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【ネタバレなし】色褪せない鮮やかな傑作短編集|遠藤周作さん『秋のカテドラル』 書評・感想文と心に残った言葉・名言

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ご覧いただきありがとうございます。

本と宴へようこそ。

管理者:宴
ところで、『カップ焼きそばのお湯を流し台に捨てていたら、麺も一緒に捨ててしまった人』と『秋』って…切なくなるよね!
 

どうも、宴です。

秋って何だか切なくなってしまいがちですよね。でも、その切なさを大切にしてください。自分の物語にとって、きっと必要なものとなってくるはずです。

 

ということで、今回は遠藤周作さんの『秋のカテドラル』をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

秋のカテドラル/遠藤周作

あらすじ

『海と毒薬』『沈黙』につながる秘められた幻の短篇、初の単行本化!瑞々しい筆致で描かれた、若き日の秀作。(「BOOK」データベースより)

短編力 10/10点
ドキドキ /10点
感動 /10点
切なさ /10点
読みやすさ 10/10点
総評 10/10点

 

書評・感想文

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魅力的な人

いろんな顔を持つ人って魅力的ですよね。いや、別に阿修羅像のことを言っているわけでも、アシュラマン(キン肉マン)のことを言っているわけでもありません。遠藤周作さんのことを言っているのです。勘違いはやめてほしいです。

 

今まで、長編小説やエッセイを読ませていただきましたが、長編小説ではあんなにも読み応えたっぷりで重厚な物語を描くのに、エッセイでは入院中に、庭にいたカップルに人知れず水鉄砲をかけちゃったりするようなギャップ。こういう人間味に僕の心は魅了されてしますのです。

 

違う顔

そして、本作ではまた違う顔を見せてくれました、短編集『秋のカテドラル』で垣間見える遠藤周作さんという人は、やはり魅力的でとんでもない作家さんでした。

 

長編とは違い、短編はページ数が少ないので、詰められる情報量に限りがあります。けれど、それを逆手にとるかのような物語たちは、たとえ解決していなくても、たとえハッピーエンドでなかったとしても、読了後には心地よい余韻を与えてくれます。お歳暮に包んだら喜ばれるような余韻です。

 

色褪せない名作集

しかも、物語のバリエーションが豊かです。舞台が日本の短編もあれば、海外が舞台の短編もあり、エッセイ、もしくはエッセイ風な短編もあります。それにより、読書中、全く飽きが来ることはなく、次は一体どんな物語が…とまるで長編小説のような感覚で惹きこまれていきます。

 

長編も素敵なのですが、遠藤周作さんは短編も素敵な味を出していらっしゃいます。今読んでも色褪せない名作集。それが本作『秋のカテドラル』という小説でございました。

 

 

心に残った言葉・名言

女が自分にむかって、ある青年をきらい、きらいと言いきかせる時、彼女は既に彼を愛しているのだ

管理者:宴
素直になれない女心。 

 

「ユダ。私はお前のためにも手をさしのべている。すべて許されぬ罪とは、私にはないのだから。なぜなら、私は無限の愛なのだから」

管理者:宴
愛がでかすぎる! 

 

『パン屋が自分の作ったパンに名を彫りこむだろうか。俺だけがこれを創ったのではない。俺たちみんながこれを創ったのだ』

管理者:宴
みんなの想いをのせて。 

 

遠藤周作さんの他作品

 

 

最後に

管理者:宴
今回は遠藤周作さんの『秋のカテドラル』を紹介してきました。
 

遠藤周作さんの短編小説を読みたい人、飽きのこない短編を読みたい人、秋にカテドラルを見たことがある人にはおすすめだから、ぜひ読んでみてね。

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております。