どうも、こんばんは。
歴史に名を刻みたい宴です。
今回は宇佐美 まことさんの『ドラゴンズ・タン』を読みましたので紹介していきます。
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ホラーサスペンスを読みたい!
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歴史ものが好き!
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壮大な物語を読みたい!
という方々にぴったりな作品となっています。
最後までお付き合いよろしくお願いします!
ドラゴンズ・タン / 宇佐美 まこと
人類の歴史の裏で暗躍し、秘かに生き続ける“竜舌”。その正体に気づいたら最期…!古の中国で、ある男の野望と怨念から生まれた「竜舌」。古井戸に宿る奇異な生命体は漢、唐、明…と時代を経ながら歴史のはざまで姿を現しては暗躍し、人知れず不気味な存在へと変貌していく。因果は巡り“思い”を受け継いだ一組の男女が危機を察知するも、刻は満ち…。悠久の刻を超えて巡る“愛と禍”の因果を描く、ホラーサスペンス!(「BOOK」データベースより)
ほぼ800字書評
少し前の話ではありますが、『積丹ブルー』を見に行きました。
積丹ブルーというのは、新しい学校のリーダーズの楽曲『オトナブルー』やΛuciferの楽曲『堕天使BLUE』とは全く関係がなく、北海道の積丹半島か見える海のことです。
『積丹岬』や『神威岬』などから見下ろす海はとても青くて綺麗なのです。
ということで、積丹ブルー。
その眺めは壮大で圧巻。
自然の偉大さはもちろんのこと、自分のちっぽけさを痛感しましたし、感動しましたし、何だか頑張ろうと思えましたし、心のお洗濯をアリエールを使わずに行うことができました。
ああ、壮大なものって人を打ち震わす力があるんだ。
そこには理屈や根拠はないけれど、こんなにも心が震わせられるんだ。
そう強く思ったものです。
で、この度、運命的に出会ってしまった本作『ドラゴンズ・タン』から、僕はとても似たようなものを感じました。
なぜならば、本作はとても壮大だったからです。
心が震わされたからです。
はじまりは、はるか昔、中国、漢の時代。
『竜舌』という得体の知れない悪意が生まれました。
『竜舌』は、漢、唐、明と移り変わる時代で暗躍をし、そして、現代へと悪意を放ちます。
このままでは、『竜舌』に世界は滅ぼされてしまうかもしれませんが、ご安心ください。
いつの時代だろうと存在する『竜舌』と対をなす対抗策があるのです。
それは愛。
たとえ、時代が終わり寿命が尽きようとも、愛は転生を繰り返し受け継がれていくものなのです。
そう、簡単に『竜舌』の好きにはさせません。
一体、『竜舌』が放とうとしている悪意の正体とは何なのか?
愛は『竜舌』を止めることができるのか?
壮大な物語の決着をぜひともご覧いただければと思います。
各時代の背景、人々の暮らしなども描かれていて、大変興味深い一冊となっていますよ。
心に残った言葉・名言
この世にはずっと続く一本の正しい道があるのです。よく目を見開いて自分の前に拓けた道を見なければ。人は道に従って成すことを成せばよい
どうして国境なんかあるのかしら。どうしてどちらかでいないといけないのかしら。中国人も日本人も同じ東洋人なのに
お前は高さを怖がらない。落ちることを怖がらない。それでそこまで伸びたんだ。だが、いつかそれが命取りになる。恐怖心こそが自分を守るんだ
総合評価
今回は宇佐美 まことさんの『ドラゴンズ・タン』を紹介しました。
1957年、愛媛県生まれ。2007年、『るんびにの子供』でデビュー。2017年に『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞“長編及び連作短編集部門”を受賞。2020年、『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる(「BOOK」データベースより)
物語 | 8/10点 |
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登場人物 | 7/10点 |
世界観 | 10/10点 |
構成 | 8/10点 |
文章 | 7/10点 |
総評 | 40/50点 |
ぜひ読んでみてくださいね!
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。