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【読書感想文】真梨 幸子『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』 あらすじと感想と心に響いた言葉|殺害されたホームレスの秘密

管理者:宴

どうも、こんばんは。

さっちゃんに夢中な宴です。

 

 

真梨 幸子さんのイヤミスが、僕は大好きです。

で、この度、もうタイトルの時点でおもしろ臭が漂っている作品がありましたので、読んでみました。

 

ということで…今回は! 真梨 幸子さんの『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』を紹介します。

タイトル通り、『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』に迫るイヤミスとなっています。

 

  • イヤミスが好き!

  • バブル世代だ!

  • さっちゃんと呼ばれていた!

 

という方々におすすめな作品となっています。

どうぞ、最後までお付き合いよろしくお願い致します。

 

 

 

さっちゃんは、なぜ死んだのか? / 真梨 幸子

あらすじ

公園で、ホームレスの女性が殺害された。犯人も殺された理由も、不明。仕事も人生もうまくいかず、ひとり寂しく暮らす女性が、その事件に感じた「縁」。人から人へ、糸をたどり、少しずつ「真実」へ近づいていく。まるで被害者に、導かれるように。だがー。気づいたときには、もう遅い。仕掛けられた「罠」に、あなたはすでに呑み込まれている!#さっちゃんはあなただったかもしれない。(「BOOK」データベースより)

管理者:宴
僕もさっちゃん…!? 

 

殺害されたホームレス

 

人には必ず人生があります。

自分とは関係のない人だとしても、そこには何かしらの理由や物語が潜んでいるものです。

 

公園で殺害されたホーレスの女性。

かわいそう、怖い…肉親でない限りは、そんな感想が頭に浮かび、そして、いつしか忘れてしまう事件です。

近場でおきた事件だとしても、たまに思い出す程度で、また泡となって消えていく記憶になることでしょう。

 

けれど、ホームレスの女性にも人生があります。

もちろん犯人にも、彼女に関わった人たちにも。

 

彼女はなぜホームレスになったのか?

なぜ殺されたのか?

 

それを解き明かしていくのは、奇妙な縁でした。

 

 ここに注目!

殺害されたホームレスの女性。

彼女は一体どんな人物なのでしょうか?

そして、犯人は誰?

 

『縁』に導かれて

 

『縁』というのは不思議なものです。

自分に関係がなくても、何かの拍子に縁を感じてしまえば、あら不思議。

繋がってしまうものなのです。

 

とある女性がいました。

彼女は人生の困窮者で、何もかもがうまくいかない状況。

そんな時に、とあるニュースが飛び込んできました。

 

ホームレスの女性が殺された。

 

彼女とホームレスの女性は、顔見知りではあるものの、友達でもないですし、肉親でもありません。

とくに関わる必要はなかったのです。

 

ところが、『縁』は彼女を逃しませんでした。

いくつもの『縁』が重なり、彼女はホームレスの女性の人生に踏み入ります。

 

『縁』に導かれたのは、彼女だけではありません。

複数の人物による『縁』の先にあるのは、驚くべき真実の重ね塗りでした。

 

 ここに注目!

複数の語り手により、暴かれていくホームレスの女性の人生。

導いているのは『縁』か?

それとも、ホームレスの女性自身?

 

仕掛けられた罠

 

物語には何かしらの目的があります。

そうでないと、何も始まらず、もうそれは日記ではないか状態に陥ります。

 

本作の目的はたったひとつ。

さっちゃんはなぜ死んだのか? の解明です。

 

衝撃的なタイトルにもなっている、この疑問文。

これこそが真梨幸子さんの仕掛けた罠だったのです…!

 

 ここに注目!

さっちゃんはなぜ殺されたのか? それは…

#さっちゃんはあなただったかもしれない

 

感想文

 

さっちゃんのことが気になる!

謎が多い人物って気になりますよね。

ということで、僕が本作で気になるのは、やはりさっちゃん。

 

彼女はどんな人生を歩み、そして、なぜ死んだのか。

複数の語り手から溢れるさっちゃんの断片は、さっちゃんという人物像を、時には切なく、時には悲しく、時には愛おしくさせてくれます。

 

さっちゃんの謎が解き明かされた今も、僕はさっちゃんが気になっています。

さっちゃんはなぜ死ななければならなかったのか。

それを思うと、胸が苦しくなって仕方がありません。

ぜひ一緒に苦しくなりましょう。

 

さっちゃんは、僕…?

さっちゃんはあなただったのかもしれない。

 

作中で、そのようなワードが出てきますが、最後まで読んで納得。

本作で、彼女の人生の欠片をマジマジと見てきましたが、僕かも知れない…と思うことがしばしばありました。

 

もちろん同じような経験をしてきたわけではありませんが、同じような不幸や状況に共感を抱いたのです。

 

明日は我が身。

どうなるかわからない社会や時代の中で、さっちゃんのようになることもあるのかも知れない、とちょっとだけ身震いをしました。

みなさんも気をつけましょうね。

 

時代はバブル。

どんな良い時期でも、すぐに泡となって消えてしまうかもしれないのですから。

 

さっちゃんはなぜ死んだのか?

さっちゃんは既に序盤から亡くなっていまして、僕は大変悲しい想いに駆られました。

さっちゃんを知れば知るほどに、その悲しみは強まりましたが、同時に疑問も深まりました。

 

もちろんその疑問は、さっちゃんはなぜ死んだのか。

死んだ理由、または犯人も気になるのですが、僕が気になったのは、その根幹。

 

それは最後にわかるのですが、衝撃です。

真梨幸子さんの作品を読みすぎて、大分驚きは麻痺してきましたが、なるほど、と舌を巻きました。

 

心に残った言葉・名言

 

「痩せました?」は、魔法の言葉だ。この言葉ひとつで、大概の女性は緊張をほぐし、満面の笑みになる

※ただし人を見て使用しましょう。明らかに痩せていない人に使うと...大惨事!

 

私たちにとって、地球そのものが"ホーム"つまり、"家"なのです。ですから、この地球に住んでいる限り、"ホームレス"、つまり"家がない"という人はいないのです

※斬新な発想です! 賃貸でしょうか? それとも分譲?

 

嘘は、一概に悪いと言い切れない。嘘で救われる人もいる

※わかりました。では、たくさんの人を救うため、僕はこれまで通り嘘をつき続けますね!

 

過去と未来を思うのは、人間だけだ。動物には基本、今しかない

※過去も未来も大切なことですが、今をないがしろにしないようにしたいですね。

 

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総合評価

今回は真梨 幸子さんの『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』を紹介しました。

真梨幸子(マリユキコ)

1964年宮崎県生まれ。2005年『孤中症』で第三十二回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーに。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる(「BOOK」データベースより)

 

総合評価: /10点満点中

 

イヤミス好きの心をくすぐる一冊です。

ぜひ読んでみてくださいね!

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております!
 

 


 


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