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【ネタバレなし】パリュスあや子さん『燃える息』 書評・感想文と心に残った言葉・名言|怖いけど癖になる依存の物語

ご覧いただきありがとうございます。

本と宴へようこそ。

管理者:宴
ところで、『朝起きたら、レレレのおじさんになっていた時』と『息』って…はくよね!
 

どうも、宴です。

自分の息のにおいって気になりますよね。でも、もっと気になるのは他人の息です。もしも他人から、火をつけたら燃えそうなにおいがしたのであれば…それは危険な香りです。

 

ということで、今回はパリュスあや子さんさんの『燃える息』をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

燃える息/パリュスあや子

あらすじ

“依存”ד五感”、彼は私を、彼女は僕を、止められない。現代人の約七割が、依存症!?盗り続けてしまう人、刺激臭が癖になる人、運動せずにはいられない人、鏡をよく見る人、緊張すると掻いてしまう人、スマホを手放せない人ー抜けられない、やめられない。小説現代長編新人賞受賞後第一作!人間の衝動を描いた新感覚の六篇。(「BOOK」データベースより)

依存度 10/10点
ドキドキ /10点
感動 /10点
切なさ /10点
読みやすさ /10点
総評 /10点

 

書評・感想文

依存に支配される

皆様、依存してらっしゃいますか? 僕はジャニーズやら読書やら依存対象が多すぎて、依存に改名しようかと思うぐらいです。でも、元々は普通の『好き』だったわけです。一体、どこから『依存』に変わってしまうのでしょうか。

 

本作『燃える息』は、依存をテーマにした短編集です。依存に落ちていく人間たちは、どことなく妖艶な狂気に満ちていて、一度ハマれば抜け出せなくなる依存のようなドキドキに心が支配されていきます。

 

得体の知れない快感

その中でも、表題作『燃える息』には、ギョッとしましたし、ゾッとさせられました。燃える息って何なのだろう? と謎だったのですが、読んでみてビックリです。

 

ああ! と主人公もそうだったのでしょうが、同じぐらい驚いてしまいました。そして、納得もいたしました。ああ、燃える息ってそういうことね、と。驚きと納得、そして、その後にじわじわと上ってくる怖さに得体の知れない快感を覚えます。

 

依存しそう

他の短編もそうなのですが、本作は言葉で表すことのできない感覚に包まれるかと思います。怖さや驚き、そして、少しの納得と理解。それらが入り混じったものは、心地よくもあり、触れたくないものでもある矛盾した…もう何を書いているのかわからないものなのです。

 

これがまた、小説のおもしろさの1つですね。きちんと文字で書かれているはずなのに、よくわからない気持ちにさせられる不思議。ああ、たまらないです。

 

そんなわけで、パリュスあや子さんに依存しそうです。助けてください。

 

 

心に残った言葉・名言

わかりやすいというのは良いことだ。安心できる。それがたとえ醜くて、がっかりさせられる姿でも。

管理者:宴
安心とがっかりのコラボレーション!
 

 

「それなら、出て行きなさい。顔を変えるっていうのは、親も自分も否定するってことだよ。もう、二度と戻るんじゃない」

管理者:宴
親への愛は変わらないのに… 

 

今、一人で全部決める必要ないよ。計画通りにする必要ないし、いろんな人に助けてもらえばいいじゃん

管理者:宴
全部助けてもらおっと! 

 

「そうやってなんでも検索すれば一発だから、自分で考えなくなる。物を覚えなくなる。で、脳みそが衰えて記憶力や判断力が鈍る」

管理者:宴
鈍らない方法を検索しないと! 

 

「月が綺麗な夜は、迷子が多いんだよ」

管理者:宴
月の悪戯かな? 

 

パリュスあや子さんの他作品

 

 

最後に

管理者:宴
今回はパリュスあや子さんの『燃える息』を紹介してきました。
 

何かに依存している人、身体中がかゆくて仕方がない人、スマホ中毒者の人にはおすすめなので、ぜひ読んでみてね。

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております。