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【おすすめ本】普通の日常が不思議へと早がわり『小川洋子さんのおすすめ小説8選』を紹介しよう

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管理者:宴

ご覧いただきありがとうございます。

ところで、『財布の中のお札が消えている気がする現象』と『小川洋子さん』って、不思議だよね。
 

 

どうも、宴です。

絶対使っているんだろうけれど、信じたくない。きっと天使がもっていったのだ。天使界も世知辛いだろうから。そんな世の中に小川洋子さんの小説は、優しさをくれるよ!

 

まぁ、そんなわけで、今回は『小川洋子さんのおすすめ小説8選』を紹介していこうと思う。

 

 

寡黙な死骸みだらな弔い

あらすじ

息子を亡くした女が洋菓子屋を訪れ、鞄職人は心臓を採寸する。内科医の白衣から秘密がこぼれ落ち、拷問博物館でベンガル虎が息絶える―時計塔のある街にちりばめられた、密やかで残酷な弔いの儀式。清冽な迷宮を紡ぎ出す、連作短篇集。

 

表題の不穏さに、おそるおそる読んでみると、そこにはホラーやサスペンスとは一味違う物語が展開されていた。何も語らない死骸と物語に感じる不思議な違和感が心地よい。何かが喉に引っかかっている感触がするけれど全然嫌じゃない。もっと引っ掛かれー、と懇願するほどである。

 

管理者:宴
素敵に不穏。 

 

人質の朗読会

あらすじ

遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた―慎み深い拍手で始まる朗読会。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは、人質たちと見張り役の犯人、そして…。人生のささやかな一場面が鮮やかに甦る。それは絶望ではなく、今日を生きるための物語。しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。

 

死がすぐ近くに置いてある場所で語られる朗読会は、ただの不思議な物語というだけではない。祈りでもある。生きたいとか、助かりたい、ではない、今生きていることに対しての祈りだ。人質にされているにもかかわらず、刺々しさのない優しい朗読会は、心の深い場所にまで響き渡る。

 

管理者:宴
生きているからこその朗読会。
 

 

ことり

あらすじ

人間の言葉は話せないけれど、小鳥のさえずりを理解する兄と、兄の言葉を唯一わかる弟。二人は支えあってひっそりと生きていく。やがて兄は亡くなり、弟は「小鳥の小父さん」と人々に呼ばれて…。慎み深い兄弟の一生を描く、優しく切ない、著者の会心作。

 
小鳥の小父さんの人生は仄暗い。誰にも理解されないだろうし、誰も知る由もないことだろう。でも、それは暖かくて、優しい温もりを知っているかけがえのない人生だ。誰にも触れられないように、心の中にそっと置いておきたくなるような一冊。

 

管理者:宴
素晴らしき人生。
 

 

 

薬指の標本

あらすじ

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは…。奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。

 
欠けた薬指、プレゼントの靴、やけどの標本、飛び散る活字盤、いなくなる事務員、標本室。いくつもの要素と技術士弟子丸の偏屈な愛が、物語を妖艶に飾る。一度はまってしまえば、抜け出せない。そんな怖さと愛おしさに、気づけば包まれていく。

 

管理者:宴
標本って不思議。 

 

猫を抱いて象と泳ぐ

あらすじ

「大きくなること、それは悲劇である」。この箴言を胸に十一歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指すリトル・アリョーヒンとなる。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、いつしか「盤下の詩人」として奇跡のような棋譜を生み出す。静謐にして美しい、小川ワールドの到達点を示す傑作。

 

リトルアリョーヒンは変わり種のチェスをする。けれど、そのプレイスタイルはとても優しい。勝負師独特の荒々しさがそこにはない。相手がどんなチェスをしてきても、彼は優しく包むのだろう。幼い頃に出会ったマスターのように。

 

管理者:宴
チェス知らなくても読めるよ。
 

 

琥珀のまたたき

あらすじ

魔犬の呪いから逃れるため、パパが遺した別荘で暮らし始めたオパール、琥珀、瑪瑙の三きょうだい。沢山の図鑑やお話、音楽に彩られた日々は、琥珀の瞳の奥に現れる死んだ末妹も交え、幸福に過ぎていく。ところが、ママの禁止事項がこっそり破られるたび、家族だけの隔絶された暮らしは綻びをみせはじめる。

 

母親が作り出した世界観。その場所は幻想的な宴のように美しく楽しげだ。けれど、一歩外の世界へ踏み出してしまえば、その場所は真逆のものへと変貌していく。 同じ暮らしをしてきた家族ではあるが、幸せの形はそれぞれ違っていたようだ。

 

管理者:宴
作られたものはいつかは綻ぶ。 

 

 

博士の愛した数式

あらすじ

「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた―記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

 

80分しか記憶がもたない博士と家政婦と息子。数字を通して会話をする三人は、前提としてはビジネス的な関係。けれど、数字に夢中な博士と過ごしている時間は、まるで家族のように愛おしい。80分を超えて、なお継続中の絆が悲しくも暖かい。

 
管理者:宴
数字が繋げた絆だ。 
 

約束された移動

あらすじ

こうして書棚の秘密は私とB、二人だけのものになった―ハリウッド俳優Bの泊まった部屋からは、決まって一冊の本が抜き取られていた。Bからの無言の合図を受け取る客室係…。“移動する”六篇の物語。

 

約束された移動とはどんな移動なのか。ああ、そういう移動でしたか。筆者が作り出す不思議と抜群のセンスが光る少し残酷が見え隠れする短編集は、とても大らか。人との繋がりって不思議なものなのね、と心に沁みる一冊だ。

 
管理者:宴
約束をやぶってはいけないよ。
 
 


 


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