ご覧いただきありがとうございます。
どうも、宴です。
今回はそんな物語を紹介させていただきます。
どうぞごゆるりとお楽しみください。
タクジョ! / 小野寺 史宜
運転が好き、ひとも好き。タクジョ・夏子、今日も快走!高間夏子は四大卒の新人タクシードライバー。女性客が安心してタクシーに乗れるよう、自分が運転手になると決めてこの道に進んだ。女性運転手の比率はわずか3%。無賃乗車や強盗など不安要素も尽きないが、個性あふれる先輩や同期に励まされ、家族に支えられて、夏子は誠心誠意、仕事に恋に(!?)立ち向かう。温かくて爽快な青春お仕事小説の傑作!(「BOOK」データベースより)
タクシードライバーの世界
小説はいつも僕に知らない世界を見せてくれます。
それがありがたいのなんの。
今回、新たに見せてくれた世界はタクシードライバーです。
僕はタクシーに乗ることはよくありますが、思えばタクシーのことを何も知りません。
タクシーは朝から深夜まで稼働しているけれど、シフトはどうなっているのか。
給料形態はどうなっているのか。
などなど。
そんな疑問の数々。
タクシー業界の知られざる内情やシステムが本作で明かされます。
知れば知るほど興味深いことばかりでした。
本作を多くの子どもに読ませれば、将来なりたい職業ランキングで、YouTubeを抑えて堂々の1位もあり得るかもしれません。
しかも、タクシードライバーは歳をとっても長く働ける安定した仕事です。
老若男女、誰でもタクシードライバーになれる可能性があるのです。
今まで選択肢にもありませんでしたが、タクシードライバー…
いい仕事ですよ!
それ行け、タクシー女子
タクシードライバーは男性。
そんな固定概念をお持ちではありませんか?
お持ちでしたら、今すぐ捨ててください。
タクシードライバーには女性もいるのです。
本作タクジョはタクシードライバー女子、夏子の物語です。
不規則になりがちな生活や女性だからこその危険性など、問題は多々あるものの、彼女はタクシードライバーとして精一杯、業務に励みます。
その姿には、タクシードライバーという職業の見る目をガラリと変えられました。
タクシードライバー女子、略してタクジョ。
とんでもなくカッコいいです!
たくさんの、いい、人たち
本作には、たくさんの人が出てきます。
様々な事情や決意をもって、タクシードライバーになった人たち。
女性がタクシードライバーをする危険性を心配する人たち。
そして、いろんなものを抱えたお客さんたち。
とくにお客さんに関しては、ちょっと怖いなぁ、と思ってしまいました。
何しろタクシーは密室なわけで、何をしてくるかわかりませんからね。
でも、やっぱり人っていいもんです。
小野寺さんが描くと、さらにいい。
良い、ではなく、いい。
本作は、そんな、いい、と思えるたくさんの人たちに出会えます。
ぜひたくさんのいい人たちと出会ってみてください。
本作がおすすめな人
本作がおすすめなのはこんな方々です。
タクシーに興味がある人
就職や転職で悩んでいる人
どんな仕事に就けばいいかわからない…
転職しようと思うけれど、いい仕事はないだろうか…
そんな方々に朗報です。
ここだけの話なんですけど、タクシードライバーって素晴らしいんです。
ちょっとだけでも、タクシードライバーの世界、覗いていきませんか?
人が好きな人
本作はタクシードライバーの物語です。
が、同時に人の物語でもあります。
人が好きでしょうがない。
たくさんのいろんな人に出会いたい。
それならば、本作がぴったりです。
心に残った言葉・名言
わたしは隔日の女
走れるのは一日三百六十五キロまで、と決められてもいる。これはドライバーの負担を考慮してのもの。長距離長時間の運転は危険、との判断からそうなってるのだ
やめるだろ。どんな会社だって、やめるやつはやめる。誰もやめない会社なんてねえよ
総合評価
今回は小野寺 史宜さんの『タクジョ!』を紹介しました。
1968年、千葉県生まれ。2006年、「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞。08年、ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作『ROCKER』(ポプラ社)で単行本デビュー。『ひと』(祥伝社)が2019年本屋大賞第2位に選ばれる(「BOOK」データベースより)
物語 | 7/10点 |
---|---|
登場人物 | 8/10点 |
世界観 | 8/10点 |
構成 |
6/10点 |
文章 | 7/10点 |
総評 | 36/50点 |
ぜひ読んでみてくださいね!
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。