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知念 実希人『真夜中のマリオネット』 ネタバレなしの800字書評【感想 言葉】|操られた哀れな人形か、周囲を操る冷酷な人形遣いか

管理者:宴

どうも、こんばんは。

どうせなら操られていたい宴です。

 

 

今回は知念 実希人さんの『真夜中のマリオネット』を読みましたので紹介していきます。

 

  • シリアルキラーが好き!

  • 操られたい!

  • ドン! というよりも、ジワジワ… と驚きたい!

 

という方々にぴったりな作品となっています。

最後までお付き合いよろしくお願いします!

 

 

 

真夜中のマリオネット / 知念 実希人

あらすじ

殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼ー通称「真夜中の解体魔」。婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。無事、命を救うことができたが、手術室を出た秋穂に刑事が告げる。「彼は、『真夜中の解体魔』だ」とー。涼介に復讐しようとする秋穂に、涼介は涙を流しながら訴える。「僕は罠にかけられただけなんです」とー。無実に思える証拠を見せられた秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが…涼介は真犯人に操られた哀れな人形なのか、それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。衝撃のクライマックスに、きっとあなたは絶叫する。(「BOOK」データベースより)

管理者:宴
真夜中の解体魔…許すまじ!
 

 

ほぼ800字書評

 

人を不安で不安で夜も眠れなくするもの、『疑惑』。

 

一度、浮上した疑惑はかき消そうとしても簡単には消えてくれず、心の中でジワジワと燻り続けます。

疑惑と言うのは不安だけではなく、同じくらい興味を惹かれてしまうものでもあるのです。

 

そして、今、ここにとんでもない疑惑の持ち主が存在しています。

その名も『真夜中の解体魔』。

 

真夜中の解体魔は、毎夜毎夜人の迷惑にならないように、そっと解体することに長けている素敵な人物ではありません。

そうではなくて、その逆で、とても野蛮で最悪な存在。

世間を騒がせている、未だ正体が確認できないシリアルキラーなのです。

 

なんと、その疑惑の存在が、主人公、秋穂の勤めている病院に急患としてやってきました。

何の因果なのか、彼女にとって、真夜中の解体魔は憎しみの的だったのです。

なぜなら、彼女の大切だった人は真夜中の解体魔に殺されていたのですから。

 

想像してみてください。

もしも大切な人が殺されて、その犯人が手の届くような場所にいたとしたら。

復讐の絶好の機会だとしら。

そりゃ、復讐しますよね。

 

ところが、疑惑の美少年は、真夜中の解体魔であることを否定。

で、何やかんや2人で真犯人を追うことになります。

 

けれども、この美少年が本当に思わせぶり。

信じる寸前のところで、疑惑が深まったり、どっちなの!? と読み手に言わせてしまうような、まさに魔性の男。

 

しかも、最後の最後まで、その魔性はブレることがありません。

何度も、いやぁ、この人なんなのもう! とヤキモキしてしまいました。

きっと秋穂も同じ気持ちだったのかもしれませんね。

 

そして、何と言ってもラスト。

言葉では言い表せないゾワゾワした衝撃に襲われます。

 

マリオネットは一体誰だったのか?

それはなんと、我々読み手だったのです。

 

真夜中の解体魔には、いや、知念 実希人さんにはまんまとやられてしまいました。

 

心に残った言葉・名言

 

魂が腐り落ちそうなほどに絶望した人間は綺麗じゃないですか。……この世のなによりも綺麗

 

総合評価

今回は知念 実希人さんの『真夜中のマリオネット』を紹介しました。

知念実希人(チネンミキト)

1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第四回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を「レゾン・デートル」で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。14年に始まる「天久鷹央」シリーズが人気を博す。15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに(「BOOK」データベースより)

物語 /10点
登場人物 /10点
世界観 /10点
構成 /10点
文章 /10点
総評 39/50点

 

ぜひ読んでみてくださいね!

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております!
 

 


 


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