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【おすすめ本】記録的な雪も手伝い、冬の寒さが身に染みてしょうがない『12月に読んだおすすめ本10選』を紹介しよう

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管理者:宴

ご覧いただきありがとうございます。

ところで、『なかなかフタがかたくて開きそうで開かない缶詰』と『12月』って、もう少しであけるよね。
 

 

どうも、宴です。

なんでこんなにかたいの? もう少しなのに全然あかない! このままじゃ先に今年があけてしまう! どうしよう…まぁ、そこまでかたいのであれば、鍛えるか返品した方が早いかもね。

 

まぁ、そんなわけで、今回は『12月に読んだおすすめ本10選を紹介しようと思う。

 

 

 

 

畏れ入谷の彼女の柘榴/舞城王太郎

あらすじ

もう半年以上触れていない妻に赤ちゃんができた。どういうことだ!?「ピー」で光る息子の指。命が落ちたのは夫婦の谷(「畏れ入谷の彼女の柘榴」)。西暁には子守り上手の猿と、子供に悪戯するカニがいる。「人を愛せない」らしい俺が人を探す中、人の行かない場所で見つけたものは?(「裏山の凄い猿」)。人の形をした「心残り」がやってくる、特別なわが家。でもずっとそこで育んだ「正しさ」の中でじっといてるわけにはいかないんだよ、ブラザー!(「うちの玄関に座るため息」)(「BOOK」データベースより)

 

おお、いきなりどうしちゃったの!? という展開の中にも、人間の深いところを探る試みと不思議と刺さってしまう想いや言葉が詰まっていて盛りだくさん。小説は空想上の出来事で現実にはなり得ないのだけれど、それを逆手にとって、もはやあざ笑っているかのような傑作だ。小説のおもしろさの一片がここに凝縮されている。

 

管理者:宴
これだから小説はやめられない!
 

 

フシギ/真梨幸子

あらすじ

来る。“三人目の女”が私を殺しに。作家の私のもとに、死んだ担当編集者から不思議なメールが届いた。意識不明の時に三人の女が“お迎え”に来たというもので、一人目と二人目は亡くなった親族、三人目は誰だか分からないという。その後、「とんでもない正体が分かった」「三人目の女が、先生のところに現れませんように」という言葉を残して連絡は途切れ…。三人目の女とは誰なのか?連続する不審死は、その女が関わっているのか?精緻にして大胆な長編ミステリ!(「BOOK」データベースより)

 

ミステリーとホラーは相性抜群だけど、どちらかに偏り過ぎると鼻白んでしまう。その点、筆者は絶妙なバランスで不思議な物語を展開させていく。物件や犬神などを絡め、向かっていく真相はやはり嫌ぁな気持ちにさせてくれるけれど、それがたまらなく心地いい!

 
管理者:宴
フシギ!
 

 

麦本三歩の好きなもの 第一集/住野よる

あらすじ

麦本三歩には好きなものがたくさんある。歩くこと。寝坊すること。本を読むこと。食べること。仕事先の図書館では先輩に怒られがちだけど、大好きなチーズ蒸しパンを食べれば気分は上々。休みの日は、お気に入りの音楽を聴きながらひとり時間を満喫するー。何も起こらない毎日だけどなんだか幸せ。そんな三歩の日常を描いた心温まる連作短篇集。(「BOOK」データベースより)

 

本作は麦本三歩というポンコツ人間がただただ日々を奮闘する、というだけの物語。何だこいつは、と最初は思うのだけれど、何気ない日常を三歩らしく彩り、三歩らしく生きている三歩にいつの間にかはまってしまうこと間違いなし。自分らしく生きていこうとする人は素敵だ。だから三歩は素敵に無敵なのだ。

 

管理者:宴
三歩はすぐ噛むよ。
 

 

密やかな結晶/小川洋子

あらすじ

その島では、記憶が少しずつ消滅していく。鳥、フェリー、香水、そして左足。何が消滅しても、島の人々は適応し、淡々と事実を受け入れていく。小説を書くことを生業とするわたしも、例外ではなかった。ある日、島から小説が消えるまでは…。刊行から25年以上経った今もなお世界で評価され続ける、不朽の名作。2019年「全米図書賞」翻訳部門最終候補作!2020年「ブッカー国際賞」最終候補作!(「BOOK」データベースより)

 

忘れることを悲しいと認識していない悲しみ。そして、それが悲しいと思える悲しみ。二つのすれ違った感覚には、人間として大切にしなければいけないものを壊されたかのような恐怖を抱いてしまう。美しい世界観の中で蠢く恐怖と悲しみに、心をぎゅっと締め付けられる一冊だ。

 

管理者:宴
大切なものは大切にしなくちゃ。 

 

粘膜人間/飴村行

あらすじ

「弟を殺そう」-身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐太は、弟の殺害を計画した。だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲むある男たちに依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか?そして待ち受ける凄絶な運命とは…。第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作。(「BOOK」データベースより)

 

なかなかトリッキーな世界観を歩んでいくのだけれど、それを読ませてしまうユーモアと熱量が本作にはある。河童や屈強すぎる小学生、ありえない幻覚症状の薬など、戦前を舞台にした世界観から抜け出すには、もうはまりこんでしまうしかない。日本三大人間として、妖怪人間、コンビニ人間、そして最後のひと枠は粘膜人間できまりだ!

 

管理者:宴
早く粘膜人間になりたい...
 

 

 

火のないところに煙は/芦沢央

あらすじ

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の“私”は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが…。評判の占い師、悪夢が憑く家、鏡に映る見知らぬ子。怪異が怪異を呼びながら、謎と恐怖が絡み合い、直視できない真相へとひた走る。読み終えたとき、それはもはや他人事ではない。ミステリと実話怪談の奇跡的融合。(「BOOK」データベースより)

 

取材中のホラーな出来事が短編形式で綴られていく本作。筆者はそこに怖さを増長させる火を放つ。そこからわきでる煙は本編中ずっとくすぶり続け、最後の最後に心を蒸しつくされたかのような感覚に陥る。恐怖の中に別の恐怖を見つけたような、何かがいつまでも残ってしまう一冊だ。

 

管理者:宴
縁って怖いね。 

 

十年後の恋/辻仁成

あらすじ

離婚して十年、そして、私はようやく恋をした。パリで暮らすシングルマザーのマリエ。小さな投資グループを主宰するアンリ。運命的なふたりの出会いは、新型コロナウイルスに翻弄される。新しい世界の永遠の恋心を描いた辻仁成の最新長編小説。(「BOOK」データベースより)

 

10年後の恋は年齢も重ねてしまい、仕事もそれなりのポジション。気恥ずかしさもあり、なかなか感情のままには動けない。けれども、恋は恋。そう簡単にはコントロールできない。フランスを舞台にしたセーヌ川のような世界観の中、疑惑や迫るコロナ禍にマリエは揺さぶられていく。いくつになっても恋は素敵で残酷なものなのだと思い知らされる一冊だ。

 

管理者:宴
恋はコントロール不能。
 

 

少年と犬/馳星周

あらすじ

家族のために犯罪に手を染めた男。拾った犬は男の守り神になったー男と犬。仲間割れを起こした窃盗団の男は、守り神の犬を連れて故国を目指すー泥棒と犬。壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいたー夫婦と犬。体を売って男に貢ぐ女。どん底の人生で女に温もりを与えたのは犬だったー娼婦と犬。老猟師の死期を知っていたかのように、その犬はやってきたー老人と犬。震災のショックで心を閉ざした少年は、その犬を見て微笑んだー少年と犬。犬を愛する人に贈る感涙作。(「BOOK」データベースより)

 

人生最悪な時期は誰にでもあると思うけれど、本作の犬が出会った人たちは最悪を通り越して、もう終わりそうになっている人たちばかり。そんな人たちに寄りそう犬がもたらすひとひらの希望は何て暖かいのだろう。犬と出会った人にとって犬は特別な存在だったように、僕にとっても本作は特別な一冊になった。

 
管理者:宴
犬は救いだ。 

 

氷柱の声/くどうれいん

あらすじ

東日本大震災が起きたとき、伊智花は盛岡の高校生だった。それからの10年の時間をたどり、人びとの経験や思いを語る声を紡いでいく、著者初めての小説。第165回芥川賞候補作。(「BOOK」データベースより)

 

震災は被災した人たちばかりではなく、被害は少ないけれど間近で震災を感じていた人たちにも痛みをもたらしていた。そういった直接的ではない痛みこそが、震災のリアルだ。ニュースやドキュメンタリーでは伝わらない震災の痛みや影響に胸が締め付けられる。

 

管理者:宴
痛い時は痛いって言おう!
 

 

一人称単数/村上春樹

あらすじ

短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。(「BOOK」データベースより)

 

主人公たちの過去の引っ掛かりの発想がどう生まれたのか不思議だし、そこから発生する雰囲気は筆者っぽくてたまらないし、ヤクルトスワローズ愛は微笑ましいし、品川猿というユーモアあふれる猿はかわいくて愛おしい。筆者の人間としての深みが色濃く滲む短編集は、感嘆の嵐で吹き飛ばされそうだ。

 
管理者:宴

筆者のテーマパークみたいな小説。

 

 

 


 


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