PON!と宴





君嶋 彼方『夜がうたた寝してる間に』 ネタバレなしの本紹介【書評 感想 言葉】|他人と違うことの苦悩と葛藤! 能力者たちの物語

ご覧いただきありがとうございます。

ところで、こんなことを思う時はありませんか?

管理者:宴
能力をもつということは!? 他人と違うことは!? しんどい!!
 

どうも!

『能力を手に入れたら』という妄想で1週間は生きられる管理者の宴です。

 

今回は、特殊能力者たちの苦悩や葛藤を描いた物語がありましたので、紹介させていただきます。

どうぞ、ごゆるりとお楽しみください。

 

 

 

夜がうたた寝してる間に / 君嶋 彼方

あらすじ

他人と違っても、俺ならうまくやっていけると思っていた。-あの事件が起きるまでは。余計な“力”を持ったせいで、こんなにも一人ぼっちだ。必死でみっともなく生きるすべての人の背中を押す青春小説。(「BOOK」データベースより)

管理者:宴
ということで、今回は君嶋 彼方さんの『夜がうたた寝してる間に』を紹介します。
 

 

能力者たちの苦しみ

誰でも一度ぐらいは、いや、2、3度、いや、5万度ぐらいはあるのではないでしょうか。

 

こんな能力が欲しい。

この能力を持っていたら、こんなことがしたい。

自分だったらこう使う。

 

夢のような話ですが、想像するだけでも何だかワクワクしてしまいますよね。

 

ですが、実際問題。

能力を持つということは、ワクワクすることばかりではありません。

むしろ逆。

 

他人と違うということがどれほどに辛くて苦しくてしんどいことなのか。

本作はなりたくてなったわけでもない能力者たちの苦悩と葛藤が描かれます。

 

胸が張り裂けそうになる能力者たちの叫び。

痛烈なその叫びをどうぞお聞きください。

 

不思議な事件

で、みなさん気になるのは能力者たちの能力だと思いますが、ここではネタバレをしません。

ただ、まぁ、エンタメ作品ではよく出てくる能力です。

 

本作に登場する能力者は3人。

本当はもう1人いて、4人なのですが、主メンバーは3人です。

 

それぞれ違う能力で、それぞれ違う歪み方と苦悩を持っていて、それぞれの生き方で日常を過ごしていました。

 

ところが、3人の運命と関係を変えてしまう出来事が起きてしまうんです。

それは何とも不思議な事件。

 

なぜそんなことが起きたのか?

目的は何なのか?

 

そして、犯人は能力者なのか?

 

揺らぐ物語の果てには、衝撃的な結末が待ち受けていました。

これはうたた寝している場合ではありません。

 

歪みこそ人生

歪むものの代表格といえば、部屋の床と人生ですよね。

そう、残念ながら、人生は時に歪んでしまうのです。

 

本作には、そういういくつもの歪みが描かれています。

 

他人には決してわからないであろう歪み。

そのはじまりは他人と違うことであったり、自分のせいで辛い目に遭う人がいたり、様々。

 

絡み合う歪みは物語を最高に盛り上げていきます。

 

たどり着いたクライマックスは涙なしでは見ることができません。

覚悟しておいてくださいね。

 

本作がおすすめな人

本作がおすすめなのはこんな方々です。

 

能力系の物語が好きな人

能力者が出ているのであれば何でも見ます。

ドラマでも映画でも漫画でも、小説でも! という方に本作はおすすめです。

バトル要素は一切ありませんが、その分他の能力者系エンタメ作品とはひと味違ったおもしろさがあります。

ぜひともご賞味ください。

 

変わった青春小説が読みたい人

本作はまごうことなき青春小説です。

能力ありきの世界での若者たちの苦悩や葛藤。

あまり類を見ない青春が描かれていますので、ありとあらゆる青春小説を網羅された方にもお楽しみいただけます。

 

他人と違うと感じている人

何で自分だけ…
自分がみんなと同じだったらこんなに苦労しなかったのに…
本作にはそういう苦しみが描かれています。
能力という点をのぞけば、きっと共感の嵐。
そして、大事なことに気づくことができるはずです。
 

心に残った言葉・名言

 

四角い窓に、夜を眠らせて閉じ込めた

 

みんな思っていること全てを伝えられないから、どうにかして言葉にしようとしてくるわけでしょ。だったら、それだけを信じてみたっていいって思えるようになったの。その言葉って、きっと色んな思いを絡めて口にしてくれた一言なんだろうから

 

同情に責任を持つ人などいない。つらいと泣き叫べば、優しい手を差し伸べてくれる人も時にはいるだろう。でもそれだけだ。それ以上のことはしてはくれない

 

誰かのために無理できるってことは、すごいことだと思うよ

 

総合評価

今回は君嶋 彼方さんの『夜がうたた寝してる間に』を紹介しました。

君嶋彼方(キミジマカナタ)

1989年生まれ。東京都出身。「水平線は回転する」で2021年、第12回小説野性時代新人賞を受賞。同作を改題した『君の顔では泣けない』でデビュー(「BOOK」データベースより)

物語 /10点
登場人物 /10点
世界観 /10点
構成 /10点
文章 /10点
総評 37/50点

 

ぜひ読んでみてくださいね!

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております!
 

 


 


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