
どうも、こんばんは。
いつか自分の頭を修理に出したいと思っている宴です。
今回は小林 泰三さんの『玩具修理者』を読んだので、紹介していきます。
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おどろおどろしいホラー小説を読みたい!
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修理したいものがある!
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心地よく混乱したい!
という方々にぴったりな作品となっています。
最後までお付き合いよろしくお願いします!
玩具修理者 / 小林 泰三
玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのかーその狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。(「BOOK」データベースより)

読書感想文
玩具修理者は怖い。
いきなり何なんだ、と思われるかもしれませんが、玩具修理者は怖いのです。
何度でも言いましょう、玩具修理者は怖い。
では、何が怖いのか。
それは一言につきます。
いいですか、よく聞いていてください。
得体がしれないからです。
今、こんな僕のしょうもない一言を聞いて、「え、それだけ?」と訝り、「そんなの聞くぐらいなら剛田武ソロコンサートを聞いた方がマシだ!」と怒り心頭の方もいらっしゃるかもしれまボエー。
まぁ、落ち着いて聞いてください。
えっとどこから説明すればいいのかな…?
じゃあ、まずは家電製品という便利な道具のことから説明させてください。
家電製品というのは、今や暮らしに必要不可欠な物です。
僕という人間の1.9兆倍は必要不可欠です。
いろんな家電製品があるのですが、たとえば、炊飯ジャー。
これがなければ、もはやご飯を炊くことはできません。
一説には、鍋で炊けるそうですが、何を言っているのか、ちょっとわかりません。
他にも、食品を保存しておく冷蔵庫。
冷めた食事を温める電子レンジ。
ポケットから便利グッズをだしてくれる青くて憎いアイツ。
とにかくいろんな家電製品があります。
それが何の因果か、前世の行いが悪かったのか、ある日突然壊れてしまったら…
浅い付き合いの奴もいますが、長年連れ添った、もはや友達も呼んでもいいような奴らなんです。
それが壊れてしまうとなると、自分の心まで壊れてしまいそうになりますよね。
そんなことより、かなり不便ですよね。
じゃあ修理に出そう。
安心安全のカスタマーセンターにお電話じゃあ。
そう、彼らカスタマーたちは安心安全なのです。
お金はかかるかもしれませんが、確実に正規の方法で修理されて、唯一無二のお友達は帰ってくることでしょう。
でも、玩具修理者は何をどうやって修理しているか謎なのです。
近くにいるので、お手軽感と地元感はありますが、得体がしれない。
たとえば、独楽とかラジコンカーを直してくれる。
それだけなら、近所の気のいいおじさんのイメージが浮かびますが、残念ながら玩具修理者はそうではないのです。
玩具修理者は、なんと猫をも直すという…
僕の世界線では猫は玩具ではないのですが、玩具修理者は直してしまう…
一体どうやって?
そう、ここが玩具修理者の怖いところなんです。
家電製品ならば、企業の技術により直してくれるのだろう、と思えますが、玩具修理者は何をどうやって直しているのかわからない!
得体がしれない!
ああ、怖い!
主人公の女の子は、ある日、絶対に壊してはいけないものを壊してしまいます。
そんな時、頭によぎったのが玩具修理者。
はたして、その壊れたらものは直るのか。
玩具修理者はどうやって物を直しているのか。
ジワジワくる恐怖と物語を、ぜひともご堪能ください。
もしも、その際に壊れてしまったとしても大丈夫。
玩具修理者が直してくれますから。
心に残った言葉・名言
てぃーきーらいらい。……これを、どう、する? どう、したい? ……てぃーきーらいらい
その時計には生命がなくて、人間には生命があるとどうして言いきれるの? 時計に生命があって、人間に生命がないかもしれないじゃないの
時間の流れは意識の流れだ。意識の流れをコントロールすれば、時間の流れもコントロールできる
総合評価
今回は小林 泰三さんの『玩具修理者』を紹介しました。
1962年、京都府生まれ。大阪大学基礎工学部卒業、同大学院修了。現在、大手家電メーカーに勤務。1995年、「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞(「BOOK」データベースより)
物語 | 9/10点 |
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登場人物 | 9/10点 |
世界観 | 10/10点 |
構成 | 7/10点 |
文章 | 7/10点 |
総評 | 42/50点 |
ぜひ読んでみてくださいね!
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。
