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【ネタバレなし】あの頃輝いてたかな?|唯川恵さん『サマー・バレンタイン』 書評・感想文と心に残った言葉・名言

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ご覧いただきありがとうございます。

本と宴へようこそ。

管理者:宴
ところで、『廃墟に行ってから何だか肩が重いと感じた時』と『サマー』って…おつかれだよね!
 

どうも、宴です。

なかなか疲れがとれない現代社会。ああ、あの頃はよかった。疲れ知らずだった…と学生時代を振り返っちゃうこともありますよね。そんなあなたにサマーバレンタインを送ります。

 

ということで、今回は唯川恵さんの『サマー・バレンタイン』をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

サマー・バレンタイン/唯川恵

あらすじ

二十四歳の志織は、高校時代思いを寄せていた夏彦と六年振りに再会し、変わっていない彼を眩しく思う。そしてあの頃を懐かしむ「大人」になってしまった自分に気づき、胸の痛みを感じた。久しぶりに再会した高校の仲間たちも、現実に傷つき、迷っていたー。青春の輝きを見失いかけた「大人たち」の焦燥と不安、そして新たな旅立ちを描く青春小説の傑作。(「BOOK」データベースより)

あの頃感 10/10点
ドキドキ /10点
感動 /10点
切なさ /10点
読みやすさ /10点
総評 /10点

 

書評・感想文

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輝いてました?

あの頃輝いてたかな?

 

僕が敬愛する、時代が時代なら彼女たちを教祖として崇め、信者たちに謎の緑の液体を渡しても構わないBISHのオーケストラという曲の一節です。そして、歌詞はこう続きます。

 

今になってはずっと分からないまま

 

眩しい過去

本作サマーバレンタインは昔々輝いていた学生時代と大人になり忙しくなってしまった現在に揺れる恋愛のような青春小説です。

 

どうやっても昔に戻れないことはわかっている。けれど、現在の自分を見つめてしまうと、ふと昔の栄光が昨日のことのように蘇ってしまう…皆様も、そんな経験ございませんでしょうか? 僕は星の数ほどあるので困っています。あの空に浮かぶデネブやベガは僕の過去なのです。

 

サマーバレンタインしかない

おもしろいのが、確かに主人公、詩織は学生時代を大切な時間としているのですが、そこには少しのわだかまりがありました。そのせいで、彼女は青春時代を完走することができなかったのです。この引っ掛かりが物語に素敵な風味をつけていきます。

 

風味を残しながらも、過去を振り返り、現在とも向かい合う詩織。恋のような、友情のような淡いようで苦しいもがきから脱出するには、もうサマーバレンタインしかないではないか。そう気づくのです。あの時渡せなかったアイラブユーが届いた時、詩織の青春は再び動き出きだします。いやぁ、眩しいこと。

 

意外な夏のバレンタインは大人のほろ苦さと、青春時代の切なさと甘酸っぱさが合わさり、心の中にほのかに広がっていきました。まるでチョコレートのようです。

 

 

心に残った言葉・名言

ヒマは悪い発想の原因なの。妙に暗いCDなんか聞いちゃって、私ってどうしてこんなに不幸なの、なんて悲劇のヒロインに酔ってしまうのよ。恋人をつくること、解決法はそれしかないわね

管理者:宴
悲劇のヒロインって楽しいですよね! 

 

そう、嫌いになったわけじゃない。けれどそれは、もしかしたら、好きだったわけじゃない、と同じことなのかもしれない。

管理者:宴
嫌いじゃないけど、生理的に無理。
 

 

キスはひとつの手形でもある。もっと深く知り合うための。気持ちを確かめ合うための。

管理者:宴
素敵な手形です。 

 

不幸はあるのよ。それは現実として存在してるの。でも幸福はないの。ないっていうのはね、つまり、幸福っていうのは現象じゃないってこと。どんなことでもいい、それを幸福だと感じられるかどうかで決まるの。

管理者:宴
感じたもんがち! 

 

「いいとか悪いとかじゃないんだ。自分の気持ちには逆らえない。いや、逆らっちゃいけないんだ」

管理者:宴
自分の気持ちをお大事に。 

 

唯川恵さんの他作品

 

 

最後に

管理者:宴
今回は唯川恵さんの『サマー・バレンタイン』を紹介してきました。
 

あの頃はよかったなぁ、とぼやいている人、忙しい日常におつかれの人、バレンタインチョコを渡し損ねていた人にはおすすめだから、ぜひ読んでみてね。

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております。