どうも、こんばんは。
西加奈子さんの小説に出てくる関西弁がたまらない宴です。
西加奈子さんとは、1977年5月7日生まれの小説家です。2004年に『あおい』にてデビューしました。代表作は『さくら』(2005年)、『通天閣』(2007年)、『ふくわらい』(2013年)など。
ということで、今回は西 加奈子さんの読んでおくべき傑作 6選をお届けします。
-
西 加奈子さんが好き!
-
西 加奈子さんのおすすめ作品を知りたい!
- 厳選したおすすめ本を読みたい!
という方々にぴったりな内容となっています。
最後までお付き合いよろしくお願いします!
西 加奈子さんについて少々
受賞歴
2006年、『さくら』が第3回本屋大賞10位。
2007年、『通天閣』で第24回織田作之助賞大賞受賞。
2011年、第29回咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。
2013年、『ふくわらい』で第148回直木賞候補、第10回本屋大賞5位、第1回河合隼雄物語賞受賞。
2015年、『サラバ!』で第152回直木賞を受賞、第12回本屋大賞2位。
2015年、VOGUE JAPAN Women of the Year 2015 受賞。
2016年、Granta Best of Young Japanese Novelists 2016 選出。
2017年、『i』が第14回本屋大賞7位。
2022年、『夜が明ける』が第19回本屋大賞6位。
オフィシャルサイト
参考リンク
- 西 加奈子「舞台」特設サイト|講談社文庫
- ゲスト/西 加奈子さん◇書店員が気になった本!の著者と本のテーマについて語りまくって日々のモヤモヤを解きほぐしながらこれからの生き方と社会について考える対談◇第11回 | 小説丸
- 作家の読書道:第53回 西 加奈子
- 西加奈子さんインタビュー | BOOK SHORTS
『西 加奈子』さんの読んでおくべき傑作 6選
お待たせしました。
厳選に厳選を重ねた『『西 加奈子』さんの読んでおくべき傑作 6選』を紹介していきます。
それでは、どうぞ。
さくら
ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。母は肥満化し、酒に溺れた。僕も実家を離れ、東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾にピンク色の花びらをつけていたことから「サクラ」と名付けられた十二歳の老犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏に薄い鉛筆文字で書かれた家出した父からの手紙が握られていたー。二十六万部突破のロングセラー、待望の文庫化。(「BOOK」データベースより)
▶ ちょっと一言
家族って温かくて幸せなもの。
けれども、その分壊れやすいものでもあります。
そんな家族を西加奈子さんは、確かな温度感で描き出します。
何かあった後の家族の空虚感、幸せの絶頂、そして、崩壊。
家族って怖いなぁ、と思うし、素敵だなとも思ってしまう…すごく考えさせられる傑作です。
愛犬のサクラにもご注目ください。
きいろいゾウ
夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだったー。(「BOOK」データベースより)
▶ ちょっと一言
とある夫婦のほっこり田舎ライフは、素敵で緩やかなリズムを我々読み手に残します。
ああ、いいな、田舎って…と思っていたら、物語は次第に不穏な影に覆われて…?
意外な物語の展開と跳ねるような文章、そして、きいろいゾウ。
絶妙に入り混じる世界観に心が揺り動かされます。
ムコさんとツマさんの運命は如何に…!?
漁港の肉子ちゃん
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るいーキクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。(「BOOK」データベースより)
▶ ちょっと一言
肉子ちゃんはとても褒められた人間ではありません。
近くにこんな人がいたら、目を背けてしまうかもしれません。
けれども、辛い時、苦しい時、肉子ちゃんがいてくれれば…
きっとみんな幸せな気持ちになれる!
読了後は必ずそう思えるはずです。
あまりにも大きな愛に泣いて笑える一冊です。
サラバ!
僕はこの世界に左足から登場したー。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。(「BOOK」データベースより)
▶ ちょっと一言
壮大ともいえる主人公、圷歩の人生譚はいろんなことを思わせてくれます。
まずはピラミッドに登りたい!
これぞ現代に残されたアドベンチャーワールドであり、冒険の匂い。
僕は絶対にいつかピラミッドに登る! と誓いました。
そして、何より自分が信じるものについて、考えさせられます。
ちょいと長めの物語ですが、本当に読んでよかったと思える傑作です。
おまじない
「あなたは悪くないんです。」(「燃やす」)「私たちは、この世界で役割を与えられた係なんだ。」(「孫係」)「弱いことってそんないけないんですか?」(「マタニティ」)-さまざまな人生の転機に、まじめさゆえに孤独に思い悩んでしまう女性たちの背中をそっと押して、新しい世界に踏み出す勇気をくれる魔法のひとこと。珠玉の八編、ついに文庫化!巻末に長濱ねるとの特別対談を収録。(「BOOK」データベースより)
▶ ちょっと一言
辛い時、苦しい時。
本作を読めば、そっと背中を押してくれます。
とくに『孫係』という物語にはハッとさせられました。
誰もがみな自分に与えられた係で生きている…
そう思えたら人生が少しだけ歩きやすくなりました。
困難な人生を歩むためのおまじないとして、本作はおすすめです。
夜が明ける
思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。(「BOOK」データベースより)
▶ ちょっと一言
最初に言っておきますと、本作は西加奈子作品の中でもかなり重め。
貧困、虐待、過重労働と、なかなか空けない夜にしんどくなるかもしれません。
けれども、現代社会の一員として、多くの人に読んでほしいと思える一冊です。
辛い日々の中で光る、男2人の不思議な友情と併せて、ぜひともご覧ください。
最後に
今回は西 加奈子さんの読んでおくべき傑作 6選を紹介しました。
西加奈子さんといえば、まるで生きているかのような文体。
独特のテンポと視点は読み手の心を鷲掴み、なかなか離してくれません。
その反面、重めの展開が多い印象ですが、それを乗り越えた先にある景色は格別。
ぜひとも、その景気をご覧いただければと思います。
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。