本と宴





【ネタバレなし】生きる喜びと哀しみを描いた時代小説|西條奈加さん『心淋し川』 書評・感想文と心に残った言葉・名言

ご覧いただきありがとうございます。

本と宴へようこそ。

管理者:宴
ところで、『微妙な関係での「今度飲みに行こうよ!」という約束 』と『川』って…流れるよね!
 

どうも、宴です。

その川はとても淋しい場所にありました。でも、そこに住む人々からは生きていく力強さを感じます。そして、哀しみと喜びも。

 

ということで、今回は西條奈加さんの『心淋し川』をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

心淋し川/西條奈加

あらすじ

不美人な妾ばかりを囲う六兵衛。その一人、先行きに不安を覚えていたりきは、六兵衛が持ち込んだ張形に、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして…(「閨仏」)。飯屋を営む与吾蔵は、根津権現で小さな女の子の唄を耳にする。それは、かつて手酷く捨てた女が口にしていた珍しい唄だった。もしや己の子ではと声をかけるがー(「はじめましょ」)他、全六編。生きる喜びと哀しみが織りなす、渾身の時代小説。第164回直木賞受賞。(「BOOK」データベースより)

淋しさ /10点
ドキドキ /10点
感動 /10点
切なさ 10/10点
読みやすさ /10点
総評 /10点

 

書評・感想文

f:id:s-utage:20220407222221p:plain

極上の時代小説

時代小説というのは哀愁が鍵です。その時代特有の現代では味わえない哀愁。なぜその哀愁は生まれたのか。どうやって醸し出されるのか。

 

そんな哀愁が存分に漂う物語こそ極上の時代小説だと思うのです。

 

生きる輝き

本作『心淋し川』には、絶妙な哀愁が詰まっています。まず、舞台が『心町(うらまち)』という人生に行き詰まったような人たちが集う町なのです。この時点で哀愁が漂わないわけがありません。

 

それでも、心町でつまづきながらも懸命に生きる人々は輝いています。時代というのは無情なもので、人間に辛くあたりがちですが、それでも前へ進もうとする人々の姿はとても気高く、美しいです。

 

これが人間の生きる力の輝きなのだと実感します。

 

心満足

また、本作は短編集ではありますが、そうだったんかい! という驚きも隠されていました。それがまた哀愁に火をくべるのです。もくもくと哀愁が勢いを増していきます。哀愁ファイヤーですね。

 

「どうも、この哀愁こそが時代小説の醍醐味です」という哀愁を存分に堪能させていただいた『心淋し川』でした。これはもう、心淋し川というか心満足川です。

 

 

心に残った言葉・名言

「女が本気になるのは、惚れた男のためだけさ。手に入れようと思ったら、我が身を賭けるしかないんだよ」

管理者:宴
時代を感じます… 

 

「子供のためと口にする親ほど、存外、子供のことなぞ考えてないのかもしれないな」

管理者:宴
子どものためかどうか、本人に訊きました? 

 

虚に等しく、死に近いもの――その名を寂寥という。

管理者:宴
生きる屍状態… 

 

西條奈加さんの他作品

 

 

最後に

管理者:宴
今回は西條奈加さんの『心淋し川』を紹介してきました。
 

生きる喜びと哀しみに触れたい人、周りの住人が全員ワケありの人、家を与えて妾を囲っている人にはおすすめなので、ぜひ読んでみてね。

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております。