どうも、こんばんは。
いつか自分の頭を修理に出したいと思っている宴です。
今回は今村 夏子さんの『とんこつQ&A』を読んだので、紹介していきます。
-
ラーメン屋さんで働きたい!
-
取り返しのつかない嘘をついたことがある!
-
素敵な夫婦になるのが夢!
という方々にぴったりな作品となっています。
最後までお付き合いよろしくお願いします!
とんこつQ&A / 今村 夏子
大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまではー(「とんこつQ&A」)。姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが…(「嘘の道」)。人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録。待望の最新作品集!(「BOOK」データベースより)
800字書評
みなさんは妄想をされていますか?
僕は妄想を常にセンサーのように張り巡らせていまして、目に見える全ての物事を妄想してやろうと意気込んでますし、妄想だけで暮らせたらどんなにいいことか、と考えながら日々を暮らしています。
いろんな意味で末期かもしれません。
で、とくに妄想をしてしまうのが小説のタイトル。
一体、このタイトルからはどんな物語が展開していくのだろう?
そんな風に毎回、僕は物語に入る前、タイトルの段階から小説を楽しんでいます。
もちろん、みなさんもされていますよね?
そして、今回手にしたのは今村夏子さんの『とんこつQ&A』という作品。
とんこつ…Q&A?
妄想癖の伝道師、僕でもなかなか想像しにくい意味深なタイトルです。
とんこつについてのQ&Aなのか?
それとも、とんこつラーメンについてのQ&Aなのか?
そもそも、とんこつのQ&Aって何?
とんこつに対して、そこまで疑問に思ったことはないけど?
僕の妄想力が衰えたのか、全然想像ができませんでした。
僕もまだまだのようです。
そして、入り込んだ『とんこつQ&A』の世界。
人間の弱さをユーモラスに、けれども、ちょびっとだけ残酷に描いた4篇が収録されていました。
その中でも表題作とんこつQ&Aは、一見めちゃくちゃなように見えて、とても惹きつけられる物語です。
シュールであり、ユーモラス。
普通が何なのかわからなくなるぐらい自然に突入するカオスに麻痺する普通。
けれども、その中には微かな共感と考えさせられるメッセージも閉じ込められていて、しっかりとした読み応え。
癖が強いんだけど、ついぐびぐびと飲んでしまうとんこつラーメンのように、一気に読めてしまいます。
脂っこいんだけど、すぐにまた食べたくなってしまいました。
それにしても、何でこんな唯一無二な物語が描けるのか。
とんこつQ&Aよりも、今村夏子さんQ&Aがほしい今日この頃です。
心に残った言葉・名言
Q15.メニューにとんこつラーメンがないのに、どうしてお店の名前は"とんこつ"なの?
総合評価
今回は今村 夏子さんの『とんこつQ&A』を紹介しました。
1980年、広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で第26回太宰治賞を受賞しデビュー。「こちらあみ子」と改題し、同作と新作中編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で2011年に第24回三島由紀夫賞を受賞。2017年『あひる』で第5回河合隼雄物語賞、『星の子』で第39回野間文芸新人賞、2019年「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞(「BOOK」データベースより)
物語 | 7/10点 |
---|---|
登場人物 | 8/10点 |
世界観 | 10/10点 |
構成 | 8/10点 |
文章 | 10/10点 |
総評 | 42/50点 |
ぜひ読んでみてくださいね!
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。