必要がないのかも。

 
 


 


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