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本と宴へようこそ。
どうも、宴です。
人間は2種類に分類されます、「俺か俺以外か」。同じように女性も2種類に分類されるのです、「聖女か悪女」。みなさんの身近にいる女性は、はたして聖女なのでしょうか、悪女なのでしょうか。
ということで、今回は真梨幸子さんの『聖女か悪女』を紹介させていただきます。
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聖女か悪女/真梨幸子
結婚パーティーの最中、カリスマブロガーの月村珠里亜が倒れ、昏睡状態に。カウンセラーの麻乃紀和は、死んだ息子を陥れた珠里亜に復讐を果たすべく、彼女の身辺を調べ始める。そんな折、四谷の超高級マンションで発見された8体の惨殺死体。紀和が辿り着いたのは、六本木のマンションで8人の子供たちが監禁された“モンキャット事件”だったー(「BOOK」データベースより)
イヤミス | 8/10点 |
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ドキドキ | 7/10点 |
感動 | 3/10点 |
切なさ | 4/10点 |
読みやすさ | 7/10点 |
総評 | 7/10点 |
書評・感想文
どっちが好きなの?
伝説のアイドル松浦亜弥さんは言いました。キュートなの? セクシーなの? どっちが好きなの? と。いやいや、僕は聖女か悪女が好きです。どうも、宴です。
本作『聖女か悪女』は安定の真梨幸子さん節で、多彩な登場人物が次々と語り手に立候補し物語を盛り立てるミステリー小説です。
よくまぁ、これだけの人間たちが錯綜している迷路のような道をゴールに導いたなぁ、と真梨幸子さんには、畏敬の念を抱いて抱いてしかたがありません。
モヤモヤとドキドキのコラボ
タイトルの『聖女か悪女』。これは正義か悪か、もしくはいい人か悪い人か、とも言い換えられます。
いい人だと思っていたのに悪い奴なのかもしれない。悪い奴だと思っていたけどいい人なのかもしれない。
そういうモヤモヤとドキドキのコラボが心を躍らせてくれます。阿波踊りではなく、サンバ的な踊りで。
イヤミスの旗手
そして、最後にはやはり極上の嫌な気持ちを与えてくれていい気持ちになる。はぁ〜、たまらない。イヤミスの旗手の異名は伊達じゃないようです。
心に残った言葉・名言
「日本人は死者に甘いからね。どんな悪人だって、死んだら同情が集まる」
「悪が滅びるのを見て喜ぶのは、人間の本能のようなものです」
本来、"派遣"というのは、高級取りの代名詞だったんですよ。特別で専門的な技能を持ったプロフェッショナルしか"派遣"の対象にはなりませんでしたから。
「私、思うんです。"光"って、"闇"より恐ろしいって。"闇"は、人を隠してくれるけど、"光"は容赦なく、その人の存在を暴いてしまう。違いますか?」
「名刺というのはね、なんの価値もない人が持つ、粉飾の道具でしかないのよ」
そう、処刑とは、社会秩序を守るための見せしめであった一方、娯楽でもあったのです。かつては、処刑が行われるともなると、庶民は仕事もほっぽりだして、処刑場に集まったものです。処刑は極上のエンターテイメントだったのです。
真梨幸子さんの他作品
最後に
聖女な人、悪女な人、本当は意識高くないけれど、意識高めを演出しているブログを運営している人にはおすすめだから、ぜひ読んでみてね。
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。