ご覧いただきありがとうございます。
ところで、こんなことを思う時はありませんか?
どうも。
切なさと温かさとうすら寒さで出来ている管理者の宴です。
今回は、とても切なくて暖かいエッセイがありますので、紹介させていただきます。
ごゆるりとお楽しみください。
無人島のふたり / 山本 文緒
ある日突然がんと診断され、夫とふたり、無人島に流されてしまったかのような日々が始まった。お別れの言葉は、言っても言っても言い足りないー。余命宣告を受け、それでも書くことを手放さなかった作家が、最期まで綴った日記。(「BOOK」データベースより)
最後に書かれた作品
もしも余命を宣告されてしまったならば…!
僕はきっと何もしないことでしょう。
だって何をしても未来につながることはないのですから。
でも、山本文緒さんはそうではありませんでした。
文章を書きました。
本作は作家・山本文緒さんが書いた最後の作品です。
すい臓がんと診断されてから書きはじめた日記になります。
そこにはがんの怖さ。
命が尽きようとしている人の強さと哀しさ。
そして、温かさがありました。
最後の最後まで作家であろうとした山本文緒さん。
もう新作を読めなくなってしまうのは非常に残念ですが…
山本文緒さん、お疲れさまでした。
機会があれば天国出版から新作が発表されることを楽しみに待っています。
素敵な関係
人と人の関係はとても難しいものです。
それが親族だとしても、友達だとしても、同僚だとしても。
ベストな関係を築くのは一苦労ですし、なれるとも限りません。
だから、山本文緒さんと旦那さんの関係は羨ましい限りです。
本作には、旦那さんとの出会いや2人の過去の詳しいエピソードはほとんどありません。
なのに、めちゃくちゃ愛で溢れています。
互いが互いを心から大切にしているんだと感じさせられます。
日常の些細な出来事や、互いへの気遣い。
そういう何気ないことから、2人は本当にベストな関係なんだな、と羨ましくさえなります。
山本文緒さんの最後に一緒にいる人が旦那さんで良かったと思います。
旦那さんも、お疲れさまでした。
本作がおすすめな人
本作がおすすめなのはこんな方々です。
山本文緒さんの作品を見たことがある人
山本文緒さんといえば、ドラマ化された『恋愛中毒』『あなたには帰る家がある』や直木賞受賞作『プラナリア』など、有名な作品が多々あります。
山本文緒さんを知らない人でも、ひとつぐらいは知っている作品があるのではないでしょうか?
少しでも気になった人は、ぜひ本作を読んでほしいです。
山本文緒さんという作家を心に残していただきたいと思います。
山本文緒さんの作品が好きな人
作品は好きだけど、作家自体には興味がわかない勢が一定多数いらっしゃいます。
いやいやいや! 考えを改めてください!
山本文緒さんは本当に素敵な人なんです。
周りの人たちを見ていると(あくまで文章だけの雰囲気ですが)わかります!
とにかく読んでください!
あ、すいません、取り乱しました。
闘病日記を読みたい人
心に残った言葉・名言
うまく死ねますように。
未来はなくとも本も漫画も面白い。とても不思議だ。
思い出は売るほどあり、悔いはない。悔いはないのにもう十分だと言えないのが、人間は矛盾してるなと思う。
人が私のために泣いてくれると、その人の中に私が生きている気がしてじーんとする。
総合評価
今回は山本 文緒さんの『無人島のふたり』を紹介しました。
1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞を受賞。20年刊行の『自転しながら公転する』で21年に島清恋愛文学賞、中央公論文芸賞を受賞した。2021年10月13日、膵臓がんのため58歳で逝去(「BOOK」データベースより)
個性 | 8/10点 |
---|---|
エピソード | 10/10点 |
共感 | 9/10点 |
為になる | 8/10点 |
文章 | 10/10点 |
総評 | 45/50点 |
ぜひ読んでみてくださいね!
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。