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阿津川 辰海/斜線堂 有紀『あなたへの挑戦状』 ネタバレなしの800字書評【感想 言葉】|水槽城とありふれた眠りと驚きの挑戦状

管理者:宴

どうも、こんばんは。

ラブレターは貰ったことがありませんが、挑戦状は貰いまくりの宴です。

 

 

今回は阿津川 辰海/斜線堂 有紀さんの『あなたへの挑戦状』を読みましたので紹介していきます。

 

  • 阿津川 辰海さんが好き!

  • 斜線堂 有紀さんが好き!

  • 変わった驚きを味わいたい!

 

という方々にぴったりな作品となっています。

最後までお付き合いよろしくお願いします!

 

 

 

あなたへの挑戦状 / 阿津川 辰海/斜線堂 有紀

あらすじ

『紅蓮館の殺人』『透明人間は密室に潜む』の阿津川辰海と、『楽園とは探偵の不在なり』『廃遊園地の殺人』の斜線堂有紀が「あなたへの挑戦状」というテーマで小説を書いて競い合う!加えて、競作過程を描いたネタバレ満載の「執筆日記」を収録。阿津川辰海「水槽城の殺人」-巨大な水槽のある円柱型の建物「水槽城」で怪死事件が発生。犯行当時、水槽で現場は隔離されていた。斜線堂有紀「ありふれた眠り」-犯人は犯行後、死体の横で一晩眠っていた。才能あふれる妹を持つ凡人の兄は、とある秘密を妹に話せずにいた。(「BOOK」データベースより)

管理者:宴
お2人の競作だなんて胸が躍っちゃいます!
 

 

ほぼ800字書評

 

ちょっとお恥ずかしいのですが…僕には好きな人がいます。

しかも、よくないことなのかもしれませんが2人いるんです。

どっちの方が好きなの? と問われても選ぶことなんて到底出来ません。

2人とも好きなんです。


とんでもない浮気野郎の言い訳みたいになりましたが、その2人のお名前は阿津川 辰海さんと斜線堂 有紀さん。

 

阿津川 辰海さんは、短編のミステリを書かせたら追随を許さないであろうと勝手に思っている作家さんです。

とくに『透明人間は密室に潜む』という作品は、短編ミステリのおもしろさをこれでもか! と詰め込んだ一冊でおすすめ。

機会があれば、ぜひ読んでいただきたい至高の一冊です。

 

そして、斜線堂 有紀さんは『廃遊園地の殺人』という作品で、しっかりとした本格ミステリを描きながらも、『愛じゃないならこれは何』という、まるで「人間の心ってミステリだよね」と言わんばかりの恋愛小説集を世に解き放った色彩豊かな作家さんです。

 

その2人が、なんとこの度、競作をすることに…!

それが本作『あなたへの挑戦状』

僕は天にも昇る気持ちになりました。

 

逸る気持ちを抑えながらも、ワクワクしながらページを開いてみると、あらびっくり、そこには挑戦状が…!?

 

そこには『256ページまで読んでから、開封してください』と書かれていました。

そして、256ページ後、我々は気づかされます。

2人に翻弄されていたのだ、と。


『あなたへの挑戦状』

…なるほどね。

そう、唸ることは間違いありません。

 

本作には、阿津川 辰海さんと斜線堂 有紀さんの作品が1作ずつ収録されていますが、どちらの作品も読み応え抜群で、長編に引けを取らない、とんでもなくおもしろいミステリーです。

 

一冊でここまで濃厚なミステリーを2作も読める、しかも、最後には大満足の驚きが隠されている。

こんなお得な挑戦状を受け取ることができるなんて…

 

僕は幸せです。

 

心に残った言葉・名言

 

客観性が更新されなくなった関係は、過去のものになり忘れ去られていく

 

千百合はキャンバスのことも額縁のことも絵画のことも纏めて『絵』と呼ぶ人間だった。語彙の暴君である

 

やっぱり朝方は魔の時間なのよね。男女が揉めるとなったらその時間なんだから

 

総合評価

今回は阿津川 辰海さんと斜線堂 有紀さんの『あなたへの挑戦状』を紹介しました。

斜線堂有紀(シャセンドウユウキ)

上智大学卒。2016年「キネマ探偵カレイドミステリー」で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。『私が大好きな小説家を殺すまで』(メディアワークス文庫)など話題作を続々発表し、2020年『楽園とは探偵の不在なり』(早川書房)でミステリランキングに続々ランクイン(「BOOK」データベースより)

阿津川辰海(アツカワタツミ)

1994年東京都生まれ。東京大学卒。2017年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」により『名探偵は嘘をつかない』(光文社)でデビュー。以後、『紅蓮館の殺人』『蒼海館の殺人』(ともに講談社タイガ)をはじめ、5年連続でミステリランキングの上位を席巻(「BOOK」データベースより)

物語 /10点
登場人物 /10点
世界観 /10点
構成 /10点
文章 /10点
総評 39/50点

 

ぜひ読んでみてくださいね!

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております!
 

 


 


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