PON!と宴





『2021年下半期 第166回芥川賞・直木賞の受賞作』のご案内

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ご覧いただきありがとうございます。

本と宴へようこそ。

管理者:宴
ところで、『ゴロリと一緒に作って遊んだりする人』と『芥川賞と直木賞』って…ワクワク(さん)だよね!
 

どうも、宴です。

世代によるけれど、僕の子ども時代はワクワクさんと共に歩んできたようなもんだよ。で、今は芥川賞と直木賞と共に歩いています。

 

ということで、今回は『2021年下半期 第166回芥川賞・直木賞受賞作』をご案内させていただきます。

 

 

 

 

第165回芥川賞・直木賞の受賞作が決定!

管理者:宴
おめでとうございます!
 

 

芥川賞

砂川文次「ブラックボックス」(群像8月号)

 

直木賞

今村翔吾「塞王の楯」(集英社)

米澤穂信「黒牢城」(KADOKAWA)

 

それでは受賞作を紹介していくよ!

受賞時のコメント(抜粋)を添えて。

 

管理者:宴
まずは芥川賞から! 

ブラックボックス/砂川文次

あらすじ

なぜ、止められないのだろう。サクマの怒りは白く爆ぜ、幾度となく暴発する。(群像より)

 

砂川 文次(すなかわ ぶんじ)

▶ 1990年4月1日生まれ。

▶ 2016年『市街戦』が第121回文學界新人賞を受賞してデビュー。

▶ 2018年『戦場のレビヤタン』が第160回、2020年『小隊』が第164回の芥川賞候補作となる。

 

受賞のコメント(抜粋)

最初の着想は好きなものを詰め込もうということで、自分が自転車好きということから始まりました。自分が小説を書く上で足りないものを掘り下げたいという思いで書いた作品であり、今作では人のことを掘り下げ、あまり観念的にならずに実地でその人から離れないようにということを意識して書きました。

書いている時に過去に経験している何かが出ていることもあるかもしれませんが、職業や立場にかかわらず、日々目の前の何かに向かって行動していくということが、ある種の身体性だと考えています。

 

【芥川賞】選考委員の奥泉光さんの講評

「ブラックボックス」が多くの選考委員から高い評価を得た。今まで砂川さんの作品は2回、芥川賞の候補になっている。これまでの2作は戦争を扱った小説だったが、今回は自転車便のメッセンジャーを主人公に据えた。

 

格差社会の底辺で生きる人物を描き、「現代のプロレタリア文学だ」という評価があがった。古風なリアリズム小説だといえ、技法的な新しさや冒険心に乏しいといった意見が選考委員の一部からはあがったが、それ以上に、この小説が書かれるべき切実さがあった。その切実さが小説の中ににじみ出る力感が間違いなくあった。非常に緻密な描写の的確さも評価された。

 

「ブラックボックス」の後半、主人公は暴力をふるったことで刑務所に入る。暴力の突発性といった生々しさが書き切れていないのではという批判もあったが、罪を犯すまでの経緯は前半までにうまく描かれていた。

 

最終的には「ブラックボックス」1作が受賞にふさわしいということで決着したが、九段理江さん(31)の「Schoolgirl」も評価を集めた。母と娘の関係性を題材に、新しい描き方や手法が見い出せるとの声があった。しかし、大きな問題を扱ってはいるが、小説としてはまだスタートしていない。ここから書かれるべき小説だろう。

 

また、石田夏穂さん(30)の「我が友、スミス」を推す声もあった。面白く読めるという一定の評価ではあったが、文学的な深みに欠くということだ。砂川さんを含むこの3人で2回目の投票を行い、受賞作が決まった。

 

乗代雄介さん(35)の「皆のあらばしり」はウェルメードに物語が構築されており、楽しく読んでいけたが一方で、作り手として小説を構築する手つきが見えすぎているという否定的な意見もあった。

 

島口大樹さん(23)の「オン・ザ・プラネット」はいわゆる哲学小説といえ、普段われわれが自明と考えているような世界について議論する人たちが登場する。その方向性を評価する声もあったが、同じような議論が続き退屈だとか、青臭い、との意見もあがった。選考委員は年を取っているから青臭いものがきらいだということだろう。

 

(下記より抜粋)

 

奥泉光さん「書かれるべき切実さあった」 砂川文次さんに芥川賞 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

 

管理者:宴
そして直木賞!
 

塞王の楯/今村翔吾

あらすじ

幼い頃、落城によって家族を喪った石工の匡介。彼は「絶対に破られない石垣」を造れば、世から戦を無くせると考えていた。一方、戦で父を喪った鉄砲職人の彦九郎は「どんな城も落とす砲」で人を殺し、その恐怖を天下に知らしめれば、戦をする者はいなくなると考えていた。秀吉が死に、戦乱の気配が近づく中、琵琶湖畔にある大津城の城主・京極高次は、匡介に石垣造りを頼む。攻め手の石田三成は、彦九郎に鉄砲作りを依頼した。大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、信念をかけた職人の対決が幕を開ける。ぶつかり合う、矛楯した想い。答えは戦火の果てにー。「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、圧倒的戦国小説!(「BOOK」データベースより)

 

今村 翔吾(いまむら しょうご)

▶ 2016年『蹴れ、彦五郎』が第19回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞受賞。

▶ 2018年『火喰鳥』が第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞受賞。

▶ 2020年『八本目の槍』が第41回吉川英治文学新人賞受賞。

 

受賞のコメント(抜粋)

30歳になってから小説を書き始める時に、それまで勤めていたダンススクールの子どもたちに直木賞を取ると公言していたので、うそがまことになって30歳になってからでも夢がかなうんだということを証明できました。子どもたちを裏切らずにすんだことに安堵しています。

憧れの人である池波正太郎先生と同じ37歳で受賞できたことは本当にうれしく、感慨深いです。これからも迷いながら進み、面白い作品を届けていきますので、僕に飽きなければどうぞおつきあい下さい。

 

黒牢城/米澤穂信

あらすじ

「おぬしならばこの曲事を解ける」本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。(「BOOK」データベースより)

 

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)

▶ 1978年生まれ。岐阜県出身。岐阜県立斐太高等学校、金沢大学文学部卒業。

▶ 2001年『氷菓』が第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞してデビュー。

▶ 2011年『折れた竜骨』が第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞、第11回本格ミステリ大賞(小説部門)候補、第24回山本周五郎賞候補。

▶ 2014年『満願』が第27回山本周五郎賞受賞、第151回直木三十五賞候補、2015年に第12回本屋大賞第7位。

 

受賞のコメント(抜粋)

ある編集者から、私の小説について『普通は池のあるところに石を投げるように書いていくが米澤さんは何もないところに石を投げるように小説を書いていく』と言われたことがあった。こうして1つの結果をいただき、投げた石が1つ、池を作ったのかなと思っております。

ミステリーは非常に大きな軸足で、その軸足があったからこそ、どのような世界のことでも小説に書いてこられた。これから先、自分がどういう小説に出会い、どういう小説が浮かび上がるのかはわからないが、ミステリーが自分にとっての大事な軸足であり、自分の柱だということは変わらない。

 

【直木賞】選考委員の浅田次郎さんの講評

今村さんに関しては、今作に限らないのですが、極めて作品の熱量が高く、力強い小説でした。石垣職人と鉄砲職人の戦という極めて独創的なテーマで、楽しいエンターテインメント作品だという評価が多かった。

 

米澤作品は、私が思い返してもあまり類例がない戦国時代を舞台にしたミステリーで、極めてユニーク。委員からは、黒田官兵衛に存在感がある、登場人物のせりふの言葉遣いがうまいといった意見が出ました。

 

今回の「次点」とも言える逢坂作品は、強く推す選考委員もいました。スピード感がある、スケールの大きさに比して少ない登場人物をうまく使って物語を作り上げている、戦争の捉え方に関して、とても誠実な視点を持っているという委員もいた。一方で、ややリアリズムに欠けるのではという意見も出ました。

 

彩瀬まるさんの「新しい星」は、今作よりも幻想的な風景を描き出している他の作品群の方が、彩瀬さんの持ち味が出ているのではないかという声が上がった。

 

柚月裕子さんの「ミカエルの鼓動」は、主人公のキャラクターが熱血漢なのか冷たい人なのか、やや不鮮明ではと多くの委員から意見が出ました。

 

ただ、どの作品も強く否定する見解はなかった。受賞候補にあがった作者の顔ぶれを見ても分かる通り、全体的には、高い水準の選考会だったと捉えています。

 

(下記より抜粋)

 

浅田次郎さん「どの作品も強く否定する見解なかった」 直木賞講評 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

 

まとめ

管理者:宴
みなさんお疲れさまでした!
 

残念ながら今回は時間の都合で予想ができず…でも、直木賞の受賞作は読了済み。受賞作として素晴らしい作品でした。それにしても時代小説強し…

 

そして、まだ全作品読んでいないけれど、候補作もおもしろいから、ぜひ受賞作だけでなく候補作品も読んでみてね。個人的なおすすめは逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』!

 

それでは本日はここまで。

管理者:宴
ご覧いただきありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
 

 

 


 


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