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【ネタバレなし】道尾秀介さん『風神の手』 書評・感想文と心に残った言葉・名言|小さな風が巻き起こしたいくつもの出来事

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ご覧いただきありがとうございます。

本と宴へようこそ。

管理者:宴
ところで、『マル・マル・モリ・モリ! の芦田愛菜ちゃんの相方』と『風』って…ふくよね!
 

どうも、宴です。

どんなに小さな風でもいろんなものを巻き込んで、やがて大きな風となります。そして、未来へと紡がれていきます。そういうものなのです。

 

ということで、今回は道尾秀介さんの『風神の手』をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

風神の手/道尾秀介

あらすじ

遺影が専門の写真館「鏡影館」。その街を舞台に、男子小学生から死を目前に控えた老女まで、様々な人物たちの人生が交差していくー。数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化する、技巧と世界観。道尾秀介にしか描けない、その集大成といえる傑作長編小説。(「BOOK」データベースより)

驚き /10点
ドキドキ /10点
感動 /10点
切なさ /10点
読みやすさ /10点
総評 /10点

 

書評・感想文

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道尾秀介さんの小説を読む際、僕はいつも戦の最前線にでもいるかのよう身構えるのです。きっと何か仕掛けてくる…一体どこに仕掛けが…? そう構えていても、大概は無残にやられてしまうのですが…

 

で、今回も見事にやられてしまったわけです。本作『風神の手』は同じ街を舞台に、次々と語り手を変えながら紡がれていく数10年の歳月を描いた物語です。一見、別々の切り離された物語のように見えたのですが、読み進めるごとに少しずつ風向きが変わっていきまして、ああ、ダメだ、これは、と途中からはやられる未来しか見えませんでした。

 

完膚なきまでにやられた! と確信したのはラストです。些細な風だったはずが、それは次第に大きくなりたくさんの風を生んだという事実。そして、その風は未来へと繋がっていくということ…はい、やられてしまいました。たとえ、小さな風だろうと、それがなければ、今という現実は生まれなかったのだ、と本作は語っています。

 

1つ1つの物語のクオリティの高さはもちろんのこと、その全てを意味ある一つものへと集約していく技術はもう職人芸ですね。道尾秀介さんは小説の建築家さんです。新築を心よりお待ちしております。

 

 

心に残った言葉・名言

「片付けなんて、いつまで経っても終わらないもんだよ。何かを片付けたって、またすぐに片付けなきゃならない新しいものが出てくるんだから」

管理者:宴
整理整頓が大事!
 

 

「本気だとしても、そうじゃないとしても……何かを覚悟するって、勇気がいるものだろ」

管理者:宴
勇気どこに置いたんだっけ…?
 

 

ずっと前に吹いた風が、たくさんの哀しい出来事を引き起こした。でも、それらの出来事がなければ源哉や歩美はこの世に生まれてこなかった。

管理者:宴
どんな風が吹いても結果オーライ! 

 

「風のはじまりは、太陽なんだよ」

管理者:宴
だから全部太陽のせいってことで! 

 

道尾秀介さんの他作品

 

 

最後に

管理者:宴
今回は道尾秀介さんの『風神の手』を紹介してきました。
 

風をおこしてしまった人、引っ掛かっている過去がある人、全国のレイコさんがどんな人なのか知らないけれどレイコさんっぽくない人にはおすすめだから、ぜひ読んでみてね。

 

それでは本日はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました。

管理者:宴
またのお越しをお待ちしております。