ご覧いただきありがとうございます。
PON!と宴へようこそ。
どうも、田舎に泊まった経験はありませんが、住んでいたことならある宴です。
田舎ほど落ち着く場所を僕は知りません。
さて、そんなわけで今回は『家族に不満を抱いている人は『くるまの娘』が特効薬になるかもしれません』をお届けいたします。
家族問題
宴:さて、本日も始まりました。
ジャバネットうたげのお時間です。
毎回素敵な物語をみなさまにお届けしようと躍起になっているこの番組。
進行役はわたくし宴と…
アシ子:アシスタントのアシ子でお送りさせていただきます。
宴:それでは早速なんですけどね、アシ子さんの家族は何か問題があったりしますか?
アシ子:いやいや、何ですかその質問はー?
ナイーブな問題なんですから、気軽に聞いちゃダメですよ!
まぁ、でも比較的良好ですね。
この前も家族でディズニーランド行ってきました。
結構家族で何かしたりは定期的にしてますね。
宴:そうなんですね! それはすごい。
でもね、家族で車中泊をしたことはありますか?
アシ子:ええ! 車中泊?
そんな…家族で車中泊だなんて…
創造神に誓ってありえませんわ。
宴:はっはっは。
それがね…ありえたんですよ!
アシ子:ま、まさか…!
宴:はい、そんなわけで今回紹介するのはこちら『くるまの娘』になります。
家族のままならなさ
宴:アシ子さんは家族仲良好というお話でしたが、全く何も問題はなしですか?
アシ子:多少はありましたね。
弟の引きこもりとか、家庭内暴力とか。
いろんな人に相談もしたんですけど、未だ解決には至ったません。
宴:そういうね、家庭内のことって第三者には伝わらないものなんだよね。
それぞれの家族で雰囲気や事情って変わるものだから。
アシ子:そうそう、そうなんですよねー。
宴:本作はそういう家族というコミニュティのままならさを痛烈に読み手にぶつけてくるんだ。
だから、面白いんだよね。
アシ子:えー、読みたいー!
今すぐぶつけられたいー!!
家族とは
宴:ここでね、僕があーだこーだ言ったところで説得力ないんでね。
今回は体験者さんのお話も伺ってみたいと思います。
それではどうぞ、佐藤さん(仮名)のお話です。
Q:使用してみてどうでしたか?
佐藤さん:私の家族も問題ばかりなんですけど、それがね沸々と蘇ってきました。
そうだよな、家族ってそういうところあるよなって…
これは問題提起でもあり、誰もがはっきりと言えなかった家族あるあるでもあるかもしれません。
Q:作中の車中泊をどう思いましたか?
佐藤さん:うーん、車中泊自体が悪いことだとは思わないけど、やっぱり他人に話すと驚かれると思うよ。
車中泊が思い出になっちゃうのは、ちょっと寂しい気もするね。
Q:ワクワクしたところは?
佐藤さん:作中の家族の状況がこれで変わるのではないか…? と感じる場面があるのですが、不謹慎だけどワクワクしちゃったし、ちょっとスッキリしたかな。
もっとやれー! って思っちゃった。
Q:興味深かったところは?
佐藤さん:いやぁ、家族って難しいなって。
だって正解はこれです、っていう見本みたいなのがないでしょう。
でも、きっとこの家族は間違っているとみんな思うわけ。
何なんだろうね、家族って。
改めて考えさせられちゃった。
家族というカオス
宴:はい、佐藤さん(仮名)のお話でした。
大変興味深いお話をありがとうございました。
アシ子:そうですねー。
でも、これだけだと…
ちょっと決め手にかけると言うか…
宴:あーあ、もうアシ子ちゃんってば欲張りなんだから。
よーし、わかりましたよ。
それならこんな驚きもつけちゃいます!
なんと本作、読めば家族の見え方が変わります。
アシ子:ええーっ!
嘘でしょう?
信じられないわ!
宴:さらにはこれだけじゃない!
本日、この記事をご覧の方にかぎり、特別にこんな驚きもサービス。
なんとそれをあの『推し、燃ゆ』の宇佐見りんさんが描きます。
家族というカオスを紡いでいくのです。
アシ子:な、なんですってー!
宴:最後にごめんなさい。
これは本当に謝るしかないんですけど、ページ数、なんと感じる160ページ!
今からお電話された方もされなかった方も160ページなんです!!
アシ子:い、いやぁー!
もうこれは読むしかないわー!!
くるまの娘|宇佐見りん
そんな物語がここにあります。
不完全さ | 10/10点 |
---|---|
苦しさ | 9/10点 |
家族 | 9/10点 |
くるま | 8/10点 |
- 家族に問題を抱えている人
- 車中泊をよくしている人
- これから家族を築こうとしている人
みなさんは家族とは何なのかわかりますか?
ああ、そうなんですね。
それはちょうどよかったです。
本作は家族というものが何なのかを炙り出した告発本です。
ご家庭によるとは思うのですが…
子どもの頃、親の言葉は全てであり、親のやる事は絶対的なことでした。
たとえ間違いに気づいたとしても、家族の中ではそれが正解になることもしばしばありました。
そういった歯痒さやもどかしさ。
それを自然と許そうとしてしまうままならなさ。
本編の隅から隅にまで至る息苦しさは、呪いのような家族という絆を次々と炙り出していきます。
決して正体は見せないであろう家族というものの正体を考えさせられる。
そんなビターな一冊でした。
喜びっていうのは、ひとりで抱え込むと、つらいんだよな
誰かを加害者に決めつけるなら、誰かがその役割を押し付けられるのなら、そんなものは助けでもなんでもない
人が傷つく速度には、芸術も政治もなにもかも追いつかない
つらいのは、痛みでもなく、それに絡む恥でもなく、傷をあたえたと認められないことだ、と思った
地獄の本質は続くこと、そのものだ。終わらないもの。繰り返されるもの
生きているということは、死ななかった結果でしかない
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。