ご覧いただきありがとうございます。
本と宴へようこそ。
どうも、宴です。
本って読む前になんとなくパラパラしちゃいますよね。で、本の風を顔に浴びちゃいますよね。それで何がどうなるわけでもないのですが…
ということで、今回は角田光代さんの『この本が、世界に存在することに』をご紹介させていただきます。
<おすすめ記事>
この本が、世界に存在することに/角田光代
第132回直木賞受賞作家最新短編集。本への愛情をこめて角田光代が描く新境地!泣きたくなるほどいとおしい、ふつうの人々の“本をめぐる物語”が、あなたをやさしく包みます。心にしみいる九つの短編を収録。(「BOOK」データベースより)
本愛 | 10/10点 |
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ドキドキ | 6/10点 |
感動 | 7/10点 |
切なさ | 7/10点 |
読みやすさ | 8/10点 |
総評 | 8/10点 |
書評・感想文
本が好き
本が好きで夜も眠れません。こんばんは、宴です。それとも、こんにちはでしょうか。で、今まで知らなかったのですが角田光代さんも本が好きなようです。奇遇ですね。
しかも、本好きが高じて、本好きの本好きによる本好きのための本を書かれていらっしゃいました。それが本作『この本が、世界に存在することに』という短編集です。
本と出会ってからが物語
本は大抵読むことに意義があります。読むからこそ人は成長したり、有意義な時間を過ごしたりするのです。ところが、本作は本自体を物語の重要なアイテムとして描いています。なるほど、今まで気づきませんでした。盲点。
考えてみると、僕がその本を読みたい! と思った時から、僕と本の物語は始まっていたんですよね。本、と言いますか小説の中には当然、物語がありますが、本の外にも物語はあったのです。
たとえば一つ目の一つ目の短編『旅する本』では運命的なものとして、『さがしもの』という短編ではさがしものとして、『初バレンタイン』という短編ではプレゼントとして、本はいろんな形や想いとなり人生を飾ります。なんて素敵なのでしょう。本は存在しているだけで、もはや物語なのかもしれませんね。
読書ーズハイ
とはいえ、本は、なければ生きていけない! 呼吸ができない! ということは実際問題ありません。あるのであれば心療内科をおすすめしたいです。
まぁ、たしかにそんなことはないのですが、本好きにとって本は人生に寄り添い、時には優しく諭してくれたり、時には厳しく叱咤してくれたり、人生に一欠けらの豊かさを与えてくれるものなのです。
角田光代さんの本への愛が詰まった一冊は、そういう本の素晴らしさを再確認させてくれる魔法の本でした。また、本というものをまた一段と愛おしくさせてくれるドーピング剤でもありました。
そんなわけで、僕は今、読書ーズハイに入り込んでいます。今なら日本書紀を三時間ぐらいで読めることでしょう。たぶん気のせいだと思いますけど。
心に残った言葉・名言
しあわせという言葉を、ひとつひとつ現実の事象にしていったら、きっとそこにできあがるのは、私とあなたの送った日々なのではないかと思うほどです。
禁煙って、最初の三日間がつらいの。体内のニコチンが出ていくのに七十二時間かかるんだって。もうだめだ。死んじゃう、とか思うんだけど、その三日がすぎるとね、すーっと楽になって、忘れちゃうんだよ。はっと気がつくと、一日、一回も煙草のことなんか思いつかなくなってて、自分がかつて煙草を吸ってたなんて嘘みたいに思えるの。つまり習慣。男だっておんなじだよね。
男の子って、わたしが思っていたより、たいしたもんじゃないってよくわかった。男の子って、ただ、男の子なのだ。それだけ。
『だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう』
いがみあってたら最後の日まで人はいがみあってたほうがいいんだ、許せないところがあったら最後まで許すべきじゃないんだ、だってそれがその人とその人の関係だろう。相手が死のうが何しようが、むかつくことはむかつくって言ったほうがいいんだ
「死ぬのなんかこわくない。死ぬことを想像するのがこわいんだ。いつだってそうさ、できごとより、考えのほうが何倍もこわいんだ」
角田光代さんの他作品
9784041116227
最後に
本が好きな人、本をテーマにした小説が読みたい人、学生の頃に本屋で万引きをして、大人になって返しに行こうか迷っている人にはおすすめだから、ぜひ読んでみてね。
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。