
どうも、こんばんは。
吸血鬼にちょっとした憧れを抱いている宴です。
今回は万城目 学さんの『あの子とQ』を読んだので、紹介していきます。
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おもしろい設定の小説を読みたい!
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変わり種の青春小説を読みたい!
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吸血鬼が好き!
という方にぴったりな作品となっていますので、最後までお付き合いよろしくお願いします。
あの子とQ / 万城目 学
見た目は普通の高校生、実は吸血鬼。嵐野弓子の試練と冒険の幕が開く!吸血鬼の一族である嵐野家。でも、現代の吸血鬼は人間社会に溶け込んでいて、人の血を吸うなんてもってのほか!嵐野家の一人娘・弓子は親友のヨッちゃんと楽しい高校生活を送っていたが、ある朝突然「Q」というトゲトゲのばけものが出現。弓子が17歳の誕生日を迎えるまでの10日間、人の血を吸わないか監視に来たと言うのだが…。「Q」の秘密、親友の恋の行方、そして大騒動の結末は!?(「BOOK」データベースより)

ほとんど800字書評
パプリカに目を奪われることはありませんか?
僕にはあります。
たとえば、ステーキ。
みなさんは知らないかもしれませんが、ステーキって本当に美味しくて、ジューシーで非の打ち所のない食べ物なんです。
でも…ふと横を見ると目に入る付け合わせのパプリカが…!
そのカラフルさに、なぜか目を奪われてしまう…
もうパプリカしか目に入らない…
そんな時が僕には度々あります。
みなさんはいかがでしょうか?
本作も同じように非の打ち所がありません。
吸血鬼というとんでも設定。
そして、ある日突然、主人公、弓子の前に現れた、まるでばけもののQ。
そこから繰り広げられる万城目学さん節全開の青春は、とある悲劇を起点として我々読み手の心を騒ぎ立て続けます。
1〜5章と終章で構成されていますが、もう全部が物語のピークのよう。
ずっと心の中でワクワクが活動されていて、休む暇がないみたいです。
ということで、本作はすっごいおもしろいんですけど、それより何より僕が言いたいことは『ヨッちゃん』という登場人物が素敵だということです。
まるでパプリカのように目を奪われる…いや、心を奪われて仕方がないのです。
ヨッちゃんとは誰なのか。
それは弓子の親友であり、愛すべきナイスキャラ。
いつもわちゃわちゃしていて、混乱の渦のすぐそばにいるようなお方です。
彼女のわちゃわちゃぶりは物語を時に掻き乱し、時にわけのわからない展開に走らせます。
本作のユーモアの部分の大半を担っているといってもいいでしょう。
妙な告白をしたり、変な被り物をしたり、いい意味で空気を読まなかったり…ああ、その先はちょっと本作を読んで感じてほしいと思います。
きっと本作を読んだ誰もが、彼女に夢中になるはずです。
愛すべきヨッちゃんを今後ともどうぞよろしくお願いします。
心に残った言葉・名言
人は簡単すぎるから、難しいほうの齋藤の齋を書いて飲む
死刑ってのはな、絶滅の心配がない種にだけ許される罰なんだよ
総合評価
今回は万城目 学さんの『あの子とQ』を紹介しました。
1976年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。2006年にボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー(「BOOK」データベースより)
物語 | 9/10点 |
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登場人物 | 10/10点 |
世界観 | 9/10点 |
構成 | 8/10点 |
文章 | 7/10点 |
総評 | 43/50点 |
ぜひ読んでみてくださいね!
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。
