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【おすすめ本】ちょっと疲れていて長編を読む気力が湧かない時もあるよね、ならば『おすすめ短編集10選』を紹介しよう

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管理者:宴

ご覧いただきありがとうございます。

ところで、『男と女は自由であるべきなんだよね、という持論を語る異姓』と『短編』って、気軽に手を出せるよね。
 

 

どうも、宴です。

けれど、そんなことを語りだす人もそれはそれで危険な気がするからほどほどにね。自由ってある程度の不自由がないと謳歌できないんだよ。

 

まぁ、そんなわけで、今回は『おすすめ短編集10選』を紹介しようと思う。

 

 

余命3000文字/村崎羯諦

あらすじ

「大変申し上げにくいのですが、あなたの余命はあと3000文字きっかりです」ある日、医者から文字数で余命を宣告された男に待ち受ける数奇な運命とは―?(「余命3000文字」)。「妊娠六年目にもなると色々と生活が大変でしょう」母のお腹の中で引きこもり、ちっとも産まれてこようとしない胎児が選んだまさかの選択とは―?(「出産拒否」)。「小説家になろう」発、年間純文学「文芸」ランキング第一位獲得作品の書籍化。朝読、通勤、就寝前、すき間読書を彩る作品集。泣き、笑い、そしてやってくるどんでん返し。書き下ろしを含む二十六編を収録!

 

本作は、がつん! と何かを提示してくるわけでも、訴えかけてくるわけでもない。ただひたすらに上質のエンターテイメントと畏敬の念を抱いてしまう物語が、ところせましと闊歩しているだけだ。大化の改新にでも遭遇してしまったかのような衝撃がここにある。

 

管理者:宴
発想がすごい。 

 

カモフラージュ/松井玲奈

あらすじ

誰もが化けの皮をかぶって生きている。松井玲奈、鮮烈なデビュー短編集。

 
元アイドルの作品と侮るなかれ。本作には様々なカモフラージュを施して生きている人間たちが書かれている。切なかったり、不気味だったり、苦しかったり。違う顔とテイストを持つ一つ一つの物語たちは、読み応えがたっぷりだ。
 
管理者:宴
人生はカモフラージュ。
 

 

ファースト・プライオリティー/山本文緒

あらすじ

一番大切なのは、何をする時間ですか?今、一番したいことは何ですか?絶対手放せない、私の最優先なこと。それは、人が見れば笑ってしまうようなこだわり。恋だけでも家庭だけでも、仕事だけでもない。三十一歳、初めて気づく、ゆずれないことの大きさ。そこに、本来の自分を形作るものが見えてくる。はたして人は、大事なものだけで生きられるのか?揺らぎ惑う大人たちを描く、山本文緒の世界。

 
三十一歳といえば、漠然と人生の岐路に立っているような気持ちになるお年頃。だからこそ、迷ったり揺れたり忙しない。男性と女性では感覚が違うだろうけれど、大人になって、ふと立ち止まった時に感じるものは良くも悪くも奥深いものである。だからこそ、僕は本作をとても愛おしく感じるのだ。

 

管理者:宴
大切な時間を大切に。 

 

きみはポラリス/三浦しをん

あらすじ

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛…言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている―。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。

 
恋愛は、好きか、嫌いか、の二択のはずである。でも、それは僕の四畳半ぐらいある視野の狭い思い込みだった。同性を好きになってむふむふしたり、嫁が子供の大事なものを咥えてるのを見てふがふがしたり、実は僕は犬で人間に恋をして、わぉんと言ったり。本作は、好きか、嫌いか、では片づけられない慕情を訴えている。

 

管理者:宴
切なさと痛みが胸に沁みる。 

 

スモールワールズ/一穂ミチ

あらすじ

ままならない現実を抱えて生きる人たちの6つの物語。夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。第74回日本推理作家協会賞短編部門候補作「ピクニック」収録。

 

人の物語とは簡単には上手くいかないもの。ゾッとしたり、ホッとしたり、ネオンテトラを飼いたくなったりすることもあるし、このまま平穏に終わるかとおもいきや裏切られることもあるのだ。いろんな形の物語に心を揺さぶられ、グイグイと刺さってくる言葉たちに翻弄される。苦しいけれど、愛おしい一冊だ。

 

管理者:宴
魔王がいるよ。
 

 

 

風に舞いあがるビニールシート/森絵都

あらすじ

才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。あたたかくて力強い、第135回直木賞受賞作。

 

価値観は人によって違っていて、そのせいで妙ないさかいが絶えない現代社会。でもね、わかろうとする気持ち、まずはそれを持つことが大切なのだ。そう本作は語っていらっしゃいます。たとえ間違っていたとしても、懸命に生きることが大切なのだ、とも。

 

管理者:宴
人生に立ち向かう短編集。
 

 

きつねのはなし/森見登美彦

あらすじ

「知り合いから妙なケモノをもらってね」篭の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝”を持った女が現われて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は?底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。

 

唐突に殺人鬼に襲われたり、いきなり目の前の建物が爆発するのも怖いけれど、何が怖いのかわからないのが一番怖いし、ワクワクが止まらない。いつもふざけてばかりいると思われた筆者が解き放つホラーとファンタジーが入り混じった世界観は、とても心地よく心を搔き乱してくれる。筆者の本骨頂ともいえる一冊だ。

 

管理者:宴
不思議な世界観。 

 

誰もいない夜に咲く/桜木柴乃

あらすじ

親から継いだ牧場で黙々と牛の世話をする秀一は、三十歳になるまで女を抱いたことがない。そんな彼が、嫁来い運動で中国から迎え入れた花海とかよわす、言葉にならない想いとは―(「波に咲く」)。寄せては返す波のような欲望にいっとき身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂のありようを、北海道の風景に託して叙情豊かに謳いあげる、傑作短篇集。

 

仄暗い生活の中で光を見つけていく短編集。都会では目に見えにくい地方の問題や苦労を、筆者は北海道という広大な土地の情緒と風景と共に投げかける。その中で生きていく登場人物たちはボロボロだけれど、健気で力強い。どんな境遇でも必死に生きていけば咲くことができるのだと、本作は叫んでいる。

 
管理者:宴
北海道はでっかいよ。
 

 

嫉妬/林真理子

あらすじ

高校時代、やけに男を魅きつけた尾高裕美に。東京で生まれ育った美貌の同級生の吉岡暁子に。海外生活をしてきた同僚のエイミーに…。そのおさえても湧き上がる黒い嫉妬の感情に飲まれていく男女を鋭い筆さばきで描いた、切なくも残酷な傑作短編集。

 

醜いものは? と問われたならば、5位以内にはランクインするであろう嫉妬が、まさかこれ程の美しさを帯びるとは驚きだ。本作で描かれる嫉妬は単純な怖さと同時に、女性のたくましさと神秘性をも持ち合わせている。 怒りや蔑みだけではなく、歯がゆかったり物思いに耽ったりしてしまう嫉妬のバラエティパックは、お歳暮なんかに贈ると喜ばれることだろう。

 

管理者:宴
たまには嫉妬もいいよね。
 

 

父と私の桜尾通り商店街/今村夏子

あらすじ

桜尾通り商店街のはずれでパン屋を営む父と、娘の「私」。うまく立ち回ることができず、商店街の人々からつまはじきにされていた二人だが、「私」がコッペパンをサンドイッチにして並べはじめたことで予想外の評判を呼んでしまい…。平凡な日常は二転三転して驚きの結末へ―見慣れた風景が変容する、書き下ろしを含む全六編。

 
筆者の小説は本と対話を重ねなければいけない。きっとこういう気持ちなのだろう、こうだからこうしたのだろう。時にはモヤッとしたりするけれど、それはそれで具合がとても良い。世間とのズレを自覚はしているけれど、そっちの世界に行きたくて仕方がない登場人物たちの世界は煌びやかで優しい。
 
管理者:宴

驚きの世界へ。

 

 


 


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