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本と宴へようこそ。
どうも、宴です。
物件を借りようと内見している時ってワクワクしますよね。でも、借りたり購入する予定があるのであれば気をつけてほしいのです。そこには落とし穴があるかも…
ということで、今回は乾くるみさんの『物件探偵』をご紹介させていただきます。
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物件探偵/乾くるみ
高利回りのマンションを手に入れたはずが、オーナー生活はなぜか4ヵ月で終了。新幹線の座席が残された部屋、HDDから覚えのない録画が流れたり、バルコニーに鳩の死骸を見つけたり。全て何者かの嫌がらせなのか?格安、駅近、など好条件にも危険が。事故物件をチェックしただけでは見抜けない「謎」を宅地建物取引を極める不動尊子が解明。物件×人を巡る極上ミステリー6話。(「BOOK」データベースより)
物件 | 10/10点 |
---|---|
ドキドキ | 7/10点 |
感動 | 4/10点 |
切なさ | 5/10点 |
読みやすさ | 8/10点 |
総評 | 6/10点 |
書評・感想文
不動産には危険がいっぱい
マンションを買いたい、引っ越したい。そんな時、人はこう思うことでしょう。何かよくわからないけれど、不動産屋に任せておけば大丈夫だろう。だってプロだし。
いやいや、ちょっと待って頂きたい。まずは本作『物件探偵』を読んではいかがでしょうか。なぜならば、不動産や物件には思いがけない危険な罠が潜んでいるかもしれないのですから…
物件ミステリー
本作は物件探偵と言いつつも、物件で殺人事件がおきて…という物語ではございません。物件を探している最中に、「お、ここはいいぞ」と心奪われるも、「あら、何かおかしい気が…でも何が?」といった具合のところに颯爽と現れ、物件探偵(と名乗ってはいないのだけれど)こと不動尊子さんが、「これはこういうことですね」と小気味よく解決してくれる物件ミステリーなのです。
こういうこともあるんだね、と肝に銘じると共に物件に関する知らなかったことも知れるので一石二鳥ですね。
何がおこるかわからない世の中だから
そして、三鳥目が不動尊子のキャラがなんともたまらないのです。彼女は物件探偵として活動しているわけではなく、ただ物件の異変を察知し、物件のことを想い、涙を流すのです。なんて可憐な子なのでしょう。
世の中、何がおこるかわかりません。絶対に起こりえないことなんかないのが現代社会。これから不動産屋に赴こうとしている人は、一度物件探偵を読んでみることをおすすめいたします。不動尊子と一緒に涙を流してみようではありませんか。
心に残った言葉・名言
「部屋が泣いています」
絶対に起こり得ないことだとまでは言えない。そして起こり得ることは実際に起こるのが、この世の常なのだ。
「このアパートは悲鳴を上げています」
ちなみにルーフバルコニーっていうのは、バルコニー部分の真下が、下の階のベランダではなく室内という位置関係にある場合のときに特にそう呼ばれる。
「とても気持ちのいい部屋ですね。小鳥の囀りのような爽やかな声が聞こえます」
「このアパートが呻いています。ワタクシにはその声が聞こえます」
「——部屋が涙を流しています」
あちこちからキャラをパクっ――リスペクトした結果、生まれたキャラなのですねワタクシって。
乾くるみさんの他作品
最後に
物件を借りようとしている人、マンションの購入予定がある人、部屋が涙を流している人にはおすすめだから、ぜひ読んでみてね。
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。